1年でのＪ２復帰を目指す相模原はホームに沼津を迎え撃つ。積極補強の岐阜はアウェイでYS横浜と激突【プレビュー：明治安田Ｊ３ 第1節】

Ｊ１、Ｊ２から遅れること3週間、2022年の明治安田生命Ｊ３リーグが12日に開幕する。

今季のＪ３は、熊本と岩手がＪ２に昇格した一方、Ｊ２から相模原、愛媛、北九州、松本の4チームが降格。またＪＦＬからいわきが参入したことで、昨季から3チーム増の18チームによって争われる。

相模原はホームで沼津と対戦。2年目を迎える高木 琢也監督の下、組織的な守備とアグレッシブなスタイルで、1年でのＪ２復帰を目指す。千葉から加入した船山 貴之が得点力向上のキーマンとなる。対する沼津は、14位と低迷した昨季からの巻き返しを狙う。昨季7得点と結果を残した渡邉 りょうにかかる期待は大きい。

同じくＪ２復帰を目指す愛媛は、ホームに富山を迎える。石丸 清隆新監督を招聘し、メンバーも大きく刷新。松田 力、矢田 旭、森脇 良太ら経験豊富な新戦力が昇格のカギを握る。富山は昨季、最後まで昇格を争ったものの、一歩及ばず4位に終わった。それでも石﨑 信弘監督の下で、好守にアグレッシブなスタイルのベースは築かれている。昨季、13得点を挙げ、Ｊ３得点王となった川西 翔太を岐阜から獲得し、攻撃力の向上に期待が持てる。

3シーズンぶりにＪ３を戦う北九州は、ホームで長野と対戦。昨季はヘッドコーチだった天野 賢一新監督が、今季より指揮を執る。髙澤 優也らを獲得し、攻撃陣の層は増した印象で、持ち前のポゼッションスタイルと保ちながら、相手を押し込む戦いを目指す。長野は昨季9位に終わり、不本意なシーズンとなった。今季は、昨季までYS横浜を率いたシュタルフ 悠紀リヒャルト監督の下でリスタートを切る。山本 大貴、宮本 拓弥ら新戦力がフィットすれば、悲願の昇格も夢ではないはずだ。

昨季のＪ２で最下位に沈んだ松本は、讃岐の本拠地で新シーズンをスタートさせる。名波 浩監督が続投となり、パウリーニョ、安田 理大ら経験豊富な選手も迎え入れた。常に前を目指す果敢なサッカーで、1年でのＪ２復帰を狙う。対する讃岐は昨季15位と最下位に終わった。今季は西村 俊寛新監督の下で、巻き返しのシーズンとしたい。鳥栖から期限付き移籍で加わった、ケニア代表のドゥンガが違いを見せられるか。

JFLから参入したいわきは、アウェイで鹿児島と対戦。多くの選手がＪリーグの出場経験はないものの、パワーとスピードを前面に押し出したサッカーで、Ｊ３でも旋風を巻き起こせるか。一方の鹿児島は、今季より大嶽 直人監督が指揮を執る。木村 祐志、ロメロ フランクらを獲得し、昨季以上の戦力を手に入れた。2019年以来となるＪ２復帰に向けて、まずはスタートダッシュを決めたいところだ。

岐阜はYS横浜の本拠地に乗り込む。宇賀神 友弥、田中 順也、菊池 大介ら実力者を次々に獲得し、リーグ屈指の戦力を誇る。今季より指揮を執る三浦 俊也新監督の手腕が、昇格へのカギを握る。YS横浜は、2020年に岐阜を指揮した仲田 建二監督が就任。指揮官にとっては古巣との開幕戦となる。昨季の主力が複数移籍し、新戦力は大卒選手が中心。そのなかでフットサルとの“二刀流”に挑戦する松井 大輔が注目選手となる。

藤枝はホームに鳥取を迎える。昨季はリーグ3位の42得点と、攻撃サッカーが機能。そのスタイルを築いた須藤 大輔監督が今季も指揮を執る。テーマは得点数と同じだった失点数の減少だ。川崎Ｆから加入した神谷 凱士らがそのカギを握るだろう。鳥取は昨季、12位と低迷した。こちらも金 鍾成監督の下で攻撃スタイルを標榜するだけに、多くのゴールが生まれる一戦となるかもしれない。

今治はホームで福島と対戦。晴山 岬、中川 風希らが加入した攻撃陣の層が厚くなった印象で、マルコス ヴィニシウス、モハメド アダムと新たな外国籍選手の起用法にも注目が集まる。福島は昨季5位と躍進したものの、時崎 悠監督が退任。今季より磐田でコーチを務めていた服部 年宏監督がチームを率いる。鎌田 大夢が移籍したのは痛手ながら、大武 峻ら実力者を補強。成長著しい若手も多く、新監督の下で昨季以上の順位を目指す。

宮崎はホームに八戸を迎える。参入1年目の昨季は3位と大躍進。梅田 魁人と藤岡 浩介の2トップは移籍したが、元日本代表の工藤 壮人を獲得した。攻撃スタイルを掲げる髙﨑 康嗣新監督のスタイルが浸透すれば、今季も台風の目となる可能性は十分だ。八戸は昨季、13位と苦しんだ。課題はリーグワースト2位の24得点に留まった攻撃力。このテーマをいかに解消していくのか。萱沼 優聖、有間 潤ら新戦力にかかる期待は大きい。

■各試合の見どころをチェック
YS横浜vs岐阜
藤枝vs鳥取
相模原vs沼津
今治vs福島
宮崎vs八戸
鹿児島vsいわき
讃岐vs松本
北九州vs長野
愛媛vs富山