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2024年度 第8回Jリーグ理事会後会見発言録

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2024年10月2日(水) 18:20

2024年度 第8回Jリーグ理事会後会見発言録

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2024年度 第8回Jリーグ理事会後会見発言録
2024年度 第8回Jリーグ理事会後会見発言録

2024年9月24日

2024年度 第8回Jリーグ理事会後会見発言録

2024年9月24日(火)17:00~
Jリーグ会議室およびWebミーティングシステムにて実施

登壇:チェアマン 野々村 芳和
陪席:執行役員 窪田 慎二
執行役員 青影 宜典
執行役員 樋口 順也
執行役員 笹田 賢吾
司会:広報部長 仲村 健太郎
 
〔司会(仲村広報部長)より説明〕
本日開催いたしました第8回理事会後の会見を開催いたします。
なお本日は、第1部と第2部に会見の内容を分け、第1部は理事会後会見として、理事会の決議事項を中心にご説明し、チェアマンが登壇いたします。第2部はクラブライセンス判定説明会として、クラブライセンスマネージャーの大城を中心にご説明いたします。 チェアマンには、第1部の会見でご質問いただければと思います。 

それでは、第1部理事会決議事項の1点目、選手契約制度の改定について、フットボール担当執行役員の樋口よりご説明いたします。

《決議事項》
https://aboutj.jleague.jp/corporate/pressrelease/post.php?code=5a0a8eaf-3d9a-488f-90fc-4c8892b1d6c6&y=&m=&q=
1.プロサッカー選手契約制度の改定について
プロ選手契約、いわゆるABC契約の制度につきまして、2022年の後半から日本プロサッカー選手会やクラブと長く議論を続けてまいりました。途中、シーズン移行の議論もあり、断続的な話し合いではありましたが、今シーズンの春頃から本格的な話し合いを進め、本日決議いたしました。プレスリリースを基にご説明いたします。

現状の「プロABC契約」が施行されたのが1999年で、議論がされたのは1997年頃でした。当時、J2リーグ始まったのが1999年、フランスワールドカップが1998年、横浜フリューゲルスの件(横浜フリューゲルスが横浜マリノス(現横浜F・マリノス)と合併)があったのが1998年だと思います。1993年から加速度的に始まったJリーグでしたが、 いわゆるJリーグバブルが一旦弾け、本当にプロリーグとしてあるべき姿を議論したのが25年前だったと認識しています。
その後、細かい金額の改定や移籍金の国内係数をなくすなどの改定はありましたが、ABC契約自体に大きな改定をするのは約25年経った今回が初めてとなります。 
25年前と比べると、競争相手が海外になったこと、国内でもプロ野球はもちろん、例えばBリーグが設立されるなど、日本国内のプロスポーツの環境も大きく変わってまいりました。
そうした中で、選手会からもいろんな要望をいただき、吉田麻也会長を中心に何回も何回も議論をさせていただきました。まずはプロサッカー選手のステータスをもっと上げていくことを基本に様々な議論をさせていただき、いくつか改定をしています。リリースの中段に概要を記載しています。

①プロ契約における ABC 区分を撤廃
まず、A契約、B契約、C契約の区分を撤廃することを決議しています。シーズン移行が2026年の夏から行われますので、その前の2026年2月、いわゆる移行期の大会が始まるタイミングからABC契約を撤廃することを決議しています。

②プロ契約締結初年度の報酬上限規制を緩和
現状、新人選手の年俸には上限があります。C契約から始まると基本報酬460万円、期中にA契約に切り替わっても基本報酬670万円という上限がありますが、こちらを2026年2月から1,200万円に上げたいと思っています。 また、住宅や車などの支度金は家族構成によって上限が変わっていますが、こちらを一律で現状一番高い500万円に合わせるという改定も行っています。 基本報酬が1,200万になりますので、出場勝利給などを含めますと、選手によっては初年度から2,000万円ぐらいの報酬を得ることができることが今回の緩和となります。
一方で、本当に緩和するだけでよいのかという議論も何度も何度も行っており、将来的にはこちらの制限を完全に撤廃して上限をなくすという議論も継続的に行っていこうという話し合いも続けているところです。 

③プロ契約の基本報酬の下限を新設
また、基本報酬の下限が今までありませんでした。A契約になれば下限はありましたが、A契約にせず、B契約のままにすることもクラブの自由でした。下限は今回新設されるものです。こちらは施行のタイミングを少し遅くしまして、シーズン移行期の2026年7月から開始いたします。J1、J2、J3、それぞれプレスリリースに記載の金額を基本報酬の下限としています。 
また、併せてプロ契約の最低人数を大幅に増やしています。これまで、J3で3名、 J2でA契約が5名、J1で20名以上、うちA契約15名という枠がございました。こちらをJ1、J2、J3共通で20名に引き上げるという決議をしています。
また、18歳以下のプロ契約選手は年俸下限の例外対象とすることもできる、という内容の記載もしています。16歳になったタイミングからプロ契約ができますが、海外移籍の移籍金の獲得なども考えますと、これから早い段階でのプロ契約はどんどん進んでいくと思っています。一方で、例えばJ1クラブが16歳の選手と契約する際に、いきなり480万円というハードルがあると、早い段階でプロ契約を結ぶことを阻害する要因にもなりかねないということで、高校3年生の学年まではこの金額の例外とすることもできるという付帯事項も合わせて決議をしています。
一旦、Jリーグとしての方針決議になり、様々な統一契約書や、規則に落としていくことがこれからの作業となります。最終的にはJFAにおける理事会の決議も必要となりますが、まずはJリーグとして方針を今回のタイミングで決議しています。
リリースには野々村チェアマンのコメントおよび選手会の吉田会長のコメントも掲載しています。 
また、今お話しした改定内容の一覧表もございますので、併せてご確認いただければと思います。ご説明は以上です。

〔司会(仲村広報部長)より説明〕
決議事項の2点目、J3クラブライセンスの判定結果については、第2部でまとめてご説明いたします。
その他の報告事項としまして、2024年度ファン指標配分金支給対象クラブの中間順位報告についてご説明いたます。 プレスリリースをご参照ください。

《報告事項》
1.2024 年度ファン指標配分金支給対象クラブ 中間順位報告
https://aboutj.jleague.jp/corporate/pressrelease/post.php?code=fa021d7d-5c89-4cd5-b092-6d8da4f7de94&y=&m=&q=
2024年度のファン指標配分金について、8月31日時点における2024シーズンのDAZN視聴者数等に基づいて、支給対象クラブの中間順位を発表いたします。順位については、ファン指標配分金の表の通り、1位から60位までのクラブ順になっています。総額13.6億円を2024シーズンのDAZN視聴者数等で配分いたします。こちらについては、また来年最終結果をご報告いたします。ご参考までに、リリースに今年2月にご報告させていただいた2023年度のファン指標配分金の順位と金額を掲載しています。

説明事項は以上です。

〔野々村チェアマンよりコメント〕
8月に理事会が開催されませんでしたので、その間の試合、例えばAFCチャンピオンズリーグ(ACL)など、いくつかトピックをお話します。
ACLには、日本から ACL Eliteにヴィッセル神戸川崎フロンターレ横浜F・マリノスの3チーム、ACL Twoにサンフレッチェ広島1チームが出場しています。Jリーグとしても、どのクラブもACLに勝つために頑張っていますので、やはりこの大会は、是非出場・参加チームには良い成績を、ということを改めて思います。
大会のフォーマットも変わり、フォーマット自体がどう盛り上がっていくかというところは注視していきたいと思います。賞金も変わっており、例えば、優勝賞金が昨年と比較すると2.5倍くらいに増えています。優勝賞金はUSD 10,000,000で、ドル為替レートにもよりますが、14億円~15億円、リーグステージでは90分で勝利するとパフォーマンスボーナスとして1試合USD 100,000で、1,400~1,500万円くらい獲得できる賞金の設定になっています。当然、ヨーロッパのUEFAチャンピオンズリーグと比べると、まだ金額に差はありますが、アジアの大会としては年々金額も上がってきており、十分競争したい魅力的な大会にはなってきているのではないかと見ています。

それから、トピック2つ目、ルヴァンカップのベスト4が出揃いました。ここから、地域での盛り上げも含めて、いかに大会を盛り上げられるかということをクラブとリーグで一生懸命やっていきたいと思っています。

3つ目ですが、先ほど樋口からコメントがあった通り、選手の契約制度を変えていくことがようやく25年ぶりに動きました。「何のために」というところは色々あったり、またどうしてこの制度ができたかということも含めて、なかなか簡単にはいかないこともありましたが、前に進むことができたのは、事務局とクラブとで前向きな話し合いをしてくれたからだと思っています。

4つ目は、Jリーグ全体の話です。今シーズン多くのサポーター・お客様にもご来場いただいており、来場者数は現時点でJ1、J2、J3合計935万人、昨年比112%、2019年比(コロナ前)107%となっています。特にサマーブレイク明けの夏休み期間中の集客をどのクラブもすごく頑張って、好調であったということもあり、初めてJリーグのリーグ戦単体で1,100万人、イレブンミリオンを達成できるのではないかという見込みをもって、シーズンの終盤戦を迎えるということになります。皆様にも色々な報道をしていただいていることも含めて、やはり多くの情報を目にする人が全国で増えていると思います。是非引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

最後に、2025 年のリーグ戦の開幕日程が決まり、2月14日、15日、16日からリーグ戦がスタートします。こちらも追って詳細はフットボール担当の樋口・窪田から話があると思います。私からは以上です。

〔質疑応答〕
Q:契約制度の質問です。将来的には上限を撤廃したいというお話があり、それが基本の方向だと思うのですが、今回上限が1,200万円と設けられたのは、クラブサイドの経営の観点なのでしょうか?どういう経緯で上限が設定されたのか教えてください。

A:樋口執行役員
最終的には金額は”決め”の問題になる部分もあるので、色々な議論をした結果ではありますが、基本報酬は、いくつか議論がある中で、出場勝利給なども含めて2,000万円に近づくことで一つ線を引きたかったということがあります。
正直、この金額を引き上げるだけでは、海外との獲得競争に勝てるとか、そういうところまで至るとは思いませんが、将来サッカー選手を目指す子どもたちに、サッカー選手になると良い報酬をもらえるという環境を少しでも作っていきたいという中で、2,000万円に届くということは大事にしてきた数字です。新人選手の報酬を変えていくと、既にクラブにいる2年目3年目の選手の報酬も併せて変わっていくことになると思いますので、そのあたりの選手の基本報酬の現状も考慮し、最終的にはクラブと選手会と議論してこの数字に至りました。

Q:今日、大宮アルディージャの会社名が「RB (アールビー)大宮株式会社」に変わったと発表されました。サポーターの方の一番の関心は、クラブ名はどうなるのかということだと思いますが、そこに関してJリーグの考えを教えてください。

A:青影執行役員
クラブ名につきましては、この後クラブの検討を待って確認したいと思っていますので、現時点でお伝えできることはありません。

Q:会社名とクラブ名は違うのでしょうか。

A:青影執行役員
もちろんそれぞれでの判断となりますので、今回の判断と将来の判断は別のものと思っています。

Q:選手契約制度についてですが、今回大きな転換だと思うのですが、決定の背景には海外に若い選手が行ってしまうというJリーグとしての危機感もあるのでしょうか?

A:野々村チェアマン
将来的に撤廃することになるなら、今おっしゃられたことも変えることのターゲットに入ると思います。私が1995年に加入した当時の初年度の給料とあまりにも違いすぎることにずっと違和感を持っており、純粋に、サッカー選手でクラブに評価されるのであれば一定の金額以上がもらえる世界でないとおかしいと思っていました。
一方、30年前のJリーグと世界のサッカーのマーケットと、最近の世界のマーケットは全く変わっています。30年前にJリーグができた時には、国内でなんとしても安定させていくという思いからこの制度はできたのだと思いますが、一定の役割は終えており、昨年、一昨年くらいから世界とどう戦っていくかを現場の皆さんと議論していく中で(今回の改定は)当然の流れだと思っています。

Q:基本報酬の下限が新設されたとのことで、J3など規模が小さいクラブには影響が大きいと思うのですが、どのくらい影響があるのでしょうか。

A:野々村チェアマン
現状でこの金額を下回る強化費しか使えていないクラブは無いと思います。選手人件費だけで最低でも4,800万円、それよりももっとたくさん使っています。
プロ選手の人数では少ないところで15人くらいのところがありますが、ほぼ今のJ3のクラブであれば大丈夫だと思います。来季昇格してくるかもしれないJFLのクラブにもこういう話をしているので、JFLのクラブが選手にかけている費用からしてもほぼ問題ない金額だと思います。少なくとも選手にとって最低でも守られるものがあるという環境が設定できたことは、悪い話ではないと思っています。

Q:プロ選手の最少登録人数が各クラブで20人というのはいつからでしょうか。

A:樋口執行役員
2026年の7月です。

Q:移行後ですね。

A:樋口執行役員
リリースの③に書いてあることは全て2026年7月からです。

Q:こちらもJ2、J3にはインパクトがあると思うのですが、狙いを教えてください。

A:野々村チェアマン
インパクトは前の質問でお答えした通りです。もっと収益が小さいクラブだと大変なところはあるかもしれませんが、今のところ国内のJ3、JFLから上がってくる可能性があるクラブには越えられないハードルでは全くないという認識です。

A:樋口執行役員
今のJ3でも一番少ないところでプロ契約選手が10人を下回っているところはありません。本件は、何度も何度もクラブと議論しています。クラブとは「目の前の経営の話」と「これから中長期的にもっと規模を上げていこうという話」、また選手目線でも、これによってプロ契約がされなかったり、これによってプロ選手になれないという方が出てきたりもするので、選手会としても色々な観点を持ちながら議論いただきました。

Q:基本的な考えとしてはJ2、J3もプロのクラブなのにアマチュア選手が多いのはおかしいということでしょうか?

A:樋口執行役員
J3も出来てから10年経ち、実態を見ると3人というプロ契約の最少人数に抵触するクラブはない状況になっているので、全体として視座を高めていこうという趣旨と、選手会とも議論しましたが、安い報酬で多くの選手を抱えてリタイアする方が多くいるよりも、クラブ側もしっかりと責任を持って選手の見極めを行ない、しっかりと選手契約にコミットしていこうという観点が一番大きいと思います。

Q:先ほどチェアマンがおっしゃった開幕日ですが、例年の2月下旬から少し早まっている理由を教えてください。

A:樋口執行役員
未発表事項の大会の影響もあるので詳細まではお答えできないのですが、リーグ戦、JリーグYBCルヴァンカップを含めると史上最も早い開幕になるかと思います。またご説明できるタイミングで詳細をお伝えします。
スーパーカップの日程をまだ発表できていないのですが、ACLの日程の影響もあり、スーパーカップも含めた日程の調整の中で、この開幕が一番適切だという考え方です。リーグの開幕としては決議をしています。
補足をしますと、通常、翌シーズンの日程を決めるのはシーズンが終わる年末頃なのですが、シーズン移行の検討のタイミングでスタジアム確保のプロセスの件が懸念事項として挙がり、日程発表を早めようという話を1年前にしていました。まだシーズン移行をしていませんが、今回そのプロセスに乗って早めに決めようという取り組みをしており、このタイミングで決まりました。

Q:台風10号の影響で明治安田J1リーグ第29節の5試合が中止となりました。Jリーグが試合の開催可否を判断する権限を持っていると思いますが、5試合が中止となって広島での試合は断行されました。自分自身も取材のため、広島までの移動を試みたが、身の危険を感じた。こういった災害とも言える悪天候は今後も無いとは言えません。判断に至った根拠や判断基準、今回を踏まえて今後なんらかの基準を明確にするというお考えはあるのでしょうか?

A:野々村チェアマン
ケースバイケースなので、一つひとつを説明するのは難しいのですが、Jリーグとしてコロナの際に学んだことは、どのようにして皆で協力して試合を開催するかということです。絶対に皆で最後の最後まで頑張っていかなければいけないと、どのクラブも身を持って感じたので、どんなにコロナで大変な状況であっても試合を開催することの責任を持ち続けることが大事だということを実行委員会でも皆で確認をし合いました。一方でどうやって決めるかということですが、ルール上は最後チェアマンが決めるということにはなっていますが、実際には両クラブが中止を止むを得ないと合意するかどうかの運用となっています。
これは本当に難しい。例えば中止になってしまったところでも、本当はなんとかしてやりたいと準備をしています。J2やJ3の試合でも、1万人、1万5千人と最もお客さんが入る試合を半年以上かけて準備し、その数字が達成できると見えている試合が中止になったりしています。
この節で中止になったのはホームゲームができないところ、台風または暴風雨によってできないところが中止になっています。色々な努力をしている中でどうやって開催するかというところは、もしかしたら皆様以上に高い温度感で使命としてやらなければならないと思っています。
開催できないと両クラブが思った場合は普通に終わるのですが、そうでない場合、リーグ側に判断を求めるようなことがあればその時点で判断するということになります。

A:樋口執行役員
今回を機にクラブからも多くのご意見をいただいています。本件に関して100%全員が納得するルールは作れないと思います。一律にしすぎることによる弊害もあります。
議論の構造としては、リーグが作ったルールでクラブと対立するものではなく、60クラブにとって最も良いルールをリーグ事務局が議論を促して作ることが役目だと思っています。
昨今、異常気象や交通機関がこれまでよりも早めに運行を中止することもあるので、今の環境にあった適切なルールを議論したいと思っています。

A:野々村チェアマン
今回、中止が多かった週については、週末にそういうことが予想されていました。通常は1日前に移動するのですが、それよりも前に移動する場合にかかる費用はリーグ側が持つことになっていましたので、なるべく早く安全に移動するようリーグからは伝えていました。(アウェイクラブを)受け入れる側のクラブも、なんとしても試合ができるように、クラブによってはホテルの準備、練習場の準備を協力していこうという体制でやっています。この週も同じような体制でやっていました。

Q:一点確認をさせていただきたいのですが、今のお話からすると、サンフレッチェ広島とFC東京の試合に関しては理事会まで上がってきていなかったということでしょうか。

A:樋口執行役員
理事会で判断したものではなくフットボール担当の執行役員である窪田・樋口が野々村チェアマンと相談の上で判断しています。全試合同じです。

 

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明治安田J1リーグ 第33節
2024年10月5日(土)17:30 Kick off

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