一般社団法人日本野球機構(NPB)と公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が連携する「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第17回会議が、5日に開かれた。
今回の会議には専門家グループ、地域アドバイザーのほか、マスギャザリング、疫学統計の専門家3名がオブザーバーとして参加。現在、上限50%の制限がある入場者数のさらなる緩和を見越し、今後の対策などについて意見が交わされた。
会議終了後の会見で、Jリーグ村井 満チェアマンは「これまではクラブ、選手を守っていく側面と、スポーツ文化を守るという側面からアプローチしてきましたが、政府の大規模イベントの入場数緩和に伴い、これからはマスギャザリングや疫学統計、こうした側面からも知見を高めていきながら、多くのお客様とスポーツを楽しむ環境作りに向かっていきたい。オブザーバーの皆様を迎える形で行われた今日の議論で、新たな知見を獲得できたと思います」と話した。
専門家グループの賀来 満夫氏は、現在の感染状況について「第2波のピークはだんだん下がってきているが、やや下げ止まりの状況にある」と説明。一方で、今後はより社会活動、経済活動が活発になっていくなかで、「残されたシーズンで、選手の方々、関係者、観客の皆様に感染が広がらないような対策をしていただき、観客についても数を増やしていく方向も踏まえながら、今後とも注意していこうことで、議論をさせていただきました」と、会議の内容を説明した。
マスギャザリングの専門家からは、「6万人規模のスタジアムに6万に入った時に、入場チェックや会場に入られた後の対応、トレイとなど含め、ある程度複合的に対策をやっていくと、かなりリスクが下がってくるというお話もいただきました」(賀来氏)という。
また賀来氏は「来年度から50%を超えていくということについては、まだ慎重な対応が必要」としたうえで、「50%の枠を超えてチャレンジしていくのは必要なこと」とも話している。
一方で、現在、一部のスタジアムではガイドラインに記載されているブーイングなどの禁止行為が見られている。これについて村井チェアマンは「入場数の緩和そのものが、因果関係ではないと思う」としたうえで、「お客様の中に、大きな声を出してしまうことは個別には見られるが、そうした行為があったときにしっかりマネジメントしていくような内容まで踏み込んで意見交換をした。ルールを守れないお客さんには退場をお願いすることも含めた施策を行っていこうと思っています」と、厳重な対応を行っていく方針を示した。
専門家グループの賀来氏も「観客を増やしていくことは、観客のみなさま自身の行動が決めていく」と、観戦ルールの遵守を改めて求めている。