2023年3月30日(木) 14:30
黒田新体制の町田が圧巻の戦いでスタートダッシュに成功。1年でのJ1復帰を目指す清水は、いまだ勝利なし【マンスリーレポート(2月・3月):明治安田J2】
明治安田生命J2リーグは、2月と3月に6節までを消化した。首位に立つのは町田だ。長年、高校サッカーの名門、青森山田高を指揮してきた黒田 剛新監督を迎えた今季は、開幕戦こそ仙台に引き分けたものの、2節の群馬戦から5連勝を達成。5勝1分、11得点・1失点と圧巻の戦いを見せている。
強度の高い守備と素早くゴールに迫るサッカーを展開し、セットプレーの威力も十分。カテゴリーこそ異なるものの勝者のメンタリティを知り尽くす新監督の下、今季のJ2リーグを牽引する存在となっていきそうだ。
東京Vは復活の予感を漂わせている。ここまで4勝1分1敗で2位につけており、11得点・1失点は町田と並ぶ数字だ。2年目を迎えた城福 浩監督の下で組織的な守備を実現し、阪野 豊史、梶川 諒太らを軸とした攻撃にも迫力が生まれている。若手の存在も頼もしく、今季は昇格争いに絡んでいく可能性は十分だろう。
大分も開幕から好調を維持する。開幕3連勝を達成し、5節までは無敗で快走した。3バックの安定感とポゼッションスタイルが機能。ベテランの梅崎 司が健在な一方、22歳の高畑 奎汰がブレイクの予感を漂わせている。2年目を迎えた下平 隆宏監督の下で、躍進は続いていきそうだ。
持ち前の堅守を武器に、粘り強く勝点を積み上げているのは秋田だ。6試合で4得点ながら、失点はわずかに1。1点を守り抜くサッカーは今季も健在だ。
開幕3戦未勝利と出遅れた甲府だったが、その後に3連勝を達成し、5位に浮上。町田、東京Vと並ぶ11得点を挙げており、昨季天皇杯を制した勢いが蘇ってきた印象だ。
昨季3位の岡山は、今季も好調を維持する。ヨルディ バイス、ステファン ムークら外国籍選手には実力者が揃い、新戦力の櫻川 ソロモンも結果を出している。木山 隆之監督のスタイルはすでに浸透しているだけに、今後も上位争いに絡んでいくだろう。
昇格2チームも健闘している。藤枝は開幕2連勝と好スタートを切り、その後に3連敗を喫したものの、6節には山口に快勝を収め、ここまで3勝3敗と五分の成績だ。昨季のJ3を席巻した攻撃スタイルはJ2でも十分に通用しており、今後もリーグをかき回す存在となっていきそうだ。
いわきは2勝1分3敗と黒星先行ながら、仙台、徳島に連勝するなど強度の高いサッカーで、粘り強く勝点を積み上げている。守備の安定感は備わるだけに、大崩れすることはなさそうだ。
一方で1年でのJ1復帰を狙う磐田と清水は、なかなか調子が上がってこない。後藤 啓介という17歳の新星が生まれた磐田は、6節に栃木に快勝を収め復調の気配を見せる一方、清水は開幕6試合勝利なし。リーグ屈指のタレントを備えながら、勝ち切れない試合が続いている。まだシーズンは始まったばかりとはいえ、取りこぼしが続くようだと今後の戦いに影響が出てくるかもしれない。
ともに新監督を迎えた水戸と徳島も、6試合を終えて勝利がない状況だ。とりわけ徳島は高いボール支配率を実現しながらも、得点が奪えない戦いが続いている。新加入の柿谷 曜一朗が救世主となれるか。4月以降のパフォーマンスに注目が集まる。
明治安田生命J2リーグ結果(2月)
明治安田生命J2リーグ結果(3月)