2月21日に開幕した今季の明治安田生命J1リーグだが、新型コロナウイルスの影響により長い中断期間に突入。あれから4か月以上の月日が流れ、ついに再開の時を迎える。中断期間をどのように過ごし、チームはどのように変化を遂げたのか。今季の勢力図を探るうえでも重要な再開戦となる。
昨季王者の横浜FMは、浦和の本拠地に乗り込む。開幕戦ではG大阪の対応に苦しみ黒星スタートとなった。チャンスを作りながらも決めきれなかっただけに、オナイウ 阿道らFW陣の奮起が求められる。対する浦和は開幕戦で湘南に3-2と勝利した。さっそく結果を出した新加入のレオナルドが、今節も重要な役割を担いそうだ。
開幕戦で3-0と鹿島を撃破し、首位スタートとなった広島は、アウェイで神戸と対戦。昨季ブレイクを果たした森島 司をはじめ若手の躍動が光る一方、ドウグラス ヴィエイラ、レアンドロ ペレイラと攻撃陣も結果を出している。大迫 敬介を中心とした守備の安定感も備わっており、開幕連勝を狙う。対する神戸は横浜FCと引き分けた。もっともアンドレス イニエスタを中心にチャンスは作れているだけに、求められるのは決定力。開幕戦でゴールを決めた古橋 亨梧はもちろん、新戦力のドウグラスが古巣相手にどのようなパフォーマンスを見せるかにも注目が集まる。
昇格チームの柏は、開幕戦で札幌に快勝を収めた。今節はホームにFC東京を迎える。オルンガ、江坂 任、クリスティアーノが形成する前線の破壊力はリーグ屈指で、札幌相手に4ゴールを奪った。一方で終盤に2失点を喫した守備面にはやや不安が残る。ネルシーニョ監督がどのように修正を施すのか。その手腕に注目だ。FC東京も開幕戦で清水に3-1と勝利した。今季の目玉であるディエゴ オリヴェイラ、アダイウトン、レアンドロのブラジル国籍トリオがいずれも結果を出しており、今節もこの3人のパフォーマンスがカギを握りそうだ。
同じく昇格組の横浜FCは、ホームに札幌を迎える。前節は神戸相手に1-1で引き分けた。押し込まれながらも粘り強い守備を保ち、敵地で勝点1を手にしている。瀬古 樹らポテンシャルを秘めた若手の躍動はもちろん、中村 俊輔らベテランの活躍も初勝利には欠かせない要素となるだろう。対する札幌は柏に敗れ、黒星スタートとなった。4失点を喫した守備は課題だが、終盤に見せた攻撃は札幌らしい迫力が備わっていた。持ち前の攻撃スタイルで、今季初勝利を目指す。
G大阪とC大阪の“大阪ダービー”も、再開節の注目試合となる。G大阪は開幕戦で王者横浜FMを撃破。相手の隙を突くしたたかな戦いで結果を出している。一方のC大阪も大分に1-0と勝利。昨季リーグ最少失点を記録した堅守は今季も健在で、今節も隙のない戦いを見せてくれそうだ。ライバル対決だけでなく、この試合ではG大阪の遠藤 保仁にも注目が集まる。ピッチに立てば、J1歴代最多出場記録を632試合に更新。偉大なる記録達成の瞬間を見逃すことはできない。
清水は名古屋とホームで対戦。開幕戦ではFC東京に完敗を喫したが、ピーター クラモフスキー監督が目指す攻撃スタイルの一端は垣間見えた。新戦力のティーラシン デーンダーが結果を出したのも好材料だ。対する名古屋は仙台と1-1の引き分けに終わった。こちらも新加入の阿部 浩之が結果を出しており、ポジティブな要素は多い。中断期間中にジョーが抜けたのは痛手だが、山﨑 凌吾ら他のFW陣が意地を見せたいところだ。
大分はホームに鳥栖を迎える。開幕戦ではC大阪の堅守を崩せずに0-1と敗れた。シュートの数では上回っただけに、最後の精度が求められる。新加入の知念 慶の出来がカギを握りそうだ。鳥栖は川崎Fの猛攻をしのぎ、スコアレスドロー。敵地で勝点1をもぎ取った。金 明輝監督の下で組織的な戦いを実現できており、本田 風智、松岡 大起ら若手の台頭も光る。梁 勇基、豊田 陽平のベテランコンビの存在もチームに勇気を与える要素となるだろう。
王座奪還を狙う川崎Fはホームで鹿島と対戦。開幕戦ではチャンスを作りながらも決めきれずに、鳥栖と引き分けた。小林 悠が負傷離脱するなか、レアンドロ ダミアンの爆発が求められる。鹿島は広島に0-3と完敗に終わった。ザーゴ監督が就任し、戦力も大きく入れ替わったなか、この中断期間はチーム作りにおいて、前向きに働いたはず。経験豊富な新監督の手腕が、復調のカギとなるだろう。
湘南はホームで仙台と対戦。開幕戦では浦和に敗れたが、積極果敢な戦いぶりは、“湘南スタイル”の復活を思わせた。石原 直樹、福田 晃斗ら新戦力も素早くフィットしており、今節もアグレッシブな戦いが期待できそうだ。仙台は名古屋と1-1のドローに終わった。大黒柱のシマオ マテが負傷離脱したのは痛手だが、中断期間中に加入した西村 拓真が攻撃を活性化させるキーマンとなるだろう。
■各試合の見どころをチェック
横浜FCvs札幌
清水vs名古屋
G大阪vsC大阪
大分vs鳥栖
浦和vs横浜FM
柏vsFC東京
川崎Fvs鹿島
湘南vs仙台
神戸vs広島