一般社団法人日本野球機構(NPB)と公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が連携する「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第16回会議が、21日に開かれた。
今回の会議では、主に入場制限の緩和と、今後の対応について専門家グループからアドバイスを受けたという。
会議後に開かれたリモート記者会見の冒頭で、Jリーグ村井 満チェアマンは「9月19日から大規模イベントの入場者が、実質5000人から50%に緩和されておりますが、感染の推移を見極めていくと、まだまだ予断を許さない要素もあるようにも感じています。今回の緩和は、スポーツ界、特にプロ野球やサッカーに対する期待値の裏返しだと思っています。経済活動と感染防止を両立しうる期待を込めた50%と理解していますので、そうした期待を損なうことがないように今日の意見交換を踏まえて進めていきたい」と話した。
専門家グループの賀来 満夫氏は、「観客が増えることでソーシャルディスタンスが取りにくくなる。みんなで大きな声を出したり、いろんなリスクが生まれてくる。観客を増やすというこの時期にこそ、気を引き締めながら、感染対策をしっかりと守りながら、試合を安全に進めていっていただきたい」とアドバイスを送った。
入場制限が収容人数の50%に緩和されたものの、Jリーグは1万7000人以上のスタジアムでは、当面は30%と設定。これについて村井チェアマンは「Jリーグでは、座席を1メートルの間隔を開けておこうと。それは結果的に実質30%くらいになるものですから、現時点では30%基準にしております」と説明。しかし、この日の会議で専門家からの助言を受けたことを踏まえ、50%への引き上げを示唆。「9月24日に実行委員会があるので、そこでの決議となりますが、9月30日、もしくは10月頭くらいのゲームから、引き上げていく方向で協議をすると思っています」と話した。
また、アウェイサポーターの来場については、「クラブ個別の判断になると思いますが、まずは50%の試合を複数こなしてから、状況を見たうえでビジターをお迎えするようなステップを踏んでいくことを原案としています」と説明。一方で場内でのアルコール販売については「専門家の皆様から、人数を増やすのであればそれ以外のところをしっかりとマネジメントしてほしいという要請もありましたので、それも踏まえ、ステップ・バイ・ステップで検討していきたい」とした。
入場規制の緩和にともない、改めて重要となるのが感染防止の徹底だ。賀来氏はマスク着用の効果を強調している。
「たとえ1メートルの距離を取れなくても、マスクをしっかりと着けることがリスクを確実に下げることが分かってきました。飛沫を防ぐことができる面と、鼻と口を直接手で触らないという観点からも効果的です。当然、大規模に人が集まれば、感染リスクは高まることになる。そのためにもマスク着用を徹底し、飲食をするときも必要以上に話さない。応援でも大きな声は飛沫を飛ばすことになるので、できるだけ拍手で応援していただく。応援スタイルを変えていくことが重要だと話させていただいた」
こうした助言を受け、村井チェアマンは「(50%への引き上げによって)1メートルの距離が緩和されることになるので、逆に言うとその他の基準を徹底する必要がある。緩和の状況だからこそ、啓発を呼びかけようと思っています」と話した。NPBの斉藤 惇コミッショナーも「(今シーズンが終わる)11月末まで無事に何事もないようにしていただくことが、最大の応援ですということを伝えたいと思っております」と話し、感染拡大を防ぐための応援スタイルの徹底を求めた。
なお、会見後にJリーグとプロ野球は、ファン・サポーターに向けての共同メッセージを発信している。
https://www.jleague.jp/release/post-64502/