公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ/チェアマン 野々村 芳和)は、1991年のJリーグ設立以来30年以上が経過する中、Jリーグを取り巻く様々な環境変化を踏まえ、リーグ全体のより一層の成長促進のために、新たな成長戦略の構想とその実現に向けた構造改革を検討してまいりました。このたび、新たな成長戦略として「2つの成長テーマ」を掲げて注力していくことを決定し、それらの成長戦略を実現するための構造改革として(1)配分金構造の見直し、(2)リーグ組織のガバナンス改革を行ってまいります。構造改革につきましては本日の方針決定のもと、いずれも2023年1月1日付の関連規約規程の改定をもちまして適用開始となります。詳細は下記をご参照ください。
■Jリーグの新たな成長戦略~2つの成長テーマ~
1.58クラブが、それぞれの地域で輝く
・J1からJ3までの全てのクラブが、それぞれの地域で成長していくことで、Jリーグ全体の価値を向上させていく。
・そのためには、それぞれの地域で圧倒的にサッカーの露出を増やすことで、地域ごとのスターを生み出し、サッカーへの関心を高めること、ファンを拡大していくことをねらいとする。
・この主たる戦略として、Jリーグはローカル露出支援プロジェクトを発足し、重点施策支援投資を検討。
(2022年9月22日付プレスリリース「“サッカー応援番組”10月より5地域で放送開始」)
2.トップ層が、ナショナル(グローバル)コンテンツとして輝く
・Jクラブの中で、世界に伍するトップクラブが生まれ、ナショナル(グローバル)コンテンツとして輝くことで、Jリーグの成長を牽引する。
・そのためには、フットボール改革のための投資と、これまでよりも明確な結果配分(競技&人気)、競争促進を進めていく。
(2022年9月27日付プレスリリース「『フットボール委員会』の設置について」)
■構造改革の方針と主な決定事項
1.配分金構造の見直し
「成果創出を後押しし、高みへの挑戦を促す新たな配分ルールへ」
①カテゴリー間の配分比率の見直し
2つの成長テーマを後押しするために、目安としてJ1:J2の配分金比率を5~6倍程度(現状約2倍)までJ1への配分割合を段階的に高めていくことを目指す。
②同一カテゴリー内の配分方法の見直し
カテゴリー間の配分金比率の見直しに加え、同一カテゴリー内の配分方法として均等配分中心から競技成績やファン増加等の成果に応じた配分(結果配分)中心へ段階的にシフトするとともに、それらの成果創出を後押しするための施策に重点投資を行う。
※2023年度の配分金額は、12月社員総会にて確定後、公表予定
2.リーグ組織のガバナンス改革
(1)会議等の意思決定構造の見直し
「より質の高い議論とスピーディーな意思決定を実現する会議のあり方へ」
①理事会の見直し
・決裁権限の最適化を行い理事会においてはJリーグの成長に関わるより重点的なテーマを中心に扱う
・理事の人数を上限20名から13名へ見直し、スリム化により意思決定の効率化と迅速化をはかる
・2023年1月1日付理事一覧は、別途12月中に公表予定
②実行委員会の見直し
・実行委員会の定例開催を見直し、アジェンダ別の開催とする
・意思決定ポータルサイトを導入し、意思決定の迅速化と可視化をはかる
・クラブとのコミュニケーションをこれまで以上に円滑にするために、新たにカテゴリーダイレクターを設置することで、クラブとリーグの関係性維持・向上に努める
(2)リーグ執行機関の組織構造の見直し
「クラブの成果創出を実現できる執行体制の強化」
①執行役員の新設
・経営領域ごとに明確な目標達成を負う立場として新たに執行役員を新設
(2023年1月1日付執行役員一覧は、別途12月中に公表予定)
②変動報酬制の導入
・具体的なクラブとリーグの成長指標や改革などと連動した報酬指標を設け、Jリーグをこれまで以上に成長させるための施策として導入
③経営会議の新設
・権限移譲と責任の所在を明確化し執行状況をモニタリングする
④①に伴う組織改編(12月中に決定、公表予定)