2021年9月28日
2021年度 第9回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録
2021年9月28日(火)16:30~
オンラインにて実施
登壇:チェアマン・村井
〔司会より決議事項、報告事項について説明〕
2021年度第9回理事会が開催されましたので、記者会見を実施いたします。
《決議事項》
1.2021Jリーグアウォーズの開催概要の件
12月6日(月)に開催することを理事会にてご承認いただきました。
場所等に関してはメディアの皆さんには追ってお伝えいたしますので、ご取材よろしくお願いいたします。
2.2022シーズン J3クラブライセンスの判定の件(新入会対象6クラブ)
2022シーズンJ3クラブライセンスの申請がありました、新たなJ3への入会を希望するクラブに関する判定結果が決定しまして、ご承認いただきました。Jリーグ百年構想クラブであるラインメール青森、いわきFC、ヴィアティン三重、鈴鹿ポイントゲッターズ、奈良クラブ、F.C.大阪の6クラブにJ3クラブライセンスが交付されます。入会を最終承認するためには、JFL最終節終了時点でJFL4位以内、かつ百年構想クラブのうち上位2クラブという順位要件を満たす必要がありますので、最終的には11月のJリーグ理事会で承認されることとなります。なお、従前の基準の一つであります、平均入場者数が2,000人を超えているというところは、現状コロナ禍ということもありまして、2021年度につきましては適用外となっております。
3.入場者数制限の緩和の件
9月初旬に、ワクチン検査パッケージについて政府より指針が示されたことに関しまして、Jリーグとしてもワクチン検査パッケージを活用することで入場者数の制限の緩和にトライしていくという方向性について、本日理事会でご承認をいただきました。まだ検査パッケージの詳細等々見えない部分はありますが、これを機に入場者数の緩和に向けて前向きに進んでいきたいと思います。
また今日おそらく政府の方からもあると思いますが、緊急事態宣言解除というところも決まりましたら、それに伴う緩和もまた別途行なわれていくと思いますので、こちらにつきましても決まり次第お伝えしていきます。
〔チェアマン村井よりコメント〕
今日にも政府の緊急事態宣言・まん延防止等重点措置など、様々なレギュレーションの緩和の方向感が語られるのではないかと言われております。そうした状況に鑑みて今後のJリーグの運営について様々な角度から意見交換をさせていただきました。すでに一部報道でもありますように、昨日西村大臣をお訪ねして、いわゆるワクチンそして検査、これのパッケージのトライアル、いわゆる実証検証のようなことをできないかということを申し上げていたのですが、この方向感についてお認め頂いています。いつからどのクラブがどういう形でという詳細は今後になってまいりますけれども、方向感として感染防止対策をしっかり施しながら、一部こうした方々への新たな施策の方向も視野に入れるということが今日議論された次第であります。
この他いくつか各論もありましたけれども、大枠今後のJリーグにとってのシーズンの終盤戦、そしてAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の終盤戦、そしてルヴァンカップ、いずれも今後重大な時期を迎えてまいりますので、しっかり前を向いて進めていこうということが申し合わされた次第です。
〔司会より質疑応答に際しての補足〕
浦和レッズ並びに福島ユナイテッドFCのエントリー資格問題については、現状まだCAS(スポーツ仲裁裁判所)並びにJFAの不服申し立て委員会への上訴中ですので、現状何かこちらからコメントできることはないことが継続されております。
〔質疑応答〕
Q:J3のライセンスですが、かなり入場者数の上限が制限されていることから、財務状況的にはかなり厳しく、そのあたりのチェックをするタイミングでもあると思いますが、ライセンスを出して大丈夫な財務状況だったのでしょうか。このあたりご説明いただければと思います。
A:クラブライセンス事務局 クラブライセンスマネージャー 村山
J3ライセンスの交付を理事会でお認めいただいたので、先程司会から説明がありました通り、11月の理事会での入会審査のステップに進むことになります。J3ライセンスについて申し上げますと、昨年度の決算の時点で債務超過でないということはすでに確認ができております。今期末で債務超過になるかならないかというあたりをしっかり見させていただくのが一点。それから、今期、進行期の収益が1.5億円以上ということも入会審査の要件になりますので、そちらについては11月の理事会までに我々の方でしっかりと見させていただくという形になります。大きく4点、入会の要件については毎年諮らせていただいて、①順位要件と、財務が今の2点、②債務超過でないこと、③収益が1.5億円以上、④平均入場者数2,000人ということについては、これも司会からありましたように今期については要件としないとなっていますので、このあたりを整理して11月の理事会でお諮りすることになります。
Q:緊急事態宣言がこれから正式に解除が発表されて、緩和に向けて動いていくのではないかという世の中の流れについての受け止めと、緩和策の具体的なところでルヴァンカップ決勝があがっていますが、緩和の具体的な施策の対象になっているのかどうか教えていただけますでしょうか。
A:チェアマン 村井
今日の政府方針の発表を聞いてみようと思いますが、おそらくすべてが許容されるものではなく、今まで我々が培ってきたようなマスクをしっかりしましょう、大きな声を出さないで飛沫拡散をしないようにしましょうというような通常の感染対策は何ら変わらないものだという前提で進めていくことだろうと受け止めています。実際は仮に緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が緩和されて移行措置になるとすれば、50%もしくは1万人という一つの暫定基準が出てくると思いますので、いずれも50%や、1万人という枠組みの中でそれをプラスアルファで超えるものに関して、今回のパッケージ保有者を特例的に対応していくものになっていくと考えています。ただ、実際問題で見れば、スタジアムの形状が大きなスタジアム、例えば日産スタジアムや埼玉スタジアムのように7万人、6万人だと50%でも3万人になるので、通常大箱のところは50%以内の中で特定のワクチンシートを設けていくようなクラブが現実的に多くなるのかなと思います。なので、プラスアルファだから1万人を超える、50%を超えるというよりは、まずはそうした新たな施策を導入することを検証しながら進めていくという手順に10月はなるかなと想定しています。10月末のルヴァンカップ決勝に関しては、我々リーグが主管するものになりますので、そのタイミングでの政府のレギュレーションを土台としながら、今回の施策をリーグとしても運用してまいりたいと思います。昨年度のルヴァンカップ決勝(2021年1月開催)もそうでしたが、産総研等にも協力いただきながら、いわゆるこうした緩和施策の実証検証が社会の資産に資するように、様々なデータ収集やエビデンス収集に対応するルヴァンカップにしたいと考えています。
Q:ハラスメントに関する案件です。東京ヴェルディから報告がきちんとなされましたが、これで世の中の方に納得していただけるのか、これで大丈夫なのか、これで終わりにしていいのかという受け止めをせざるを得ない中途半端な発表でしたが、これに関してリーグはこれでいいと思っているのでしょうか。東京Vの件に関してお話しできる範囲で、追加で何か求めるのかも含めてお願いします。その後、リーグとしての立ち位置、考え方について変化があるのか進捗をお伺いできればと思います。
A:直轄室統括本部長(コンプライアンス室長)萩原
私も広報を長くやっていましたので、どういう報道発表をすればどういう反応になるのか容易に想像できるわけですが、我々、Jリーグもクラブも非公開企業ではありますが、その中でいかに最大限努力して情報を公表していくのか、社外の納得を醸成していくのかが非常に重要なのだろうと思っています。ハラスメントの件に関して言えば、予防効果であったり、再発防止であったりということに資するのであれば、情報公開は、非常に重要なことが基本にあると思います。一方、非常にデリケートな話が多く、私も携わって常々よく思いますが、一件一件、似ているような案件でも事情が違うなということばかりだと思います。都度かなり判断しなくてはいけないということです。今回は公開することのメリット・デメリットがあると思いますが、一般の上場企業であれば適時開示基準があって、これは発表しなくちゃいけないというものがありますが、我々はそれを常に判断していかないといけません。今回は、東京Vとも随分と話をさせていただきました。その中で、この事案の性質上、当事者や、通報者の保護、かなり報道が先行した中でクラブの中も結構大変なことになっていたと聞いています。東京Vも、私が申し上げた情報公開の基本スタンスはご理解いただいていますが、比較考量したときに公表することのメリットよりもデメリットが上回るというご判断をされました。私は最終的にはそれを尊重する形にいたしました。もちろんこれでメディアの方から東京Vの方にどれだけ質問がいったのか分からないですが、「結構大変になると思うので、それ相応のきちんとした対応をされてください」というお話を最後の最後までさせていただきました。最終的に東京Vの想いというのは、中村社長のコメントに書かれていることが、そういうことなのかなと思っていますが、基本的に情報公開の在り方は冒頭に私が申し上げた形で、アカウンタビリティを最大限発揮することは、特に公益社団法人でもありますので、非常に重要なことだという考えは動かない理念でございます。
サガン鳥栖はその後進捗がございまして、私どもの方で改めてリーグから直接の調査をさせていただくということで、昨日クラブの方に通知をしまして、実際にその動きのプランニングをしているところでございます。
(鳥栖は、前回の湘南のときに1か月、2か月かかった調査のようなことを手順として進めていくという理解でよろしいでしょうか。)
まったくその通りでございまして、我々リーグが一方的な情報で動くことはできません。調査するのであれば双方の言い分をフェアにバランスよく聞かないといけない、そういう立場にいると思います。前回の湘南のときもかなりの人数、かなりの時間がかかりましたが、我々が入って調査することになった以上、それはいい加減な調査はできないわけですから、最終的にこういう慎重さが要求される調査はうっかりすると二次的災害、人権問題になることもあり得るわけですから、それなりの時間をかけさせていただきます。一つの目安として、1か月はなかなか難しいと思っています。2か月位はかかってしまうと思っています。
私が今強調したいのは、Jリーグが介入調査をする影響の大きさ、クラブが試合をやっている最中に調査をすることになるので、少なからず影響があるわけですし、一番大事なのはリーグが介入調査をすること以前にクラブが自分たちの力できちんとガバナンス管理していく方に舵を切らないといけないと非常に強く思っています。今、メディアの皆さまが目にするようことはクラブがきちんと管理ができなくて、それが溢れてしまって、例えばJFAあるいはJリーグに通報が来て、我々が動かざるをえないということになっているわけですが、取り扱っている中の話としては、クラブが事前に大事に至る前にきちんと自分たちの力で、例えば普段取引のないような弁護士事務所にお願いして、きちんと独立性、中立性が担保できるような調査をして解決に至っているようなクラブもあります。実際にそういったクラブもあるのです。我々としてはそういったところを促進していくことが非常に重要であって、なんでもかんでも「困ったからJリーグ」というのは、リーグが動くのは最終手段であって、物事には段階があると私はこの仕事を通じて最近強く思っていますし、啓発、教育、クラブのガバナンスも強化の方に、微力ながら努力していきたいと強く思っています。
Q:緩和についての質問です。詳細はこれからで、ワクチンシートなどを設けながらやっていくとして、実際に実施する場合の運営や手続きのところで、実施するにあたってのクラブの準備はどのようなことが必要なのでしょうか。またリーグとして、それを実施するとして、どういう準備をしなければいけないかと考えているのでしょうか。
A:チェアマン 村井
まず、いくつか運営上、今まで行っていなかった手続きが発生する可能性があります。ワクチン接種履歴をどのように証明するのか、確認するのかといった作業や、陰性をどのような形で証明をするのか、確認をするのか。当然今デジタル化がなかなか進まず、本来ですとスマホで決済をしてスピーディーに認証確認ができるようなものがあれば良いのですが、現実はお客様の手元にはワクチン接種のシールが貼られている原本みたいなものをお持ちの方がいらっしゃいます。
その意味ではリーグとクラブでワクチン接種や陰性証明の具体的な定義と、それを確認する手段。これを三つの密にならないように、もしくは待機列ができたり、お客様に不都合をかけないような形でスムーズに運用できるか、といったものがひとつの大きなチャレンジになるかと思います。当然、今の段階では、ワクチン接種者と陰性証明者は、そのゾーンの中では区別しない。そのパッケージがひとつのシートにするイメージですが、そこと一般の方々いわゆる通常販売の方々。その方たちとのゾーニングをどのようにするのか。例えば、トイレが一緒だったりする可能性がありますし、飲食の購買みたいなところの導線をどのように整理するのか。このあたりも現実問題としてはクラブが対応を迫られる部分だったり、リーグとしての共通ノウハウを確立する必要があったりするかと思います。その他、いくつかそうした現状、我々のチームとしても課題を上げながら潰していく作業を進めているわけですが、そうしたことがメインかなと思っています。
(ルヴァンカップで実証実験をやるということは10月末のルヴァンカップ決勝でやってみたことも踏まえて、そこで出たことをチェックしてリーグ戦にというスケジュール感は持っているのでしょうか)
ルヴァンカップの前に、通常10月のリーグ戦でもし我々と今後、合意したクラブがあれば、そうしたクラブでこうした検証を行っていくと思います。ルヴァンカップとリーグ戦。合わせて10月中に検証しながら、総括を踏まえて11月に臨んでいくという形になろうかと思います。
Q:東京ヴェルディの件です。コンプライアンス委員会から報告書が出て、その報告書をJリーグがご覧になった結果、調査報告書が充分な内容で調査は必要ないというお考えでしょうか。
A:直轄室統括本部長(コンプライアンス室長)萩原
今内々で話をさせていただいているのは、一定程度の信憑性、調査の公正性、それが担保されているんだろうなというところを認識しています。ただこの後、コンプライアンス室だけでは判断できないので、コンプライアンス関係の顧問弁護士とも中身を精査させていただいておりますし、その中では、通常では懲罰をかけるか、かけないかという話になりますが、裁定委員会に諮問したりもしますので、そこに持っていくのか持っていかないのかも含めて検討させていただいている最中です。
(本来、問題ありになった場合、当事者や永井元監督のライセンスに関わってくると思いますが、そのあたりについては。裁定委員会に持っていく前の段階でしょうか)
裁定委員会には持っていけないですし、指導者資格に関しては、JFAの技術委員会の話になってきますので、この情報をJFAに送付して検討していただくというプロセスになるのかなと思いますが、まだJFAにも報告書はお渡ししていない状態でございます。
Q:応援の制限について話がありました。現在は制限の解除について年内の見通しはなさそうですが、解除の条件などの話はあるのでしょうか。もし解除条件があるとして、声を出しての応援について来年の開幕までなど、いつからできるようにしたいかについての見通しがあれば教えてください。
A:チェアマン 村井
ステップバイステップですので、まず10月から政府のレギュレーションプラスアルファの部分を、今回のパッケージで少しプラスアルファを乗せていくところをしっかりと内外にご説明するところが足元ではやっていかなければいけないので、それをせずにして最終形のようなことを今の段階では申し上げることはなかなか難しいと思っています。
今シーズン中にレギュレーションをすべてなくして、100%声を出して応援できる、マスクを外していい等、完全に2019シーズンまで戻ることは、我々も想定しておりません。レギュレーションも非常に数多くいろいろな幅にわたってありますので、何らかの制限がある中で、今回のパッケージにチャレンジしているというのが正直なところです。
入場者数に限定した場合は、年内にこれが60〜70%のチャレンジができるところまでいければ、充分成果というか緩和に向けた手応えと言えるのでしょうと思っております。具体的なターゲット値は設けておりませんので、このくらいの状況です。
(応援の一つの目安としては、100%入場が必要で、そのレベルにならないと応援の話はまだ無理だと把握して良いのでしょうか)
人数や収容率の話と、声を出す・出さないという話は、それぞれリスクが似ているようで厳密にいうとちょっと違ったりしますので、全く声が出ないのであれば100%もあるかもしれませんし、ある程度、声を出す応援を認めていただくのであれば、マスクをすることが前提で、一定の席割を確保しなければいけないと思います。それぞれ相互の関係性がありますので、今この場で具体的に方針を示せるものではないと思っています。
Q:緩和について、課題感みたいなことを伺いたいのですが、NPB・Jリーグの対策連絡会議の流れを追っていますと、賀来先生は、国民的議論が必要で、議論をしてほしいということをおっしゃっていました。その背景には検査がどれくらい簡単に誰にでも受けられるような状況になるのかどうか。そこには検査を受ける費用の問題もあります。これに関しては舘田先生が受益者負担と明言されていました。この辺についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
A:チェアマン 村井
おっしゃるように国民的な議論が必要だという前提に立っていて、パッケージの緩和については9月3日に政府の尾身先生の談話からスタートしていますので、ある程度、オフィシャルな議論の枠組みの中にあると理解しております。当然、国民の理解が得られるものではなければいけませんので、十分に従前積み上げてきました感染対策、そういうことを前提としながら、プラスアルファの部分をステップバイステップで広げていくというスタンスでいくべきだろうという風に考えております。
今後、お話が出てくる可能性がありますが、我々サイドとして政府に要望していた観点では、今回の検査の検査キットと呼ばれているものが、政府の厚生労働省が認めている検査キットもあれば、そうでないものも多種多様にあります。これは市販で手に入るものもあれば、まだ販売されていないものもあったりします。
その意味では今回の検査パッケージが、ワクチンと検査の後者の方、検査を浸透していくにあたっては、政府が認めている抗原定性検査のようなものを市販していく。流通の裾野を広げていっていただくこともセットでないと、仕組みはあるものの、一定程度、信憑性がある検査キットが手に入らないのであれば、この施策がうまく進んでいかないこととなるだろうと思われますので、政府にも認可している試薬の販売等々のご努力もお願いしたいと申し伝えていますし、その検討もされていると認識しています。
先ほど申し上げたように、誰もがそうした機会を得られるということと同時に、それを確認する、証明する。陰性証明を今後、飲食店に行ったときにお伝えするといったJリーグの取り組みが広く社会でも行われることも想定されますが、こうした時にワクチン接種の原本を持って歩くとか、そういうことは現実感がないので、スマホを使って簡単に情報が共有できる仕組みづくりみたいなものも、改めてNPB・Jリーグが併せてお願いしている次第でございます。
(充分理解していますが、検査代を受益者負担とするという前提があるとすれば、これがチケット代に検査分が反映してきてチケットを安くするなどのお考えもあるのでしょうか)
正直そこまで、チケッティングの価格優遇や上乗せについてまでは、今はまだ議論には及んでいません。
Q:9月からサッカー担当をさせていただいております。緩和の件、ルヴァンカップ決勝の前にどこかで合意が得られたクラブと行うということですが、リーグとしては10月のどのくらいの時期に開始したいと思われていますでしょうか。
A:コロナ対策室 仲村
リーグが決められるものではないので明確にはお答えできないのですが、可能であればできるだけ早く実施したいと思っています。
(緩和されていく中で、世の中ではお酒の扱いも注目されていますが、本日はそのあたりのスタジアムでの扱いについて議論がありましたでしょうか。)
本日の理事会では、スタジアム内での飲食に関する議論はございませんでしたが、今後、一般的な飲食店の制限の緩和があると思っておりますので、スタジアムでそれを適用するかは並行して検討していきたいと考えていきたいと思っています。
(リーグとして容認するというよりは、各クラブの判断にゆだねるという色合いの方が強いのでしょうか。各クラブの自治体の判断が優先されるとのことですが。)
今でも緊急事態宣言、あるいはまん延防止等重点措置以外の経過措置もしくはその他の都道府県となりますと、自治体の了承さえ得られれば時間の制限内で販売が可能ということに、イベント制限内でもなっております。
そのように自治体とうまく調整していただければ、各クラブでもすでに売れる枠組みがございます。今後、10月1日以降、ほとんど経過措置ということになってまいりますと、スタジアムでも販売できることになりますし、仮に制限が強くなっていっても販売できる方法はもしかしたら検討していくのかなと考えています。いずれにせよ、各クラブと自治体の最終的な調整で決定していくことになります。
Q:鳥栖の件について、先ほどリーグの方で独自調査をされるとおっしゃっていましたが、具体的にそう決めた理由をもう少し細かくお伺いしたいです。前回の報告にない事実が確認されたからなのか、もしくは疑いがあるからなのでしょうか。
A:直轄室統括本部長(コンプライアンス室長)萩原
すでにご存じかと思いますが、前回の事案は、特定の選手の足払いの件でした。それに関してクラブとして処分されたということだったと思います。発生している該当する事案が一つ特定されたものであって、報告されたものもそれに従った報告でした。その後、それ以外の過去にさかのぼる様々な声が聞かれたことと、一部報道にありました通り、我々は「通報」と呼んでいますが、通報の書簡が届くなど、いろいろなことが我々のところに情報として入ってきましたので、それ以外のことを調べに行かないと、一連のクラブを取り巻く状況が解明できないだろうと考えたということもございます。
もちろん、我々は前回の報道も含めて、社会的な信用問題になる、Jリーグのブランドの棄損になっているということが否めないわけですので、そういう意味では我々が介入していく、正当な理由があるのではないかと思います。
(今のお話では通報が来た時点で速やかに調査が行われるものだと思っていましたが、時間がかかったということはどのような手続きがあったのでしょうか。)
通報は一つではなく、複数から入ってきます。ある程度広く情報を集めたうえで、我々の方で行くべきか行かずにいるべきか、弁護士と話し、もちろん社内でも話をするわけですが、1日でも早くやりたいという気持ちは一緒ですが、それはやはりある程度、事実と思われるような情報をもってクラブに行かなくては調査も中途半端なものになりますので、それなりの準備が必要だということになります。
(調査される組織は、コンプライアンス室内で行うのか、外部も交えて行うのでしょうか。)
前回の湘南ベルマーレの件も同様でしたが、Jリーグの中にはコンプライアンス室という部門があります。そこから弁護士事務所に実際の調査を委託しております。コンプライアンスの弁護士を組成し、我々が事務局として弁護士をサポートしながら、弁護士が先頭に立って調査する、という構造になっています。
Q:記者がリーグ戦などを取材に行く際、健康調査票などを記入していますが、そういったことがだんだん緩和する流れになるのでしょうか。いろいろな規制があるかと思いますが、ワクチン2回接種していますので、毎日体温を測って申請書を出してというような取材の規制は緩和される方向になるのでしょうか。
A:コミュニケーション部長 勝澤
ルヴァンカップ決勝を一つの目標として、どのような形で皆様に取材していただくのが取材していただきやすいのか、ミックスゾーンをオープンすることが本当に皆様のためになるのか、オンラインでの対応の方がいろいろな選手の話を聞けて逆に良いのか、など、いろいろと検討させていただいております。取材いただいているという部分を忘れることなく、その中でどのようにルールを変えていくのがベストなのか、リーグ内で話し合っているところです。もう少し詰まってきましたら、改めて皆さんに相談の上、新たな方法をご提示したいと思いますので、少々お時間をいただければと思います。
Q:緩和の話が出ているなかで、この長いコロナ禍でクラブの経営にもかなり負担がかかっている状況で、観客をこのまま増やしていけるのかまだ分かりませんが、そのあたり経営面に対する期待感というか、そのあたりをチェアマンはどのように感じていらっしゃるか教えてください。
A:チェアマン 村井
確かに入場数は19年比で大幅に減少しております。そういう意味ではクラブ経営の、特に入場収入を中心として、クラブが痛んでいるのは事実でございます。こうした状況の中で今回の緩和というのは、ひとつのクラブの経営にとってみればひとつの明るい兆しだろうと思いますが、クラブのメリットというよりは、こうした形を端緒に社会経済が少し活力を取り戻し、例えばパートナーシップの企業様の業績が回復していく。もしくは我々のサプライヤーや、応援してくださるファン・サポーターの皆様が少しずつでも経済面でもいい兆しが出てくることが、クラブ経営にとっては直接的なメリットだと思っておりますので、入場数が緩和されるということより地域と共に社会の活力を創出していくという方向で今回は捉えております。
冒頭申し上げたように、緩和をしてもある意味プラスアルファの領域で、昔の100%に戻るということを短期的に期待できるものとは難しいかなと思っておりますので、こうした活動の延長線上で地域の活力を共に構想していくということに、私自身は意味を感じているところであります。
本日の理事会後の記者会見を終了させていただきます。
次回は、10月4日(月)にNPBとの対策連絡会議後の合同記者会見、そのあと午後から全カテゴリー合同の実行委員会を開始し、その後のメディア対応を行います。本日の記者会見を終了させていただきます。