一般社団法人日本野球機構(NPB)と公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が連携する「新型コロナウイルス対策連絡会議」の31回目の会議が、10日に開かれた。
今回の会議では、陽性判定者が練習に復帰する際のルール整備について議論されたほか、Jリーグ側からはオンサイト検査の報告、NPB側からは陽性者が出たチームのゲノム解析の結果などが報告された。
会議後のリモートによる記者会見では、NPBの斉藤 惇コミッショナーが「プロ野球としては、無観客は例外中の例外で、ないと思っています。やる意味がないと思う」と改めて、プロスポーツのあり方を主張。これを受ける形でJリーグの村井 満チェアマンも「私も同感です。プロのスポーツ興行は、単に競技日程を消化していくのではなく、お客様とともに価値を作っていくもの。Jリーグは有観客の試合を1300試合も重ねてきています。産総研様からも報告がありましたが、様々な対策を講じることによって、94、5%リスクを低減できるところまでのエビデンスを重ねてきています。おごることなく、努力を重ねながら、社会に伝えていく努力も併せてしていきたいと思っています」と話した。
具体的な対応策としてオンサイト検査をあげ、「Jリーグの場合はすでに昨年の感染者数を超えています。感染力の強さを身をもって感じていますが、その対応としてオンサイト検査を相当数実施しています。PCR検査も併用しながらその有効性を検証していますが、今のところ偽陽性は出ていません。対応策が昨年に比べれば少しバージョンを変えつつあります。引き続き野球界と連携しながら、努力を重ねていきたい」と、さらなる安全な試合開催の実現を誓った。
また会見では、オリンピック選手へのワクチン接種に関する質問も飛んだ。村井チェアマンは「具体的な選手・関係者に対する接種のプログラムまではいっておりません」としたうえで、「個人的な段階ではありますが、Jリーグの場合は57クラブのうち54クラブが行政所有のスタジアムを利用させていただいています。ワクチン接種を地域の方々が行なう場合にそうした場所の提供をすることに意義があるかを先生方にお伺いしたら、意味は非常に大きいというご意見をいただきました。明日の実行委員会で、我々として社会貢献できる余地があるかの議論をしてみたい」と、スタジアムをワクチン接種の会場に提供する考えがあることを明かした。