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林 陵平の視点:小林の動き出しを生かす戦いがハマった完璧な勝利。蔚山との大一番は中盤の攻防がポイントに【ACL JDTvs川崎F】

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2022年4月25日(月) 13:50

林 陵平の視点:小林の動き出しを生かす戦いがハマった完璧な勝利。蔚山との大一番は中盤の攻防がポイントに【ACL JDTvs川崎F】

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林 陵平の視点:小林の動き出しを生かす戦いがハマった完璧な勝利。蔚山との大一番は中盤の攻防がポイントに【ACL JDTvs川崎F】
ジョホール戦を振り返ると、改めて5-0というスコアを含めて完璧な試合運びでした。得点を奪えたことで選手たちに自信が芽生え、90分間、攻守においてやるべきことを継続できた印象です

激闘が繰り広げられるAFCチャンピオンズリーグ。グループステージ突破を狙うJリーグ勢はアジアの難敵相手にいかなる戦いを見せたのか。DAZN解説陣が鋭い視点で試合のポイントを分析するとともに、次節の見どころを語る。

いやー、素晴らしい勝利でした!!3日前にスコアレスドローで引き分けたジョホール(ダルル タクジム)に5-0の快勝。しかもマレーシアで集中開催されるグループIにおいて、“完全アウェイ”のスタジアムで首位を走る相手に対しての快勝ですからね。勢いに乗れるゲームになりました。

これで2勝2分(勝点8/14得点・1失点)となった川崎Fはグループの首位に立ちました。残すは2試合。2位のジョホール(勝点7/7得点・6失点)、3位の蔚山(勝点7/10得点・3失点)との三つ巴のレースは続きます。

ジョホール戦を振り返ると、改めて5-0というスコアを含めて完璧な試合運びでした。得点を奪えたことで選手たちに自信が芽生え、90分間、攻守においてやるべきことを継続できた印象です。

最近の川崎Fは4-2-3-1を採用する試合も増えていましたが、この日は慣れ親しんだ4-3-3でスタート。CFには(レアンドロ)ダミアンではなく小林 悠を起用し、インサイドハーフに相手の2ライン間を上手く使える脇坂(泰斗)、チャナティップを配置しました。選手のキャラクターを見た時に、ダミアンがいる際は彼へのクサビのパスが攻撃の合図になりますが、この日は脇坂とチャナティップにボールを入れながら、小林の動き出しを生かそうとする狙いがすぐに分かりました。

結果的にこの攻め方が非常にハマりました。相手も中盤を逆三角形にする4-3-3を敷いてきたなか、構造上、アンカーの脇が空きます。そこに川崎FはCBから良質なボールを届けることができ、脇坂、チャナティップが前を向けた。良い循環が生まれ、チャンスを作り出せました。

ジョホールとは3日前に対戦したこともあり、その試合でのスカウティングや、選手が肌で感じた印象、鬼木(達)監督の分析などをしっかり落とし込めたということなのでしょう。

川崎Fとは異なり、中2日での連戦でも主力を起用し続けたジョホールは、この第4戦で複数の選手を入れ替えました。特にFWのベルクソンがいなかったのは大きかったですし、ポゼッションの軸となるナチョ インサら4、5人のレギュラー格が不在でした。ただその点を差し引いても、川崎Fの戦略、この一戦にかける想いが相手を上回りました。

右ウイングで先発に戻った家長(昭博)のパフォーマンスも光りましたね。彼とは同い年ですが、能力の高さは相変わらずでした。元々、川崎Fはチームのクオリティが高いですが、そこに個のクオリティが加わることで、相乗効果によってさらに良さが発揮されます。家長のキープ力は誰もが知るところ。彼に預ければボールが収まるとチームメイト全員が信頼しているわけです。

前の試合で右ウイングで先発した知念(慶)が悪かったというわけではありません。これは各選手のキャラクターや役割であって、家長のキープ力と右サイドバックの山根(視来)の攻め上がりの相性が良いということなのだと思います。だからこそ山根はこの試合で2アシストをマークできました。

この試合のMOM?僕はそういうのを選ぶのがちょっと苦手で……。サッカーは個人があってグループがあり、グループがあって個人があるものなので、今日も全員にMOMをあげたいです。ただ強いて挙げるならやはり脇坂でしょうか。先ほど話した通り、攻撃の起点になり、FKでの先制点は本当に大きかった。ボールの軌道、スピードともに抜群でした。

2点目の場面、右サイドで山根にダイレクトで出したパスにも惚れ惚れしましたね。あの崩しは“これぞフロンターレ”というもの。何度、見返しても良いゴールですよ。

ちなみに、ちょっと後付けになりますが、脇坂が川崎Fに入団したばかりの頃、練習試合で対戦することがありました。脇坂はまだBチームでプレーするような立ち位置だったのですが、僕は「彼、良いね」とチームメイトに話していたんですよ。その頃から好きな選手でしたし、活躍する姿を目にできるのはやっぱり嬉しいですね。元々ミスが少ないプレーヤーで、中村 憲剛さんの14番を受け継いだ今年は、やや波に乗り切れないところもあったように映りましたが、このジョホール戦の活躍で吹っ切れるのではないでしょうか。

さて、グループステージも残り2戦です。順位は冒頭でおさらいしましたが、川崎Fは第5戦で蔚山戦を控えています。最終戦で対戦する最下位の広州はセカンドチームのような構成で、いまだ未勝利、0得点・21失点という成績を見れば、蔚山戦が首位突破に向けた大一番になるはずです。

ジョホール戦の快勝でシステムは4-3-3を選びそうですが、各選手の疲労度を考慮して鬼木監督がどんなスタメンを選ぶのか。中盤を厚くする4-2-3-1で戦うことの多い蔚山とのゲームは中盤の攻防が大きなポイントになりそうです。

ただジョホール戦ではボールを失っても即時奪回できたように、環境に慣れた背景や湿度が前回より低かった影響もあったのか、川崎Fの選手たちのコンディションが上がっているように映りました。良いターンオーバーも組めています。だからこそ初戦で1-1と引き分けた蔚山にも勝ってくれると信じています。

「グループを突破できるか?」ではなく「突破するんです!!」。それくらいの気持ちと勢いをこのジョホール戦で得られたと感じました。

【ジョホール ダルル タクジム×川崎フロンターレ|ハイライト】


[次節開催情報]
AFCチャンピオンズリーグ2022 東地区グループステージMD5
蔚山現代vs川崎フロンターレ
2022年4月27日(水)18時00分キックオフ(日本時間)
DAZN独占配信

 

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