明治安田生命J1リーグは、8月に第24節から27節までの4節分が行われた。ACL出場チームの試合が後ろ倒しで開催されることに加え、新型コロナウイルス感染症や台風の影響で中止となった試合もあった。一方で延期分の試合が開催されたこともあり、各チームの消化試合数にはばらつきがあり、1試合のみに終わったチームもあれば、最大で5試合を消化したチームもある。
8月に躍進を遂げたのは川崎Fと広島の2チームだ。いずれも4試合をこなし、4戦全勝と強さを見せつけている。
川崎Fは24節に横浜FMとの上位対決をものにすると、福岡、鹿島を連破し、31日には延期されていた第20節の鳥栖戦にも快勝。4試合で12得点と持ち前の攻撃力が蘇り、暫定ながら首位に立っている。
一方の広島は鹿島、柏、C大阪と上位陣を次々に撃破。26節のG大阪戦ではナッシム ベン カリファのハットトリックの活躍もあり、大量5ゴールを奪って快勝を収めている。こちらは川崎Fを上回る4試合で13得点。8月はルヴァンカップ準々決勝で横浜FMに2連勝を達成しており、公式戦6戦全勝と今最も勢いのあるチームと言っても過言ではないだろう。
7月終了時点で首位だった横浜FMは、ACLのノックアウトステージに進んでいたため、8月は1試合のみに終わり、2位に順位を下げている。その試合では川崎Fに敗れ、リーグ戦では10試合ぶりの黒星を喫した。ACL、ルヴァンカップともに敗退したなか、このリーグ戦にかける想いは強いだろう。9月以降の巻き返しに期待がかかる。
7月終了時に2位だった鹿島は24節の広島戦に敗れると、監督交代を決断。岩政 大樹新監督が就任すると、初陣の福岡戦では勝利したものの、続く湘南戦は引き分けに終わり、川崎Fとの上位対決には敗れている。新たなスタイルの構築を目指すなか、結果と内容の両立を実現できるか。新監督の手腕にかかる期待は大きい。
残留争いに目を向けると、清水の反攻が目覚ましかった。3勝1分と無敗で乗り切り、7月終了時の最下位から一気に11位まで順位を上げている。チアゴ サンタナら外国籍選手が好調を維持する一方、今夏に加入した乾 貴士も力強く攻撃を牽引。ゼ リカルド監督が求めるスタイルも浸透してきているだけに、このまま残留争いから抜け出していく可能性は高い。
監督交代を断行したG大阪も2連勝を達成し、13位へとジャンプアップ。一方、8月は未勝利に終わった福岡、京都、湘南が苦しい状況に陥っている。
最下位に沈む磐田も8月は3戦全敗に終わった。25節の浦和戦後に監督交代に踏み切ったが、渋谷 洋樹新監督の初陣となった26節・名古屋戦でも結果を手にすることができなかった。課題の得点力不足をいかに解消していくのか。新監督の手腕に注目だ。