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「5レーン」とは何か?中村 憲剛が語る「5レーン」のポジショニング、動き方とは。

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2021年5月20日(木) 15:00

「5レーン」とは何か?中村 憲剛が語る「5レーン」のポジショニング、動き方とは。

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「5レーン」とは何か?中村 憲剛が語る「5レーン」のポジショニング、動き方とは。
テーマは「5レーン」とは何か。現代サッカーで取り入れられるこの理論を、人気サッカー漫画の『アオアシ』のカットを入れながら分かりやすく解説してくれている

昨季限りで現役を退いた中村 憲剛さんによる戦術解説動画が、Jリーグ公式YouTubeチャンネルで公開中だ。


テーマは「5レーン」とは何か。現代サッカーで取り入れられるこの理論を、人気サッカー漫画の『アオアシ』(作者:小林有吾/出版社:小学館)のカットを入れながら分かりやすく解説してくれている。

まず、中村さんが答えてくれるのは、「俯瞰でピッチを見ているJリーガーはいるのか」という疑問について。中村さんは「俯瞰で見ることは不可能」としたうえで、「そういう視野を持っている選手は何人かいる」と語る。
その選手とは、遠藤 保仁選手(ジュビロ磐田)、アンドレス イニエスタ選手(ヴィッセル神戸)、大島 僚太選手(川崎フロンターレ)の3人だ。

「3人とも共通しているのは全体を良く見ていること。あと技術がしっかりしていること。俯瞰的視野に間接的に関与しているのは、1回でボールをコントロールできることなんです。その技術が非常に高いので、下を向いている時間が短い。1回でボールを止めて、長くものを見れるようになって、いろんな判断ができるから、いろんなところにボールが出せるんです」

特にその技術が高いと感じたのはイニエスタ選手だと中村さんは言う。
「イニエスタ選手は寄せた時に下を見ない。普通の選手はトラップするとボールの行き先を見るから目線が下がるので、その間に寄せたりできるけど、イニエスタ選手やヤットさん(遠藤選手)は下を見ないから寄せに行けない。1回でコントロールできることが、俯瞰的視野を生むひとつの要素なんじゃないかと思います」

中村さん自身も俯瞰的視野を備えた選手と言われていたが、実際はどのよう感覚でプレーしていたのか。
「そこに関しては追求してきました。実際に俯瞰で見られるわけではないので、平面で自分がプレーしているところのイメージと、あとで俯瞰的視野の映像の自分を見て、平面と俯瞰の自分をすり合わせるというのは、ずっとやってきた作業ですね」

そして、俯瞰的視野は誰にでも身に付けられるものだという。
「みんなもできると思いますよ。そこにいたるまでの技術、1回で止められるところ、視野を上に保てるところが最低条件に入ってくると思います」

この企画の主テーマである「5レーン理論」についても、中村さんはボードを用いながら、的確に説明してくれている。
5レーンとはその名の通り、ピッチを縦に5分割し、そのレーンごとに各選手がポジションを取るというものだ。
「(4バックの場合)ディフェンスラインの隙間は5つある。そこにキレイに立つことで相手の守備のマーキングをずらす。ぴったりくっつかれている状態ではなく、全員が間に立つことで、相手ディフェンスのマークを絞らせない。(5レーンは)攻めやすくする、相手を守りにくくする。そのための分かりやすい言葉なのかなと思います」

5レーンでポイントとなるのはトライアングルを作ること。そのためには前後の味方が同じレーンに立ってはいけない約束事がある。例えばウイングの選手が内側のレーンに入れば、サイドバックの選手は外側のレーンに飛び出す(オーバーラップ)。逆にウイングが外側にポジショニングすれば、サイドバックは内側のレーンに走り込む(インナーラップ)。
「同じレーンに3人立てば、三角形を作れないからボールが回らない」
その状況を作らないためにも、お互いのポジショニングが重要となるのだ。

5レーンで攻める利点は、ディフェンス面にもあるという。
「すぐに回収できること。即時奪回ですね、そういう配置に必然的に相手も下げさせられているので、ボールを失ってもすぐに取り返しやすい。攻守両面に効果があるんです」

ただし、中村さんは単に5レーンのポジションを保っていればいいわけではないと指摘する。
「ただ5人が立っているだけでは成立しない。後ろの選手が何を選ぶか。前の選手はどこが空いて、いつスプリントをかけるのか。アドリブ力、味方を見る力、あと技術が備わっていないと、机上の空論みたいになってしまう。チームとして共有し続けることがすごく大事なんです」

中村さんが在籍した川崎Fでも、5レーン理論は取り入れられているという。
「5レーンをやるぞとは言っていないけど、レーンがかぶるなという指示は出ていました。5レーンをやるぞと言うと意識的に取りすぎて、固まってしまう。アドリブで動き出して、レーンを保つことでいろんな崩しができる。練習中や試合中にイメージをすり合わせることで、自分たちものになっていったのかなと思います」
この動画では中村さんが、川崎Fや横浜FMの試合映像を見ながら、「5レーン理論」を具体的に解説してくれている。

どのように動き、どのポジションを取っていくのか。中村さんはボールを持っていない選手の動きに注目することが、サッカーをさらに楽しく見るためのポイントだと教えてくれた。
「ポジショニングは現代サッカーですごく重要視されていること。試合が始まると、どういう立ち位置を取っているかで、その選手の性質が分かるんです。ゴールシーンがあったとすれば、その前の場面で、どういうポジショニングが相手を困らせていたのか。そういうところを見るのも、サッカーの見方のひとつ。僕もゴールシーンも好きですけど、崩しの場面で何が起きているのかを見るほうが好きですね」

中村 憲剛さんによる「5レーン」解説動画はこちらからご覧になれます。


また、第二弾として中村 憲剛さんによる「現代サイドバック論」も公開中ですので、是非ご覧ください。

 

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