今季の優勝は直接対決で決定。徳島が圧倒的優位な状況も、福岡は大量得点を実現し、ホームで奇跡を起こせるか【プレビュー：明治安田Ｊ２ 第42節】

今季の明治安田生命Ｊ２リーグは、20日に今季の最終節が行われる。

すでに前節、徳島と福岡の昇格が決定。最終節の注目は、両者の直接対決で決する優勝の行方となる。

もっとも首位の徳島と2位の福岡の勝点差は3で、得失点差でも徳島が大きくリードする。福岡が優勝するためには7点差以上での勝利が求められる。状況を考えれば徳島が圧倒的に優位に立つが、可能性はゼロではない。ホームの地で福岡は奇跡を起こせるか。立ち上がりからエンジン全開で相手ゴールに向かうはずだ。

昇格の夢が絶たれた長崎は、ホームで金沢と対戦。手倉森 誠監督の退任が決まり、徳永 悠平が引退を表明。寂寥感の漂う一戦となるが、ホームで最後の意地を見せたい。対する金沢は4戦負けなしながら、ここ3試合は勝ち切れていない。好調を維持する島津 頼盛にかかる期待は大きい。

4位の甲府はホームで岡山と対戦。2試合勝利がないなか、課題の得点力不足を解消し、来季につながる戦いを実現したい。一方の岡山は9試合勝利がない。敗れれば20位に転落する可能性もあるだけに、強い危機感を備えてこの試合に臨むだろう。

北九州は千葉の本拠地に乗り込む。昇格1年目にして躍進を遂げたチームは、終盤に来て再び勢いを増している。得点ランクの2位につけるディサロ 燦シルヴァーノが今節も重要な役割を担うだろう。対する千葉は15位に沈む。2試合連続で無得点に終わる攻撃陣が意地を見せられるか。

磐田はアウェイで栃木と対戦。1年でのＪ１復帰を目指しながらも現在は6位。5位以上の可能性がなくなったなか、6位の座を維持するためにも勝利が求められる。一方の栃木は6戦負けなしで9位に浮上。磐田との勝点差は2で、勝てば立場を逆転できるだけに、高いモチベーションを備えてこの試合に臨むだろう。

京都はホームで群馬と対戦する。注目は得点ランクのトップに立つピーター ウタカだ。2位のディサロ 燦シルヴァーノには4点差をつけているだけに、得点王はほぼ確定している。サンフレッチェ広島に在籍した2016年にＪ１得点王に輝いたベテランは、異なるカテゴリーで二度目の栄光を手にしようとしている。群馬は5試合負けがなく、現在は2連勝中。その勢いを保ち、前回対戦で敗れた相手にリベンジを狙う。

大宮と新潟は、ともに昇格候補に上げられながらも、最終節を前にそれぞれ16位と10位に低迷する。大宮は前節徳島に敗れ、目の前で昇格の歓喜を見せつけられた。対する新潟は6試合勝利がなく、現在は3連敗中。苦しいシーズンを笑顔で締めくくるのは果たしてどちらのチームか。

東京Ｖはホームに水戸を迎える。6試合未勝利と調子を落とすなか、コンスタントに結果を出している山下 諒也にかかる期待は大きい。対する水戸も2連敗と苦しんでいる。2試合ゴールがない攻撃陣の奮起が求められるだろう。

琉球は2連勝で14位に浮上。今節はホームに町田を迎える。ここ2試合で8得点を記録する攻撃サッカーで3連勝を狙う。町田は前節、磐田に競り負け、連勝が2でストップ。2点を先行しながらも逆転されただけに、リード時の試合運びがカギを握る。

愛媛は4連敗で21位に沈む。4試合連続無得点と攻撃が機能しておらず、失点も減らない状況にある。今季限りでの退任が決まっている川井 健太監督が、最後に意地を見せられるか。その愛媛をホームに迎える松本は、3戦負けなしで13位に浮上。1年でのＪ１復帰はならなかったものの、ホーム最終戦で勝利を奪い、ひとつでも上の順位を目指したい。

最下位の山口はホームで山形と対戦。前節は新潟に競り勝ち、勝点を33に伸ばした。21位の愛媛との差は1ポイントで、今節の結果次第では最下位から抜け出せる。3試合連続ゴール中の高井 和馬がそのカギを握るだろう。対する山形は前節、北九州に敗れ、連勝はならず。この試合に勝てば6位に浮上する可能性もある一方、敗れれば10位に転落する危険性も。一桁順位で終えるためにも、勝点3を手にしたいところだ。

■各試合の見どころをチェック
栃木vs磐田
大宮vs新潟
千葉vs北九州
東京Ｖvs水戸
甲府vs岡山
松本vs愛媛
京都vs群馬
山口vs山形
福岡vs徳島
長崎vs金沢
琉球vs町田