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福田 正博の視点:最大の勝因は準備力。相手を混乱させた松尾の存在も際立った【ACL セーラーズvs浦和】

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2022年4月16日(土) 12:50

福田 正博の視点:最大の勝因は準備力。相手を混乱させた松尾の存在も際立った【ACL セーラーズvs浦和】

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福田 正博の視点:最大の勝因は準備力。相手を混乱させた松尾の存在も際立った【ACL セーラーズvs浦和】
松尾 佑介選手はとてもいいパフォーマンスを見せました。彼のサイドアタックと仕掛けを相手は嫌がり、1得点・1アシストと結果につなげました

激闘が繰り広げられるAFCチャンピオンズリーグ。グループステージ突破を狙うJリーグ勢はアジアの難敵相手にいかなる戦いを見せたのか。DAZN解説陣が鋭い視点で試合のポイントを分析するとともに、次節の見どころを語る。

様々な面で難しい初戦、しっかり準備して迎えられたことが浦和レッズの最大の勝因になったと思います。ライオン・シティ・セーラーズとの力の差があったとはいえ、移動や気候の変化が伴うなかで、相手をよく分析して試合に入り、この4-1の結果につなげたと思います。自分たちの持っている力を、まずしっかり出せたと言えるのではないでしょうか。

浦和は今季のJリーグでは、ゴール前でのチャンスをなかなかモノにできず苦戦してきました。このセーラーズ戦ではしっかりと、それも早い時間に先制点を決め切りました。さらに追加点も奪えて、落ち着いて試合を進められました。

なかでも松尾 佑介選手はとてもいいパフォーマンスを見せました。横浜FCから加入した今季、怪我を乗り越え最近になってチャンスを得て、そして今回のACL初戦でも左MFで先発の座を掴みました。彼のサイドアタックと仕掛けを相手は嫌がり、1得点・1アシストと結果につなげました。江坂 任選手、大畑 歩夢選手との左サイドの関係はとても良く、そこで松尾選手の仕掛けが一つ大きなポイントになっていました。セーラーズは相当混乱し、前半の20分ほどでメンバーを代え、さらに後半はシステムも変更するなど、松尾選手への対策を打ってきましたが、それでも抑え込めなかった。とても効いていました。

また試合序盤は松尾選手のいる左サイドが起点になっていましたが、前半の終盤、右MFのダヴィド モーベルグ選手がゴールを決めました。改めてモノが違うところを見せつけてくれました。自ら仕掛けられて、浦和にこれまでなかったもの――ゴール前のクオリティを、キャスパー ユンカー選手とともにもたらしてくれる。彼の加入の大きさを、改めて感じさせてくれました。

今季初めて起用された鈴木 彩艶選手は、身長196センチと高さのあるセーラーズのFWキム シンウクの対策など、リカルド ロドリゲス監督が対戦相手を考えて抜擢したのかもしれません。19歳でありながら身体的な能力や高さは世界基準にあります。ハイボールを確実にキャッチし、シュートストップ力も圧倒的です。一方、現在は積極的に出て行っているクロスへの判断など、もう少し経験が必要なところもあります。そういった課題と向き合いながら、今後は浦和のゴールをずっと守っていってくれる、そんな期待を抱かせてくれました。

(後半開始早々に松尾選手のゴールで4点目を決めたあと、国内リーグのように、流れは悪くはないものの追加点を奪えなかった課題も残ったのでは?)それは相手が対策を立ててきたこと、日本とは異なる暑さ、そしてメンバーも変更していった影響(疲労が蓄積した選手とアピールしたい交代出場組の選手のギャップなど)……いくつかの要素が重なり、後半立ち上がりに3点差に広げられたので、ゲームが動かなくなるのはある程度当然だと言える面もありました。様々な条件下での試合だったので、今回はそこに目を向ける必要はないのかなとも感じます。初戦で重要なのはしっかり勝ち切ること。その達成が最大の収穫です。

そしてコロナ禍の感染対策により国内で禁止されてきた声を出しての応援が認められました。一番嬉しかったのはサポーターだったと思います。国内では少なからずフラストレーションがたまっていたはずですが、そういった気持ちを含め、スタジアムで思い切り声を出して、選手とともに勝利のために戦ってくれた。タイでの試合ではありますが、日常へと少しずつ近づいているのだと感じられる1日になったと思います。また、近年メンバーが大幅に入れ替わった浦和のほとんどの選手がその声援を受けるのは初めてで、大きな後押しになったはずです。

(第2戦の山東泰山戦に向けて。第1戦は大邱に0-7で敗戦)中国のチームは若手主体で臨んでいるため、やはりこの組では事実上、韓国Kリーグの大邱との一騎打ちになってくるでしょう。浦和は大邱との第3・4戦を見据え、しっかり山東戦を勝ち切ることが重要です。

得失点差も確かに関係してくるとはいえ、そこはあまり気にせず、しっかり今日のように隙を見せず前半のうちに試合を決めるぐらいの戦いを見せてもらいたいです。リカルド ロドリゲス監督は6試合トータルでメンバー構成を考えていると思います。中2日で迎える次戦は、フレッシュな選手が出てくるでしょう。彼らがどのように活躍するのか注目したいです。

(このGS全体での期待は?)目的はノックアウトステージ出場。そこは最低限、達成してもらいたいです。そしてリカルド ロドリゲス監督は、戦いながらチームの成長を求めています。新しい外国籍選手のアレックス シャルク選手がフィットする機会にもなります。短期間でたくさんゲームし、いろいろなテストもできて、チームの成熟を図れます。そこでのチーム全体の成長を楽しみにしています。

いろいろな選手を起用しながら、Jリーグに戻った時にも通用し、さらに進化を続けていける。全員で成長曲線を描けるステージにしてほしいと願っています。

あとは怪我だけには注意してほしいです。東南アジア特有の高温多湿のなか、中2日で6試合。大邱との2試合は相当激しくなるはずです。ただ怪我人は出してほしくない。そのなかで最高の結果を残してもらいたいです。

【ライオンシティ・セーラーズ×浦和レッズ|ハイライト】


[次節開催情報]
AFCチャンピオンズリーグ2022 東地区グループステージMD2
浦和レッズvs山東泰山
2022年4月18日(月)23時00分キックオフ(日本時間)
DAZN独占配信

 

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