2021年6月2日(水) 18:20
首位の新潟が連敗を喫し、上位争いが混とん。監督交代で好転した長崎と山形に浮上の予感が漂う【マンスリーレポート(5月):明治安田J2】
明治安田生命J2リーグは、5月に11節から16節までの6節分を消化。首位の新潟が連敗を喫したことで、上位争いが混とんとしてきた。
開幕から無敗を続けてきた新潟は、14節の町田戦に敗れると、続く京都との上位対決にも敗れ、首位から陥落。16節の琉球戦を制して首位の座を奪回したが、開幕当初の勢いに陰りが見えており、J1昇格に向けてここからが正念場となりそうだ。
京都は4月に続いて5月も無敗で乗り切った。これで11試合負けなしとしている。新潟との直接対決を制したのが5月のハイライトだろう。もっとも続く甲府戦では引き分け、首位から陥落。6試合中5試合でクリーンシートを達成した一方で、攻撃面にやや不安を残す。勢いを加速させるには得点力の向上が重要なテーマとなるだろう。
琉球は3位に位置するものの、15節の山形戦、16節の新潟戦に敗れ、勢いを失いつつある。失点が増えているのが気がかりな点で、上位争いに踏みとどまるためには、このポイントの修正が求められてくるかもしれない。
調子を上げてきたのは、磐田と甲府の2チームだ。ともに4勝2分と5月は負けなしで、上位3チームに迫りつつある。磐田は持ち前の攻撃力に加え、守備に安定感が生まれてきたのが好材料。甲府は堅守に加え、1点差をモノにする勝負強さが備わってきた印象だ。上位の背中をはっきりと捉えるなか、この2チームが昇格争いを盛り上げていきそうだ。
ともに監督が交代した長崎と山形も復調の気配を見せる。長崎は松田 浩監督就任後に、3勝1分と好転。玉田 圭司や都倉 賢らベテランも調子を上げており、さらなる浮上に期待が持てる。山形はピーター クラモフスキー監督が指揮を執るようになり、3連勝を達成。攻撃スタイルを標榜する指揮官の戦術が浸透していけば、こちらも上位争いに加わっていくことは十分に考えられる。6月以降の両チームの戦いに注目だ。
苦しんでいた山口と北九州は、5月にともに3勝をあげて、復調の気配を示した。一方で金沢は2分4敗と未勝利に終わり、14位に転落。6試合でわずか3得点に終わった攻撃面の修正が急務となっている。
下位に沈む群馬、大宮、相模原の3チームもひとつの勝利もあげられなかった。そのうち大宮と相模原は監督交代を決断した。4チームが降格する今季のレギュレーションを踏まえ、早めに手を打った格好だ。シーズンはまだ3分の1を消化したに過ぎない。愛媛も含め、降格圏に位置する4チームのここからの巻き返しが期待されるところだ。