自動昇格を実現するのは逃げる横浜FCか、追いかける長崎か。山形vs千葉はプレーオフ出場をかけた大一番に【プレビュー：明治安田Ｊ２ 第38節】

明治安田Ｊ２リーグは10日に今季の最終節（第38節）が開催される。

すでに清水の優勝・昇格と、栃木、鹿児島、群馬の降格が決定しており、最終節の注目は残りひとつの自動昇格争いと、混戦を極めるプレーオフ出場争いとなる。

引き分け以上で自動昇格が決まる2位の横浜FCはアウェイで山口と対戦。前節は栃木と引き分け、3試合勝利がない。よもやの足踏みを強いられるなか、25節以来ゴールから遠ざかる伊藤 翔に結果が求められる。対する山口は愛媛と引き分け、連勝はならなかった。引き分けに終わった前回対戦でゴールを決めた若月 大和が上位撃破のカギを握りそうだ。

勝点3差で横浜FCを追いかける3位の長崎はホームに愛媛を迎える。逆転での自動昇格のためには勝利のみが求められる。現在4連勝と再び勢いに乗るなか、前節に復活のゴールを決めたエジガル ジュニオが再び大仕事をやってのけるか。愛媛は山口と引き分け、10試合勝利がない。ひとつでも上の順位でシーズンを終えるためにも、勝利を掴みたいところ。得点源の石浦 大雅に大きな期待がかかる。

プレーオフ出場争いは、横浜FCもしくは長崎と4位の岡山はすでに決定済み。残り2枠を5位の山形、6位の千葉、7位の仙台が争う構図となっている。

そして今節は山形と千葉の直接対決が行われる。勝ったほうがプレーオフ出場権を手にすることができるまさに大一番だ。山形は前節、水戸を下し、8連勝と勢いを加速させている。好調を維持するディサロ 燦シルヴァーノと高橋 潤哉の両ストライカーが、今節も重要な役割を担うだろう。対する千葉は長崎に敗れ、連勝が5でストップした。敗れればもちろん、引き分けでも7位に転落する可能性があるなか、すでに今季の得点王を確実なものとしているエースの小森 飛絢がこの重要な一戦でも結果を残せるか。開幕節に行われた前回対戦では山形が3-2で勝利を収めているが、果たして今回はいかなる決着を見るか。

仙台はホームに大分を迎える。引き分けでも千葉が敗れればプレーオフ出場権を手にすることができるが、勝利すれば確実にプレーオフに進むことができる。前節は熊本に敗れ、3連勝はならなかった。3ゴールを許した守備の立て直しが求められるだろう。大分は群馬を下し、2連勝と状態を上げている。2戦連発のデルランが今節も結果を残せるか。

岡山はアウェイで鹿児島と対戦。プレーオフを優位に戦うためにも、4位の座を死守したいところ。前節は藤枝を下し、3連勝と勢いに乗る。3戦4発の岩渕 弘人が今節も輝きを放てるか。鹿児島は徳島に敗れ、2連敗となった。1年でのＪ３降格が決まったなか、ホームでの最終戦を勝利で締めくくりたい。

優勝を決めた清水はホームに熊本を迎える。前節はいわきを下し、2連勝を達成した。今節もエースの北川 航也が出場停止となるなか、ルーキーの郡司 璃来にリーグ戦初ゴールは生まれるか。熊本は仙台を下し、12位に順位を上げている。ここ4試合で4得点を記録する石川 大地に今節もかかる期待は大きい。

秋田はホームで藤枝と対戦。前節は甲府を下し、連敗を2で食い止めた。前回対戦で敗れた相手にリベンジを果たし、初の一桁順位を狙う。藤枝は岡山に敗れ、3連敗となった。複数失点が続くなか、前節は得点も奪えなかった。攻撃スタイルを貫き、良い形でシーズンを終えたい。

甲府はホームに水戸を迎える。前節は秋田に敗れ、3連敗と元気がない。4戦4発と好調のアダイウトンが嫌な流れを断ち切る活躍を見せられるか。水戸は山形に敗れ、4試合ぶりに黒星を喫した。3点を奪われた守備の修正がテーマとなりそうだ。

いわきはホームで群馬と対戦。前節は清水に敗れ、3連敗となった。現在18ゴールを記録する谷村 海那が20得点の大台に乗せることができるか。そのパフォーマンスに注目だ。群馬は大分に敗れ、8試合勝利がない。Ｊ３への降格が決まったなか、ラストマッチで来季につながる戦いを示したい。

栃木はホームに徳島を迎える。前節は横浜FCと引き分け、5試合勝利がない。5試合で2失点を堅守と実現する一方で、課題は得点力。大ベテランの矢野 貴章の今季初ゴールを期待したい。徳島は鹿児島を下し、4連勝を達成。5連勝フィニッシュで、昨季を大きく上回る8位を守れるか。

■各試合の見どころをチェック
仙台vs大分
秋田vs藤枝
山形vs千葉
いわきvs群馬
栃木vs徳島
甲府vs水戸
清水vs熊本
山口vs横浜FC
長崎vs愛媛
鹿児島vs岡山