一般社団法人日本野球機構(NPB)と公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が連携する「新型コロナウイルス対策連絡会議」の32回目の会議が、24日に開かれた。
変異株の広がりや、緊急事態宣言地域が拡大する状況下で行われた今回の会議では、ワクチン接種の対応などが話し合われたという。
会議後の記者会見でJリーグ村井 満チェアマンは「全国的に感染力の強い変異株が席巻している状況のなか、緊急事態宣言の延長の議論もあります。またワクチンの大規模摂取が始まりますが、ワクチンが有効に浸透していくのかどうか。難易度の高い時期が続いていますが、今日の会議では非常に有意義な意見交換ができたと思います」と話した。
依然、変異株の影響は大きく、専門家グループの賀来 満夫氏は「今までのような対応では、不十分になる可能性が出てきています。いろんな事例を見ながら、個人個人の感染防御を高めていかないといけない」と警鐘をならした。
一方で村井チェアマンは、5月21日に菅 義偉首相と会談した内容についても報告した。
「Jリーグの6クラブが自治体と協力し、(スタジアムを)ワクチンの大規模接種会場として使用する合意ができたので、総理に内容をご報告させていただきました。総理のほうからも、次に控える若者たちへの接種呼びかけが大事なところであり、重要な施策にご協力いただきありがとうございますという言葉を頂戴しました。ただ、我々の大半のスタジアムは行政所有ですので、行政と様々な意見交換をし、ご指導いただきながら援助できる部分、特に我々の発信力の部分を中心にやっていくということをご報告申し上げた次第であります」
ワクチン接種の啓発活動についてはプロ野球、Jリーグが積極的に行っていく姿勢を示しており、専門家グループの舘田 一博氏も「ワクチン接種を推奨していく選手の言葉が意味を持ってくるのではないか」と期待を込めた。村井チェアマンも「一般接種に向けて(選手の)発信力が使えると思っている」としたうえで、「同時に接種を受けない権利、いわゆる人権問題も存在していることを理解しました。様々なレギュレーションで強制されるものではないことが必要です。ワクチンの有効性に関しては誰もが認めるものですので、そこを啓発することと、裏側にある人権に対する配慮を学んでいけなければいけません」と話した。
併せてワクチン接種がアスリートにどのような影響があるかも理解すべきもので、村井チェアマンは「アスリートに対するパフォーマンスへの影響度合いをしっかりと理解して、選手と向き合わないといけません。したがってワクチン接種に関しは3つの観点、啓発、人権、アスリートへの影響、この3つを理解したうえで進めていく必要があります」と話した。