明治安田生命J2リーグは4月に第7節から12節までの6節分が消化された。
4月の主役となったのは長崎だ。8節の群馬戦にこそ敗れたものの、それ以外の5試合はすべてに勝利。5勝1敗で15ポイントを積み上げ、3月終了時点の11位から一気に2位に浮上した。躍進を牽引するのはフアンマ デルガドだ。6試合で5得点をマークし、チームに多くの勝利をもたらした。守備の安定も備わりつつあるだけに、さらに勢いを加速していきそうな気配だ。
スタートダッシュに成功した町田だったが、4月は苦戦を強いられた。秋田、甲府に完封負けを喫するなど、攻撃面にやや不安を残している。それでも3勝を挙げて首位の座をキープ。強度の高い守りを武器に、5月以降も力強い戦いを見せるはずだ。
東京Vと大分は、ともに3勝3敗と出入りの激しい戦いとなった。浮上してきたのは群馬だ。4勝1分1敗と13ポイントを加算し、10位から5位にまで順位を上げている。3試合でクリーンシートを達成するなど堅い守りが光り、10番を背負う佐藤 亮の好調ぶりも際立った。
昇格チームの藤枝も、堂々たる戦いを見せている。首位の町田にこそ敗れたものの、9節から3連勝を達成するなど上位争いに加わってきた。4ゴールを決めた渡邉 りょうを軸とした攻撃スタイルは今後も多くのサプライズをもたらしてくれそうだ。
監督交代を機に、完全復調したのは清水だ。秋葉 忠宏監督が就任した8節以降、4勝1分と負けなしを続ける。乾 貴士をはじめとする攻撃陣が躍動し、権田 修一を中心とした守備も安定感を増している。大きく出遅れた清水だったが、今後上位争いに絡んでいく可能性は十分だ。
同じく監督交代の山形は、3月から続いていた連敗が8にまで伸びたものの、11節の東京V戦で勝利を収め、連敗をストップ。続く山口戦は引き分けに終わり21位に留まるが、渡邉 晋監督の下で復調の予感を漂わせている。
一方序盤戦は好調だった秋田、岡山は思うように勝点を伸ばせずに順位を下げている。1年でのJ1復帰を目指す磐田も、いまだ連勝がなく、波に乗り切れていない。気がかりなのは大宮だ。9節から4連敗を喫し、18位にまで順位を下げている。4月の6試合でわずか3得点と決定力不足に苦しんでおり、このポイントを改善できないようだと今後も苦戦は免れないだろう。
3月まで未勝利だった水戸は7節の山形戦での初勝利を含め、4月は3勝と好転のきっかけを見出している。同じく未勝利だった徳島は12節の磐田戦で、待望の今季初白星を手にした。柿谷 曜一朗をはじめタレントは揃うだけに、5月以降の巻き返しに期待がかかる。