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臨時実行委員会後メディアブリーフィング発言録

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2022年7月5日(火) 22:20

臨時実行委員会後メディアブリーフィング発言録

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臨時実行委員会後メディアブリーフィング発言録
臨時実行委員会後メディアブリーフィング発言録

2022年7月5日

臨時実行委員会後メディアブリーフィング発言録
声出し応援の段階的導入にあたって

2022年7月5日(月)18:33~19:02

登壇:
Jリーグ 野々村 芳和チェアマン

〔Jリーグ広報より説明〕
本日、J1・J2・J3各カテゴリー別の臨時実行委員会を開催し、現在、段階的導入を進めている「声出し応援の運営検証試合」に関するガイドラインの遵守を含む、リーグ全体での今後の方向性について、改めての確認と、意見交換をいたしました。チェアマンの野々村より詳細をお伝えいたします。

〔野々村チェアマンより説明〕
本日は、J1・J2・J3の臨時実行委員会を実施いたしました。会議の中で、リーグ全体で今後の声出し応援をどう進めていくかについて改めて実行委員の皆さんと再確認をしました。
浦和レッズのサポーターによる声出し応援が問題になっている点も共有しながら議論、意見交換を重ね、その結果、このまま、(浦和レッズも含む)Jリーグ全体で、現在政府の定める基本的対処方針の枠組みを守りながら、引き続き、全クラブで段階的な導入を継続してやっていこうという点を、改めて再確認しました。

これまで、7月2日に発生したガンバ大阪戦での複数の浦和レッズサポーターによる声出し応援だけでなく、5月21日の鹿島アントラーズ戦でも複数のサポーターによる明らかな声出し応援行為がありました。Jリーグとして浦和レッズに対し、再三にわたり、ステートメントの発行や、再発防止策を講じるよう、現場の担当者間でやりとりさせていただきましたが、1回も、きちんとそうした対応が出てきたことがありませんでした。

こうした状況の中、特に本日、J1実行委員会の中では、浦和レッズの立花社長もご出席の中、いくつか重要な点を確認させてもらいました。それは「浦和レッズとして、全クラブと一緒に段階的な声出し応援を協力しやっていくつもりかどうか」という点です。基本的なことですが、確認する必要がありました。あわせて会議の中では、他のクラブの実行委員から、かなり厳しい、率直な意見も出ました。具体的な防止策がない中ではこのまま試合を開催していくことが不安であるという声や、浦和レッズとしてしっかりとルール違反を犯した方々に対しスタンスを見せるべきといった声もかなり出ました。

やり取りを通じ、浦和レッズの立花社長から、改めて全クラブと一緒に進めていく点と、謝罪の言葉をいただいています。さらに本日浦和レッズから、クラブインフォメーションとして、再発防止策とスタンスも出していただきました。これらによって、改めてリーグ全体で、58クラブ皆で同じ方向で声出し応援の段階的な導入を進めていくことを再確認しました。

私はかねてより、クラブに対しては自浄能力を持ってもらいたいと強く願っています。具体的には、何か問題となる事象があった際に、クラブとしてどういった対応をとるかの意思表示です。しかしながら、冒頭の2つの事案においては、(運営管理を負う立場として)浦和レッズより今日まで全く対応策が出てこなかった状況でした。そのため、私の方で本日の実行委員会の場において、改めて浦和レッズの立花社長に対し、今日までの対応と今後の声出し応援の浦和レッズとしての進め方に関する意思表示を確認させてもらいました。

浦和レッズから、声出し応援に関し、同じ方向で進んでいくスタンスの表明を宣言いただいたことで、私たちも、浦和レッズに対して1つのアクションをとることができます。
Jリーグ規約第51条〔Jクラブの責任〕の運営責任を負う義務を示す条文がありますが、今回の事案は、それらが守られなかったという認識のもとで、同規約第11章〔懲罰〕の中の第152条第7項に定める、「第51条〔Jクラブの責任〕第1項、第2項、第3項または第4項に違反した場合」に照らし、上限2,000万円の罰金を上限とした懲罰を諮ることができます。
さらに本日、浦和レッズとして再発防止策も含めて示していただいたので、この先の試合において、ようやく自分たちで自浄能力をもって改善していくことができます。
そうした状況を踏まえて、この先も改善しえない状況になった場合には、(繰り返しの違反行為として第142条〔懲罰の種類〕の定めの罰金以上の懲罰となる)無観客や勝点はく奪も含めた対応も処す可能性がある点も踏まえて、第三者機関の裁定委員会に諮問したうえで、対応を決定するとお伝えさせていただきました。今すぐ決まるということでなく、より詳細な調査に基づく諮問のうえで、となりますが、ペナルティも科すとお伝えさせていただきました。

(厳しい話になった)一方、J1実行委員会の中では、どのクラブも声出し応援の管理にご苦労されている中、同じ仲間として、ファン・サポーターとともにいかにして前を向いて進んでいくか、せっかくここまで運営検証試合なども実現できているので、もう1回みんなで頑張っていこうという空気にはなったと思います。(実際に出た声として)、「Jリーグの仲間として、同じ方向で進んでいこうよ」、「かなり大変な思いもされていると思うが、仲間として進んでいこうよ」と浦和レッズに対し、他のクラブ実行委員から投げかけもありました。
前々から述べていることの繰り返しにはなってしまいますが、もう一度ここで、(声出し応援の進め方について、)今の日本の基本的対処方針の中でできることで前に進めて、次に、それらの検証結果を通じて、声出し応援エリアは(市松模様の距離をとって)50%のままでも、声出し応援エリア以外のエリアについては(収容率)100%を獲得したいと思っています。クラブの経営的な部分も楽になる数字であることは確かです。そこを獲得したいと思います。

一方で、これは私の想像ですが、一部のサポーターの中には、クラブを問わず、やはり日本のコロナ政策と欧米のスポーツシーンの状況の差に違和感を感じている方、欧米のスポーツシーンのような光景を取り戻したいという思いを持っている方もいらっしゃるのでは、と思っています。
Jリーグ全体としては、クラブと共に基本的対処方針の中で少しずつでも進めていく方向を探り、対関係各所と調整しながら大幅に方針を見直していただく対応については、リーグとして、私の責任でやっていきます。エビデンスとともにサッカー界だけでなく、スポーツ界や異なる業界の方々も含めて、どうやったらより前を向いて進めるかは、リーグの立場で実現していくということをお伝えしたいと思います。

【質疑応答】
Q、浦和レッズは声出し運営検証試合への参加意思はあるのでしょうか。

A、野々村チェアマン
こちらにはまだ申請は来ていないですが、参加意思はあるのではないでしょうか。
運営検証試合に参加するためにはいくつかの条件があり、(ガイドラインの遵守や)自治体の了解が得られるかが重要となります。そうした条件も含めて、クラブに意思を確認しているところです。現時点では一旦保留になっています。

Q、罰則は、もうそういう方向で検討されるのか、それとも諮問機関には諮るのでしょうか。無観客試合という言葉も出ましたが、今後やった場合はありうる、ということでしょうか。

A、野々村チェアマン
最終的には、(第三者機関となる)裁定委員会への諮問を受けてチェアマンが決定する手続きとなっています。現段階でのリーグの考えとしては、今回の事案は、Jリーグ規約第51条〔Jクラブの責任〕に反するとして、今回、同規約第11章〔懲罰〕の中の第152条第7項に定める、「第51条〔Jクラブの責任〕第1項、第2項、第3項または第4項に違反した場合」に照らし、上限2,000万円の罰金を上限とした懲罰を諮ることができます。これが今まで起こった事案に対する上限となる罰金です。ここから同じようなことが繰り返し起こった場合は、次のペナルティーとしては(上位の懲罰となる)無観客試合や勝ち点はく奪といったことに進んでいく、ということを実行委員会でお伝えしています。裁定委員会に諮問する際には、次にこうしたことがあったら、という点についても諮問することになろうかと思います。

Q、Jリーグ規約の改定も視野に入るのでしょうか。

A、野々村チェアマン
今回は、予め定めているJリーグ規約の範囲の対応となります。変えたほうがいいものについては柔軟にかえていく構えではいますが、今回の事案に対してはそこまでの考えはありません。

Q、無観客試合や勝点はく奪とは重大な懲罰ですが、そこまでの事案ととらえているのでしょうか。

A、野々村チェアマン
もちろんですが、本日の実行委員会で私が一番確認したかったのは、浦和レッズのスタンスです。同じリーグの仲間として、同じ方向を向いてやっていけるのか。同じだ、ということが確認できれば、Jリーグのルールとして規約の定めの中で、これら(ルールを反した場合の懲罰)の対応をとらないと、リーグとして他のクラブ、サポーターに対しても示せません。こうした対応を取らざるを得ないということです。

Q、浦和レッズのサポーターによる声出し応援は度々ありました。その中で、本日浦和レッズが出したステートメントでは、サポーターグループとの会話を実施と書いてありますが、もう少し具体的なクラブとサポーターグループ間の透明性を求めている気がしています。関係性を具体的にファン・サポーターに見せるため、海外のように、サポーターグループの登録制なども考えられませんか。

A、野々村チェアマン
サッカーの先進国となると、歴史も長くその分経験してきたトラブルも多いでしょう。そうした事案を研究することも重要であると思うので、検討材料にはしていきたいです。一方、今回の事案では、クラブとサポーターの関係性という点で、クラブが自分たちでどのようにこの状況を変えていくかが一番求められているので、1つのきっかけになるとよいと思います。リーグとして新たな形を考えながら進んでいくことも重要であると認識しています。

Q、懲罰について浦和レッズに共有しているのでしょうか。

A、野々村チェアマン
実行委員会という仲間が集まる中で今回の問題提起をしたかったので、会議で共有しました。レッズに対してだけでなく全員の実行委員に対してお話しさせていただきました。

Q、Jリーグのガイドライン違反行為として声出し応援を認識しているのは浦和だけでしょうか。

A、野々村チェアマン
(政府の基本的対処に定める「大声あり」とは、反復して、通常より大きな声で、継続して声が出されている、いわゆるチャント等を指すとしており、ゴール直後の歓声など、一時的に出てしまうものについては、「大声あり」に当たらないというガイドラインという前提で、明らかな、と言い切れない)軽微な声出しについてはリーグとしても複数で認識しております。
ただ、軽微な声出しについては、どこからどこまでがよく、という明確な線引きは難しく、さらにスタジアムで常に黙っていなければならない、とは禁止されていません。サッカー競技の観戦であれば、どの会場でも起こりうるでしょう。今回、浦和レッズのケースでは、集団で、突発的にとはいいがたく、短時間でもない。重要なのは、そうした故意に行っている者に対し、クラブが適切に対処し管理できているかどうか、ということです。管理の状態をJリーグとしてみていくことになります。リーグとして「大声あり」という認識は、Jリーグの公式試合では浦和レッズのサポーターによる2件です。

Q、今日の実行委員会での議論は、浦和レッズに限定したものでしたか。それとも他クラブでも繰り返されれば同様の罰則が適用されるのでしょうか。

A、野々村チェアマン
両面あります。主には浦和レッズの事案の話でしたが、改めて(全体で)協力し、継続して声出し応援の段階的導入を進めていこうという点の全体での確認もしました。各クラブが今回の事例で思うことも多くあったので、特にJ1実行委員会では、今回の事案にどうすればいいのか、ということを、(当該クラブだけでなく)みんなで考えよう、と。厳しい意見も出ましたが、仲間として前を向いて進めていこうという声が出ました。

Q、罰則適用の理由は、感染リスクが高まるから、ということでなく、足並みがそろっていないから、ということでしょうか。

A、野々村チェアマン
(2020年)コロナ禍となった直後から、状況に応じて見直してはいますが、感染リスクに応じたガイドラインを作っています。(皆で守る必要があることから)反する行為があったらペナルティーの対象になるということも決めました。かつ多くの人たちが声出し応援をして、スタジアムの情熱を回復させていきたいと声出し運営検証にご協力いただいている中、もう少しの状況に来ているという点も踏まえたリーグとしての判断となりました。

Q、懲罰事案は、ガンバ大阪戦と鹿島アントラーズ戦の2試合が対象ですか。

A、野々村チェアマン
諮問の対象となるのは2試合です。諮問にあたっては、事実確認をリーグでしなければなりません。鹿島戦の事実確認の手続きがなかなかさせてもらえなかったこともあります。そうこうしているうちに、ガンバ大阪戦で再び事案が起きました。実行委員会で大筋の事実確認はしましたが、細かな事実確認は、手続きに沿ってきちんと調査しなければなりません。本日の会議では、立花社長に直接、大筋の事実確認ができ、謝罪も受け、今後、リーグ全体で決まった方針で対応していくと確認ができました。

Q、浦和レッズのステートメントでは、あくまで1試合分の謝罪しか記載がありません。認識のずれはないのでしょうか。

A、野々村チェアマン
鹿島アントラーズ戦については現場同士で手続き上も事実確認を進めています。ガンバ大阪戦については事案直後ということもありますので、公表されたステートメントは鹿島戦の対応ということで理解しています。

Q、鹿島アントラーズ戦は5月21日。ここでもっと強い対応していれば、ガンバ大阪戦の再発は防げたのではないでしょうか。

A、野々村チェアマン
先ほど申し上げた通り、どうやったらこうした問題が起こらなくなるかは、本質的にはクラブの自浄能力です。どういった状況で再発防止策を施すか、対策が問われるし、とても大切なところです。現場では、常にステートメントを求め、クラブのスタンスを明確にすべきである点や、再発防止策を明示して訴えるべきであることは再三伝えてきました。正直、自浄能力をつくっていくことがないなかでペナルティーを与えても、同じことになるでしょう。リーグとして、クラブとしてどういったスタンスでこの問題に向き合うのか、改めて確認する必要がありました。

【野々村チェアマン】
繰り返しになりますが、リーグ全体で今後の声出し応援をどう進めていくかについて改めて実行委員の皆さんと再確認をしました。そこでは、現時点では基本的対処方針に基づき段階的に導入していくということを、サッカー界、Jリーグのファン・サポーター含め一緒になって前に進んでいくことがクラブ全体で再認識できました。少しずつですが、対策をしながら声が戻ってきている状態を保てるように前に進めていきます。(段階的な積み重ねを経て、)その先にある、感染対策の方針自体を見直していただく働きかけについては、そこは私が責任をもって、適切な方法で、様々な人たちと協力し、訴えていきます。今できることで、着実に進んではいるので、ファン・サポーター、クラブのみなさんと共に引き続き取り組んでまいりたいと思います。本日の実行委員会では、改めて確認することができ、よかったと思います。

(参考)
Jリーグ規約・規程集
https://aboutj.jleague.jp/corporate/wp-content/themes/j_corp/assets/pdf/02_20220228.pdf

第51条〔Jクラブの責任〕
(1)ホームクラブは、公式試合の運営において、以下各号の義務を負う。
①試合の前後および試合中において、Jクラブ関係者、観客その他ホームスタジアムに存在するすべての者の安全を確保する義務
②試合の前後および試合中において、観客にホームスタジアムおよびその周辺において秩序ある適切な態度を保持させる義務
③前2号の義務の遂行を妨げる観客等に対して、その入場を制限しまたは即刻退去させる等、適切な措置を講ずる義務
(2)ビジタークラブは、ホームクラブによる公式試合の運営に関し、以下各号の義務を負う。
①実行委員、運営担当(正)およびセキュリティ担当(運営担当(正)とセキュリティ担当は兼務可)をアウェイゲームに帯同し、前項第2号に基づくホームクラブの義務の履行に協力する義務
②試合の前後および試合中において、ビジタークラブのサポーターに秩序ある適切な態度を保持させる義務
(3)ホームクラブおよびビジタークラブは、試合が開催されるスタジアムに、暴力団員等を入場させないよう、努めるものとする。
(4)Jリーグが主管する試合においては、Jリーグが本条に定めるホームクラブの義務を負い、当該試合に出場する両チームが本条に定めるビジタークラブの義務を負う。

 

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