8月の明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP(J1)に輝いた横浜F・マリノスのレオ セアラ。2016年、当時J3のFC琉球では結果を残せなかったストライカーは、なぜ今季、J1の舞台で輝きを放てているのだろうか? 自身のこだわりやマイルールからその要因を探っていく。
――8月は6得点・2アシストと大活躍でした。月間MVPにも輝いたご自身のパフォーマンスを振り返ってください。
「まず、MVPに選ばれたことは素直に嬉しいです。チームの力になれたことも嬉しいことですし、引き続きチームのためにいい仕事をしていきたいと思っています」
???? ゴール動画
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) August 21, 2021
???? 明治安田生命J1リーグ 第25節
???? 横浜FMvs仙台
???? 2-0
⌚️ 62分
⚽️ レオ セアラ(横浜FM)#Jリーグ#横浜F・マリノスvsベガルタ仙台
その他の動画はこちら????https://t.co/JUEMOXLYeZ pic.twitter.com/ECrK8Ipnot
――結果を残せた要因はどこにあったと思いますか?
「チームに加入した当初は出場時間が短く、波に乗り切れない時期もありましたが、その間も結果を出せるよう、日々の練習からハードワークを欠かしませんでした。シーズン途中で監督が代わり、出場時間も長くなり、スタートから出ることも増えていきました。そこで個人として波に乗ることができましたし、結果も出せるようになりました。もちろん仲間がいなければこういう数字は残せなかったですし、MVPも受賞できなかったと思います。チームメイトには感謝していますし、これからも第一にチームのことを考えてプレーしていきたいです」
――レオ セアラ選手は今季、横浜F・マリノスに加入しましたが、再び日本に来た理由を教えてください。
「自分のポテンシャルを、日本のトップリーグで見せたいという想いが強くありました。私は2016年に当時J3の琉球で1年間プレーしましたが、思うようなプレーができず、活躍もできないまま、ブラジルに帰ることになりました。だから自分がもっとできるということを、日本の皆さんに見てほしい。日本のビッグクラブで活躍するんだという強い想いを持ち続けていました。幸いにもまた日本でプレーできるチャンスをいただき、今こうやって結果を出せていることは、本当に嬉しいことです」
――琉球時代の思い出はありますか?
「あの1年は本当に勉強になりましたし、大切な仲間もできました。先日、琉球時代の選手に会うことができたのは嬉しかったですね。結果は出せませんでしたが、あの1年は僕のキャリアに欠かせない1年だったと思います」
――当時と今で一番変わったところはどこですか。
「ひとつは経験です。それとフィジカルですね。フィジカル面を伸ばせたことが、一番変わったところだと思います」
――ここからは、レオ セアラ選手のこだわりやマイルールを聞いていきたいと思います。まず、試合前のルーティーンを教えてください。
「奥さんや家族と話をすること。そしてキックオフの直前には、神様にお祈りをします。このふたつは欠かさずにやっていることです」
――食事に対するこだわりはありますか?
「家族が来日する前は、クラブが用意してくれた食事をとっていました。今は奥さんが日本に来たので、奥さんが作ってくれたブラジル料理を食べています。奥さんは本当に料理が上手なんですよ。なかでも一番好きなのは、フェジョン(ブラジルの豆料理)ですね。あとはサーモンも好きです」
――日本の食べ物で好きなものは?
「基本的には何でも食べられますよ。一番好きなものを挙げるとすれば、手巻き寿司です」
――コンディション維持のために気を付けていることはありますか?
「筋トレは欠かさないですね。あとは食事面。なるべく揚げ物を食べないようにしています」
――オフの日はどのように過ごしていますか? プライベートではまっていることがあれば教えてください。
「家族が来る前は1人だったので、テレビゲームくらいしかやることがありませんでした(笑)。ただ、今は奥さんと娘が来たので、コロナが明けたら外食ができたらいいなと思っています」
――どこか行ってみたいところはありますか。
「また沖縄に行きたいですね。奥さんに沖縄の景色を見せてあげたいです」
――やはり家族が来日されたことも、好調の要因になっているようですね。
「もちろんそうです。娘が生まれてからすぐに日本に来たので、一緒にいられる時間はほとんどありませんでした。離れて暮らしていた時は、本当に寂しかったし、辛かったです。ただそんな僕を支えてくれたのは、このチームの仲間でした。今は家族がそばにいてくれますが、サポートしてくれた仲間のためにも、このチームに貢献できるようなプレーを続けていきたいです」
――小さい頃からの取り組みで、今でも継続していることはありますか。
「シュート練習ですね、フィニッシュのところは、小さい時からやっています」
――少年時代からストライカーでしたか?
「サッカーを始めた頃はボランチでしたけど、パスやフィードといったキックの精度が良かったので、徐々にFWで使われるようになりました。14歳の時には完全にFWになっていました」
――ゴールを取るために一番意識していることはなんでしょう?
「いつボールが来てもいいように、集中することです。味方からのパスを待つ時はもちろん、相手がミスをするかもしれない。こぼれ球のチャンスが来るかもしれない。どの状況にも対応できるように常に集中しておくことが、結果を出すことにつながると思っています」
――理想とするストライカー像はありますか?
「憧れていたのはアドリアーノ選手(元ブラジル代表)ですね。テレビを見ながら、良い選手だなと思っていました。ヨーロッパでも活躍しましたし、ブラジルに帰ってきてからも多くのゴールを決めていました。あんな選手になりたいと思っていましたし、お手本にもしていましたよ。彼のプレーを見ることで、吸収するものは多かったです」
――プロのサッカー選手として一番大事にしていることはなんでしょう?
「やっぱり仕事ですので、真面目に取り組むことが大切だと思っています。サッカーは、チームスポーツなので規律が大事です。たとえ天才と言われる選手でも、規律を守れなければ、プロの世界では活躍できません。規律を守り、真面目にサッカーに向き合うことが、プロ選手に最も求められることだと思います」
――今季も残りわずかとなりましたが、終盤戦に向けた抱負を聞かせてください。
「もちろん、優勝です。これは僕の目標だけではなく、F・マリノスに関わるすべての人たちの目標でもあります。今は優勝争いをしていますし、チャンスは十分にあると思っています。最後まで諦めず、チーム一丸となって戦い、タイトルをつかみ取りたいです」
――将来の目標も聞かせてください。
「先のことはあまり考えないようにしています。今は自分のベストを尽くし、このクラブのために何ができるかを考えています。ただひとつ言えるのは、日本で長くプレーしたいということ。私のキャリアをできるだけ長く、日本で築いていきたいです」
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