3連覇を狙った川崎Fだったが、開幕3戦未勝利と、スタートダッシュに失敗。5節から20節まで負けなしを続け上位争いに絡んだが、夏場に入ると調子と落として優勝争いから脱落。4位でシーズンを終え、3連覇の実現は叶わなかった。
代わってシーズンを盛り上げたのはFC東京だ。開幕から12戦無敗で首位に立つと、その後にやや負けが混んだものの大きく調子を落とすことはなく、シーズン終盤まで優勝争いをリードした。開幕から安定した戦いを続けていた鹿島も終始上位をキープし、FC東京を追走。そしてもうひとつ、躍進を遂げたのが、名門復活を狙う横浜FMだった。
2年目を迎えたアンジェ ポステコグルー監督のもと攻撃スタイルを確立させたチームは、序盤こそ勝ち切れない試合が目立ったものの、次第に調子を上げていく。仲川 輝人、マルコス ジュニオール、エジガル ジュニオを中心とした攻撃が冴えわたり、チアゴ マルチンスを軸とした守備も試合を重ねるごとに安定感を増していく。
夏場にエジガル ジュニオが負傷離脱し、天野 純、三好 康児が移籍するも、エリキらを獲得する的確な補強でその穴を埋め、中盤戦以降も調子を落とすどころか、むしろ勢いを増していった。
21節から3連敗を喫するなど厳しい状況に追い込まれる時期もあったが、24節に名古屋に5-1と快勝すると、怒涛のラストスパートを見せる。G大阪、広島を下して3連勝を達成。27節の仙台戦は引き分けに終わったが、その勢いは止まることを知らず、28節から再び連勝をスタートさせ、31節に札幌を下して2位に浮上。翌32節には松本を撃破し、ついに首位に躍り出た。
33節には前年王者の川崎Fを4-1と一蹴。優勝に王手をかけると、最終節に2位のFC東京との直接対決を迎える。両者の勝点差は3で、敗れれば勝点で並ばれるが、得失点差で大きく上回っており、4点差以内での敗戦であれば優勝が決まる優位な状況だった。
大量失点さえしなければよかったが、横浜FMは決して守りに入ることなく、自らのスタイルを貫いた。序盤から攻勢を仕掛け、26分にティーラトンのゴールで先制すると、44分にはエリキが追加点を奪取。最後は遠藤 渓太がダメを押し、3-0の快勝劇で有終の美を飾った。
リーグ最多となる68ゴールを奪った攻撃力が優勝の最大の要因となったが、前年に脆さを見せた守備力の向上も勝因のひとつだろう。ハイプレス・ハイラインによる革新的なスタイルで他チームを文字通り圧倒した横浜FMが、15年ぶり4回目となるリーグ制覇を達成した。
15ゴールを挙げて得点王に輝いた仲川がMVPを獲得。同じく15得点のマルコス ジュニオールもトップスコアラーとなり、同一チームから2人の得点王を輩出する快挙も成し遂げている。
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