明治安田生命J1リーグは、9月に14節から19節までの6節分が開催された。ACLや新型コロナウイルスの影響により各チームの消化試合数は異なるものの、この9月も川崎Fの強さが際立つ結果となった。
6戦全勝と圧倒的な戦いを見せた川崎Fは、うち5試合で3得点以上をマーク。小林 悠、レアンドロ ダミアンがゴールを量産し、大卒ルーキーコンビも変わらず好調を維持。相手をねじ伏せる驚異の攻撃力を示し、2位に勝点11差をつけて、独走態勢をさらに強めている。シーズンの半分を消化した今、果たしてこのまま優勝に向けて突っ走るのか。10月の戦いからも目が離せない。
2位のC大阪も連勝を続けていたが、17節の鹿島、18節のFC東京戦で連敗を喫したのが痛恨だった。ここへきて失点が増えてきているのも気がかりな点。川崎F追撃の一番手として、持ち前の堅守を取り戻したいところだ。
ACLの日程の影響で、9月に8試合を消化したFC東京は、5勝1分2敗とまずまずの結果を残した。もっともC大阪に快勝した一方、鳥栖相手に完敗を喫するなど戦いは安定せず、過密日程の影響を受けている印象だ。
王者、横浜FMも8試合を消化し、4勝1分3敗の成績だった。9月に入りいきなり3連敗と失速したが、その後に4連勝を達成。いずれも3得点を奪っての勝利と、攻撃スタイルが蘇っている。チームを牽引するのはゴールを量産するエリキだ。直近6試合で8得点と圧巻の決定力を示している。ハイパフォーマンスを続けるこのストライカーに導かれ、王者がさらなる浮上を実現する可能性は十分だ。
ここまで上位争いを演じてきた名古屋は、勝ち負けを繰り返す不安定な戦いで、5位に転落。一方で鹿島は8月から続いた連勝を7にまで伸ばし、上位争いに名乗りを上げている。
神戸は監督交代をきっかけに、復調の気配を示した。監督代行が指揮を執った18節の鳥栖戦で勝利を収めると、三浦 淳寛監督就任後も2連勝を達成。新人監督の手腕もさることながら、別次元のパフォーマンスを見せるアンドレス イニエスタの存在感も大きく、終盤戦の巻き返しに期待が持てそうだ。
新型コロナウイルスの影響で活動が停止していた鳥栖は9月にリスタートを切った。順延試合を消化するためハードスケジュールとなったものの、若手が躍動し、3勝2分3敗とまずまずの結果を残した。
一方で札幌、清水、仙台の3チームは苦しい戦いが続く。なかでも仙台は6戦全敗と、一つも勝利を挙げられなかった。6試合で16失点と守備に不安を抱えており、この課題を修正できないようだと今後も苦戦は免れないだろう。最下位に沈む湘南は、16節のG大阪戦で今季2勝絵を挙げたものの、その後に3連敗。こちらは得点力不足の解消が、最重要課題となる。
9月の注目トピックは、横浜FCの三浦 知良だった。18節の川崎F戦でスタメン出場を果たし、J1最年長出場記録を53歳6カ月28日に更新。Jリーグが開幕した1993年からピッチに立ち続けるこのレジェンドが、またひとつ日本サッカーの歴史に金字塔を打ち立てている。