一般社団法人日本野球機構(NPB)と公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が連携する「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第10回会議が、22日に開かれた。
会議後にリモートで行われた会見の冒頭では、Jリーグの村井 満チェアマンが19日にプロ野球が開幕したことを受け、「スポーツが我々国民を豊かにしてくれる、活力を与えてくれる。そうした思いを新たにしました。開幕に向けて努力されました日本野球機構、プロ野球各球団の皆様に改めてお祝いを申し上げたいと思います」とメッセージを送った。
専門家チームの賀来 満夫氏も「プロ野球が開幕になったことは一ファンとして嬉しく思っています」とコメント。続けて「ようやく今、船出が始まったところであります。観客のこと、選手の健康管理のこと、まだまだ長丁場ですので、より安全にプロ野球、Jリーグの2つのスポーツが行われていけるようご支援していきたい」と語った。
19日にプロ野球が開幕し、Jリーグも27日にJ2とJ3が再開・開幕。7月4日にはJ1も再開する。「プロ野球とサッカーが開幕・再開のめどが立ち、実際に行われたことは喜ばしい限り」と専門家チームの三鴨 廣繁氏が語った一方で、同チームの舘田 一博氏は「ここからがスタートで、今年1年間のシーズンをいかに安全に、上手い形で運営できるか。プロ野球とJリーグは日本を代表するスポーツ。2つの組織が模範となるようなスタートを切らなければいけない」と、再開後の対応がより重要になってくると話した。
当面は無観客試合(リモートマッチ)で行われるが、政府のイベント開催制限の段階的緩和の目安がステップ3となる7月10日には、有観客(観客数5000人か、収容人数の50%の少ないほう)での試合開催が行われる予定だ。
賀来氏は「感染状況がまだ完全に低下していない事実もあります」としたうえで、「社会全体の経済活動や社会活動が再開となったことと併せて考えていかないといけない。引き続き十分な対策をしっかりと行なっていただきながら、プロ野球、Jリーグ共に観客の方に入っていただく。専門家チームとしてはそういった方向で議論しています」と、見解を述べた。
もっとも、これも今後の状況の変化によって変わっていく可能性もある。
舘田氏は「東京では毎日30、40人くらいの感染症患者さんが見られている。水面下でどういう動きが見られるかはまだ予断を許さない状況。7月10日はあくまでも予定であって、これからの動きを見ながら最終的な決断をしていくのがいい」と述べている。
こうした専門家チームからのアドバイスを受け、NPBの斉藤 惇コミッショナーは「状況を勘案し、政府関係の方々からも7月10日からお客さんを入れながらやっていくことを宣言してもいいという言葉もいただいている。チームの準備もある。よほどのことがない限りは7月10日から観客を入れていくことを宣言してきたいと思っています」とコメント。続いて村井チェマンも「Jリーグも同様の考え方でおります。政府の見解、専門家の先生の意見も踏まえ、準備をして臨みたい」と語った。
有観客試合で重要となるのは、感染拡大を防ぐための新たな応援スタイルの徹底だ。密を避けることはもちろん、手洗い、うがい、マスク、検温などの健康管理も求められてくる。
賀来氏は「選手側もしっかり健康管理している。観客もしっかりと管理を行って、新たな応援スタイルを作ることが、プロ野球やJリーグの選手を応援することにもなる。観客からクラスターが出れば、選手にとっても関係者にとっても、国民全体にとってもショックなこと。そういうことがないように、感染予防対策をしっかりとった新たな応援スタイルを打ち立て、ウィズコロナの時代をみんなで協力して盛り上げていくことが大切」と訴えた。