Jリーグは7日、JFA(日本サッカー協会)、FIFA EWS社(FIFA早期警告システム)と共催し、八百長撲滅を目的とするインテグリティーセミナーを開催しました。
このセミナーにはJリーグおよび全52クラブのコンプライアンス・オフィサー(コンプライアンスに関わる責任者)のほか、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会、警察関係者ら約160人が出席。日本スポーツ振興センターの協力のもと八百長に対する知識と不正防止の意識向上を促す様々な講義が行われました。
冒頭では日本サッカー協会の原 博実専務理事が「日本のスポーツ界に忍び寄る八百長に対して、サッカー界が先陣を切って取り組んでいきたい」と挨拶。講義では、日本スポーツ振興センターの桶谷 敏之氏より「日本のスポーツにおけるインテグリティーとは」をテーマに、続いてFIFAのセキュリティディレクターRalf Mutschke氏が世界の八百長事例とFIFAの取り組みについてお話しされました。
その後は、世界中のサッカーの試合で八百長の兆候がないかを監視するEWS社より「サッカー賭博の賭け方や実際の事例」をテーマに、よりリアルな賭博市場の現状について紹介がありました。
こうした講義を受けたのち、参加者はグループワークを実施。それぞれの立場から広い視野で問題をとらえるべく、活発な意見交換が行われました。
また八百長対策に携わっている韓国Kリーグの関係者によるゲストスピーチも行われ、最後にJFA、Jリーグがそれぞれ八百長問題に対する今後の取り組みと計画を発表し、セミナーは閉会となりました。
セミナーに参加したJリーグ村井 満チェアマンは「世界中のブックメーカーの間でJ1、J2、J3のすべての試合が賭けの対象となっている。そうした状況に晒されている自覚がなければいけない」とし、「何らかの気づきがあれば『何を話しているの』と確認しあうなど、日常から身近な者同士が啓発しあえる環境を文化として作っていけるかどうか。この問題に対しては一過性ではなく、繰り返し、継続して組んでいく必要がある」と、対策を継続していくことを表明しました。
またtotoの助成金は他のスポーツの設備投資に用いられることについても触れ、「もしJリーグになにかあれば、日本のスポーツ基盤は損なわれかねない」と不正行為に対する危機意識と、八百長撲滅への強い決意を示していました。