ゲームが動いたのは湘南のキックオフ直後のことだった。杉本 健勇が高い位置でパスカットするや川崎Fはショートカウンターに転じ、最後は大久保 嘉人が落ち着いて仕留めた。開始から10秒あまり、電光石火の先制劇だ。
早々にビハインドを負ったホームの湘南だったが、「その後みんな下を向かずに落ち着いてプレーできた」とGK秋元 陽太が振り返ったように、常と変わらず前線から圧力をかけ、守から攻へと転じていく。11分の同点ゴールはまさしくその姿勢に導かれていよう。相手ゴール前でこぼれたボールを藤田 祥史がかっさらい、GKをかわして決めた。