サウジアラビアで開催されているFIFAクラブワールドカップで、浦和レッズが2回戦でレオン(メキシコ)を下し、準決勝に駒を進めた。
レオン戦ではボール支配で上回りながらもなかなか決定機を作れなかったが、78分にエリア内でホセ カンテのパスを受けたアレックス シャルクが右足で流し込み、先制ゴールをマーク。この1点が決勝点となった。
その浦和が準決勝で対戦するのが欧州王者のマンチェスター・シティ(イングランド)だ。
マンチェスター・シティは昨季、欧州CLで優勝を成し遂げたのをはじめ、プレミアリーグでは3連覇を達成。国内カップ戦も制し、3冠を達成した。今季のプレミアリーグではここまで4位と上位をキープし、欧州CLのグループリーグでは6戦全勝で決勝トーナメントに駒を進めている。当代きっての名将、ジョゼップ・グアルディオラ監督率いるチームは、まさに世界最強のチームのひとつであることは間違いない。
チームには昨季のプレミアリーグ得点王のアーリング・ハーランドをはじめ、ロドリ、ベルナルド・シウバ、フィル・フォーデン、ジャック・グリーリッシュらビッグネームがずらり。ジェレミー・ドクという21歳の新星も台頭し、その戦力値は圧倒的だ。強烈な個性が備わる一方で、このチームの最大の強みはグアルディオラ監督が操る最先端の戦術だ。攻守両面で相手を圧倒するサッカーは他の追随を許さない。
さらにここへ来て、長期離脱していた大黒柱のケビン・デ・ブライネもチームに帯同し、今大会で復帰する可能性も出てきた。初の世界一に向けて、この欧州王者に死角は見当たらない。
そんな最強チームに対し、浦和はいかなる戦いを見せるのか。押し込まれる展開が予想されるなかでカギを握るのはアレクサンダー ショルツ、マリウス ホイブラーテンを軸とした最終ラインだろう。レオン戦で復帰した酒井 宏樹の経験値もチームを助けるポイントになりそうだ。粘り強く相手に対応し、攻撃では今季限りで現役を退くホセ カンテの決定力に加え、レオン戦でマン・オブ・ザ・マッチに輝いた小泉 佳穂にも期待がかかる。
日本勢は過去のこの大会でも印象的な戦いを見せている。2008年にはガンバ大阪がマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)を苦しめ、2016年の鹿島アントラーズは決勝でレアル・マドリード(スペイン)と延長にもつれ込む死闘を演じた。欧州勢に勝利した経験はないとはいえ、可能性は決してゼロではない。Jリーグの底力を世界に見せつけられるか。