2021年9月2日(木) 14:30
川崎Fがついに初黒星。勝点16を積み上げた横浜FMが王者を猛追。新戦力の活躍で横浜FCに光明【マンスリーレポート(8月):明治安田J1】
約1か月に及んだオリンピック中断を経て、8月9日に再開された明治安田生命J1リーグ。8月は23節から27節までの5節分が開催されている。中断期間中も順延試合をこなしたG大阪やACL出場チームとその対戦チームは、6~7試合をこなすスケジュールとなった。
無敗で首位を独走していた川崎Fは、中断明け後に苦戦。再開初戦の大分戦こそ勝利したものの、柏、広島には引き分け、26節の福岡戦ではついに今季初黒星。続く札幌戦に勝利し首位をキープしたものの、その座が安泰ではなくなってきた。
失速する王者を尻目に勢いを加速させたのが横浜FM。8月は消化試合数が多かったとはいえ、5勝1分1敗と16ポイントを積み上げた。7試合で21得点と圧巻の攻撃力を披露し、18節の名古屋戦からは4連勝を達成。一時は川崎Fに1ポイント差に迫った。惜しむらくは27節の鹿島戦に0-2と敗れたこと。それでもケヴィン マスカット監督就任後も持ち前の攻撃スタイルが保たれているだけに、9月以降も川崎Fと激しい優勝争いを繰り広げていきそうだ。
その横浜FMに黒星を付けた鹿島は、8月を4勝1敗とし、3位に浮上。堅い守りに加え、五輪帰りの上田 綺世が力強いパフォーマンスを示しており、このエースの働きが今後の戦いのカギを握るだろう。
8月は今夏に加入した新戦力のパフォーマンスも注目を集めた。神戸には武藤 嘉紀と大迫 勇也が加入。先にデビューした前者は2試合連続アシストを記録し、後者も持ち前のポストワークで神戸の攻撃に迫力を生んでいる。さらにボージャン クルキッチというビッグタレントも今後デビューしてくる見込みで、リーグ屈指のタレント軍団が後半戦の戦いを盛り上げていきそうだ。
一時は不調に陥っていた名古屋は、8月に3勝を挙げて復調の気配を示す。福岡も同じく3勝を挙げて、9位に浮上。昇格チームとして健闘を見せている。
苦しい戦いが続いていたC大阪は26節の湘南戦に敗れ、レヴィー クルピ監督を解任。小菊 昭雄監督の下でリスタートを切った。初陣となった大阪ダービーでは1-0で勝利を収め、ひとまず監督交代は奏功したように見えるが、9月以降の戦いに、その成否が現れるだろう。
降格圏が背後に迫る湘南も、27節終了後に監督交代を決断。山口 智新監督に再建を託すこととなった。
降格圏内の4チームに目を向けると、徳島は1勝4敗、仙台は2分4敗、大分は1分4敗と苦しい結果となった。残留争いはこれからますます厳しさを増してくるだけに、早急にチームを建て直したいところ。監督の手腕はもちろん、チーム一丸となった戦いが求められてくるはずだ。
そんな中で唯一、光明を見出したのが横浜FCだ。8月は2勝1分2敗とし、最下位から脱出。新加入選手が素早くフィットしたことが大きく、名古屋とG大阪を撃破した。それでもまだ19位に留まるだけに、さらなる結果が求められる。難敵との戦いが続く9月の3試合が、残留への試金石となりそうだ。