一般社団法人日本野球機構(NPB)と公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が連携する「新型コロナウイルス対策連絡会議」が14日に開かれた。
22回目となる今年最後の会議を終え、各出席者はこの1年を振り返り、次のようにコメントしている。
■Jリーグ村井 満チェアマン
「プロ野球に関しては全行程を無事に終えられました。Jリーグに関しても今週が最後となります。19日にJ1、20日にJ2、J3が最終節を迎えます。何とか今のところ、リーグ戦においては全日程を消化できる見通しとなっています。ルヴァンカップの決勝が1月4日にありますが、ここまで来られたことはNPB、専門家の皆様、地域アドバイザーの皆様のお力添えだと、改めて深く感謝を申し上げたいと思います」
■NPB斉藤 惇コミッショナー
「JリーグとNPBでこの1年のコロナ問題を振り返り、サマライズしたレポートを作っている途中であります。このなかには詳しいケース、いろんな検査をどういうふうにやったか、どういう状況で発症があったかといった細かいデータが入っています。これをさらに精査したうえで、専門家の先生方からもご意見を賜ってよりいいものにしていただき、これからの自主トレ、春季キャンプに向かっての準備に参りたいと思います」
■賀来 満夫氏(東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授、東北大学名誉教授)
「プロ野球、Jリーグともに、コロナ禍のなか、選手の皆さんはもちろん、関係者の皆さんが努力され、無事にある程度終えることができたのは画期的なことではないかと思います。皆様方のご苦労は、大変素晴らしいと思っております。メディアの皆様の協力もありましたし、観客の皆様も努力をされたと思います。
今回、プロ野球、Jリーグからはこれまでの総括について話をしていただきました。そのなかでリスクはどういうところにあったのか、何が問題だったのか。専門家グループの中で詳細に解析させていただき、将来に残る報告書、総括となるよう、これからもご支援させていただきたいと思います」
■三鴨 廣繁氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)
「何とかシーズンを乗り切れたことで、プロ野球、Jリーグ両機構の方々、チーム、クラブの方々は本当に胸を撫でおろしていることと思います。我々医療関係者は、感染者が増え、重傷者も増加するなか、大変疲弊しており、逃げ出したい気持ちでいっぱいですが、プロ野球とJリーグが手を取り合い、対策をして乗り越えてきたことは、医療従事者に非常に勇気を与えるものだと確信しています。まだまだ不安はありますが、立ち止まるわけにはいきません。野球とサッカー、国民に勇気を与える二大イベントが来年以降も成功できるように、我々は微力ながら努力するということを誓い申し上げた次第であります」
■舘田 一博氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)
「選手、スタッフ、関係者の皆様、1年間お疲れ様でした。そしてありがとうございました。私もサッカー、野球のファンのひとりとして、ここまで来られたことを嬉しく思っています。何より日本のスポーツ文化を守るんだという想いの中で、プロ野球機構とJリーグが連携して乗り越えようという活動ができたことが嬉しいと感じています。この活動は、日本のスポーツのあり方に関して、ひとつのロールモデルになると思います。そして来年の東京オリンピック、パラリンピックにも参考になるものを提供してくれるんじゃないかと感じています」