Jリーグは本日、全58クラブのホームタウン・社会連携(シャレン!)活動の中から、特に社会に幅広く共有したい活動を表彰する「2022Jリーグシャレン!アウォーズ」を開催し、各賞の受賞活動を決定しましたのでお知らせいたします。
Jリーグシャレン!アウォーズはことしで3回目の開催となり、多くの協働者との連携や、取り組む課題や活動に関する発信力など、地域に根差したプロスポーツクラブの持つ価値をいかんなく発揮している社会連携活動を称える目的で実施しています。2022年は2021シーズンに行われた2000を超える活動のうち、Jリーグ全58クラブ(※)よりエントリーのあった活動に対し選考を行い、最終的に3つの賞でそれぞれ2クラブ、合計6クラブの受賞を決定いたしました。
多くのファン・サポーターの皆様にも個性あふれるJクラブのシャレン!活動を知っていただき、魅力的な活動や応援したい活動に投票をしていただく「一般投票」も実施し、最終選考の参考とさせていただきました。一般投票は、応援したい活動をTwitterのリツイート機能でそれぞれのアカウントから拡散いただくことで1票が入る方式を採用し、8,000を超える投票をいただきました。
後日、受賞クラブのホームゲームにて授賞式を行い、その様子をYouTubeのJリーグ公式チャンネルにて動画リポートとして公開予定です。
※Jリーグ全58クラブ:2022シーズンJリーグ入会のいわきFCを含む
2022Jリーグシャレン!アウォーズ・各賞発表
賞 | 活動 | クラブ名 |
---|---|---|
●ソーシャルチャレンジャー賞 | ゴミで繋ぐ未来へのパス、グルージャごみゼロPJ 「スタジアムから出るごみを少しでも削減したい」という思いからスタート。ゴミを堆肥化、堆肥肥料をグルージャ米プロジェクトで活用し、出来たお米を子ども食堂へ活用。地域スポーツを応援する事をきっかけとしたゴミ問題解決と社会連携を目指した循環型のプロジェクト。 |
いわてグルージャ盛岡 |
FC琉球 県産品&子ども応援プロジェクト FC琉球の選手やスタッフが、コロナ禍の影響を受ける県産品(農水産品)の流通促進や、同じくコロナ禍の影響を受ける沖縄県内の子ども達の食糧支援や自立支援を行なったプロジェクト。 |
FC琉球 | |
●パブリック賞 | スタジアムトイレに生理用品の設置と生理への理解 子どもたちの生理の貧困・生理に対する知識が浅いという課題に着目し取り組んだ活動。フェムケアに関する講習(Feminine(女性の)とケア(Care)をかけあわせた用語)を行い、試合の有無に関わらず、スタジアムトイレに生理用品を設置。 |
松本山雅FC |
神戸市新型コロナワクチン接種会場の運営協力活動 ノエビアスタジアム神戸をワクチン接種会場として提供することを打診し、“産学官”計19者連携、約7か月間に渡り安心安全な会場運営を実施。累計367,135回、約18万人の市民がノエスタに来場。有事にスタジアムを最大限活用し、試合運営で培ってきたノウハウを接種会場に落とし込んだ。 |
ヴィッセル神戸 | |
●メディア賞 | Be supporters!サポーターになろう! 高齢者・認知症の方など普段は周囲に「支えられる人」が「支える人」となるプロジェクト。誰かを“推す” “応援する”ことで施設にワクワクとトキメキが溢れ、誰も予想しなかった数々の「つながり」と「幸せな物語」が生まれ、高齢者に起きた変化には医学の専門家も注目している。 |
カターレ富山 |
サッカーだけじゃない、地域で共創する夜のスタジアム 試合がない日でも地域の方々に使っていただけるスタジアムがあってもいい。そんな思いから生まれた新しいスタジアムの活用方法。行政と地域の元気な企業との共創による新たなスタジアムの使い方が「夜宴スタジアム」 |
ガイナーレ鳥取 |
ソーシャルチャレンジャー賞 : その地域にある社会課題の解決に対しチャレンジしていること
パブリック賞 : 国や自治体が掲げる政策を活用し、地域の課題解決に向けて、多様なステークホルダーと連携し、持続可能な活動となるように取り組んでいること
メディア賞 : メディアとして、自身の媒体に取り上げたいと思う活動であること
■選考委員・選考コメント(抜粋)
◇ソーシャルチャレンジャー賞
ゴミで繋ぐ未来へのパス、グルージャごみゼロPJ ( いわてグルージャ盛岡 )
・「スタジアムのゴミの排出減」という主目的の課題へのアプローチから始まり、ゴミの堆肥化と堆肥を活用した農業によるCO2排出量の削減、こども食堂への寄付による子どもの発育と居場所づくり等多数のプレイヤーの協働により、複層的な地域課題の解決策を生み出している点が素晴らしい
・取り組みはサポーターや地域企業も無理なく関われるものであり、地域内で循環型の仕組みをつくり上げ、ゴミの大幅な削減だけでなく、仕組みの中で出来たお米を子ども食堂に寄付するなど、子どもの健全育成にも大きく貢献し、プロジェクトを多様な人を巻き込みながら、循環型の取り組みにつなげている
・クラブが地域の様々な人たち、組織と共に複合的な課題の解決に取り組んだ当該活動は、モデルとしても期待でき、SDGsの本質である「課題間のつながり」を意識した包括的な取り組みである
FC琉球県産品&子ども応援プロジェクト ( FC琉球 )
・沖縄は特に新型コロナウイルスの感染拡大の深刻な影響を多方面で受けた地域であり、その支援として、地元産品の活用によるお弁当の開発から、販売、子ども食堂への寄付などを積極的にリードして実施している
・対外的な情報発信から子どもたちとの交流など、選手も積極的に関わり、コロナ禍に苦しむ地域に寄り添う姿が人々に希望を与えていると感じた
・イオン琉球と連携し、5000食を子ども食堂に寄付するとともに、県産食品を支援した二重の効果をあげていることを評価したい
・沖縄特有の課題(観光業の衰退 貧困問題)の解決のために、県産品など食を核にし、様々なプレイヤーを巻き込み取り組んでいるダイナミックさが素晴らしい
◇パブリック賞
スタジアムトイレに生理用品の設置と生理への理解 ( 松本山雅FC )
・「生理の貧困」という、極めて取り組みが難しい、タブー的な社会課題に、「シャレン!」のみならず、日本のサッカー界(日本のスポーツ界)で、果敢に取り組まれたチャレンジ精神を高く評価したい
・今回の事例など、各クラブが様々な社会課題に取り組むことの積み重ねにより、SDGs17分野169政策目標をカバーすることで、Jリーグ(シャレン!)が、文字通り、社会課題解決のための社会連携プラットフォーム(人材・事例・協働)になりうる組織であることを改めて確信をした
・Jクラブが国や自治体を超えて率先的にリードしていかれることを期待したい
神戸市新型コロナワクチン接種会場の運営協力活動 ( ヴィッセル神戸 )
・新型コロナワクチン接種という、全国で課題となった案件に対し、行政や企業と連携し、2021年5月という早期段階で先駆けて、日本最大規模のワクチン接種オペレーションを開始、1日最大6800人の接種を可能にし、長期間に渡りワクチン接種会場として社会貢献した点を評価
・大型接種会場の運営について、多様なステークホルダーを巻き込みながら、日ごろの運営ノウハウを活かすというJリーグの価値の活用は、Jリーグの価値を大きく飛躍させることであり、今後他の事業にも汎用性を感じさせる活動であると感じた
・今回の事例は、各クラブのオーナーやマネジメント層に対して、良い意味でのショック(気づき)を与えたとも考えており、「シャレン!」の取り組みの現場関係者に対して、更なる理解と協力を示されるようになることを心から期待したい
◇メディア賞
Be supporters!サポーターになろう! ( カターレ富山 )
・地域の学校やお年寄りの施設を選手やスタッフが訪問し、体を動かす教室を実施する取り組みはたくさんあるが、「推し」になってもらう点や普段は支援してもらう側の方々にサポートをお願いするという視点が素晴らしいと感じた
・啓発したり助けたりというのではなく、地域の仲間として応援してもらうという姿勢と、地元クラブや選手を応援することで仲間ができてコミュニケーションが生まれ、生きがいや生活に充実感を感じることができ、それが健康増進にも繋がる、という高齢化社会の問題解決にスポーツが貢献できるという影響力がある
・サッカーという競技の魅力を生かして、Jリーグのファン・サポーターを増やし、高齢者の活力に繋げて、たくさんの笑顔が生まれ、施設利用者の生きがいづくりに貢献している点。実際に98歳の最高齢サポーターが誕生した
サッカーだけじゃない、地域で共創する夜のスタジアム ( ガイナーレ鳥取 )
・スタジアムには、入った時の「広い!」という感動や、そこでしか味わえない興奮があるが、試合がなくてもそれが感じられるような「夜宴」の工夫が、絵になると感じた。
・スタジアムの色鮮やかなライトアップが、写真・映像に映えるので、報道しやすい点も、単純に「行ってみたい」と思わせる力を持っていると感じた
・スタジアムの試合以外での利活用における一つの形として秀逸で、夜間利用、YAJIN→YAENのネーミング、「しばふる」だけでなく、自前のスタジアムを徹底活用しようという気概を感じられる点も評価
・地域と共生し、ビジネスにも繋げられ、今後も様々な展開が出来そうなポテンシャルを感じ、今後もコストを掛けずとも市民の憩いの場となり、足を運んでいただけるようなチャレンジを継続いただきたい
・一見エンタメ的な企画の中に「シャレン!」的な要素が散りばめられていることが素晴らしい
■2022Jリーグシャレン!アウォーズ・概要
●各賞 /選考基準 :
ソーシャルチャレンジャー賞/その地域にある社会課題の解決に対しチャレンジしていること
パブリック賞/国や自治体が掲げる政策を活用し、地域の課題解決に向けて、多様なステークホルダーと連携し、持続可能な活動となるように取り組んでいること
メディア賞/メディアとして、自身の媒体に取り上げたいと思う活動であること
●授与:受賞した活動に対し、クラブに記念品(楯)を、協働者に表彰状を授与する
●選考
一般投票 投票期間:3月1日(火)12:00~15日(火)18:00(終了)
選考委員会を実施して決定
●選考委員
敬称略/順不同 ※所属は、2022年4月1日時点の情報です
所属 | 氏名 | 賞 |
---|---|---|
特定非営利活動法人イシュープラスデザイン 代表 | 筧 裕介 | ソーシャルチャレンジャー賞 |
一般社団法人世界ゆるスポーツ協会 代表理事 | 澤田 智洋 | ソーシャルチャレンジャー賞 |
公益財団法人さわやか福祉財団 理事長 | 清水 肇子 | ソーシャルチャレンジャー賞 |
公益社団法人 日本フィランソロピー協会 理事長 | 髙橋 陽子 | ソーシャルチャレンジャー賞 |
一般社団法人RCF 代表理事(前Jリーグ理事) | 藤沢 烈 | ソーシャルチャレンジャー賞 |
スポーツ庁 参事官(民間スポーツ担当)付 参事官補佐 | 坂本 弘美 | パブリック賞 |
政策分析ネットワーク事務局長/政策メディア編集長 | 田幸 大輔 | パブリック賞 |
岡山理科大学 経営学部 准教授 | 林 恒宏 | パブリック賞 |
株式会社エンパブリック 代表取締役 | 広石 拓司 | パブリック賞 |
学校法人土佐高等学校 理事長(元Jリーグ理事) | 傍士 銑太 | パブリック賞 |
よんなな会主宰/神奈川県政策局参事監 | 脇 雅昭 | パブリック賞 |
読売新聞東京本社 編集局運動部 | 青柳 庸介 | メディア賞 |
日本経済新聞社 編集局運動部 | 阿刀田 寛 | メディア賞 |
株式会社オルタナ オルタナS編集長 | 池田 真隆 | メディア賞 |
スポーツナビ株式会社 | 岩本 義和 | メディア賞 |
朝日新聞スポーツ部 | 潮 智史 | メディア賞 |
株式会社フジテレビジョン スポーツ局 | 近藤 憲彦 | メディア賞 |
株式会社テレビ東京 スポーツ局スポーツ番組部 プロデューサー | 星 隆 | メディア賞 |
講談社 ゲキサカ | 竹内 達也 | メディア賞 |
リンクタイズ株式会社 Forbes JAPAN Web編集部 | 松崎 美和子 | メディア賞 |
■ホームスタジアムでの授賞式の日程
クラブ名(受賞) | 日程/キックオフ時刻 | 対象試合 | 会場 |
ヴィッセル神戸
(パブリック賞) |
5/14(土)15:00 |
第13節 |
ノエビアスタジアム神戸 |
FC琉球
(ソーシャルチャレンジャー賞) |
5/14(土)19:00 |
第16節 |
タピック県総ひやごんスタジアム |
カターレ富山
(メディア賞) |
5/15(日)14:00 |
第9節 |
富山県総合運動公園陸上競技場 |
松本山雅FC
(パブリック賞) |
5/29(日)12:00 |
第10節 |
サンプロ アルウィン |
いわてグルージャ盛岡
(ソーシャルチャレンジャー賞) |
6/5(日) 18:00 |
第20節 |
いわぎんスタジアム |
ガイナーレ鳥取
(メディア賞) |
6/19(日)13:00 |
第13節 |
チュウブYAJINスタジアム |
※授賞式は、原則、試合開始前もしくはハーフタイムで実施の予定です
※セレモニーの予定は天候等で予告なく変更となる場合があります
■シャレン!(社会連携活動)とは
社会課題や共通のテーマ ( 教育、ダイバーシティ、まちづくり、健康、世代間交流など ) に、地域の人・企業や団体(営利・非営利問わず)・自治体・学校などとJリーグ・Jクラブが連携して、取り組む活動です。
3者以上の協働者と、共通価値を創る活動を想定しており、これらの社会貢献活動等を通じて、地域社会の持続可能性の確保、関係性の構築と学びの獲得、それぞれのステークホルダーの価値の再発見に繋がるものと考えています。また、Jリーグはシャレン!を通じて、SDGsにも貢献しています。
シャレン!HP : https://www.jleague.jp/sharen/about/
シャレン!アウォーズ特設ページ : https://www.jleague.jp/sharen/awards2022/
ホームタウン活動調査(2021年版):https://www.jleague.jp/img/pdf/hometown_report2022.pdf