2年連続で優勝を成し遂げた鹿島は、2009年シーズンもその実力をまざまざと見せつけた。
浦和との開幕戦を2-0とモノにすると、2節に新潟に敗れたものの、そこから無敗街道をひた走った。3節の広島戦から19節の柏戦まで17試合負けなしを続け、その間の成績は12勝5分。12を数えた勝利のうち9つが1点差勝ちと、鹿島らしいしたたかな戦いで、首位を独走。19節終了時点で2位の新潟に勝点10差をつけ、優勝に向けて突き進んだ。
前年MVPのマルキーニョスが変わらぬ存在感を放ち、興梠 慎三もコンスタントに得点を記録。高卒ルーキーの大迫 勇也も堂々としたプレーで、プロを相手に渡り合った。
ところが20節に広島に敗れ2敗目を喫すると、24節からまさかの5連敗で首位から陥落。29節の磐田戦でも勝ち切れず、首位の川崎Fに勝点1差の2位で残り5試合を迎えた。
もっとも、過去2シーズンでも実証されたように、終盤の底力は鹿島が常勝軍団であり続ける理由だろう。千葉、山形、京都を下して3連勝を達成すると、大分に敗れた川崎Fを下して首位に再浮上。33節のG大阪戦では興梠の2ゴールなどで5-1と快勝。優勝を争うライバルチームに引導を渡した。そして最終節は66分に生まれた興梠のゴールを守り抜き、1-0と浦和に勝利。大観衆が詰めかけたアウェイのスタジアムで、前人未到の3連覇を達成した。
前年に負った大怪我から復帰した小笠原 満男がハイパフォーマンスを続け、最終ラインでは岩政 大樹が抜群の安定感を披露。日本代表でも主力となった内田 篤人は、疲労困憊のなかでも必死にピッチを走り続けた。調子を落とした中盤以降にプレー機会を増やした中田 浩二のいぶし銀の活躍も見逃せないポイントだ。
そして何より称えられるべきはオズワルド・オリヴェイラ監督の優れた手腕だろう。熱い言葉で選手を鼓舞し、コンディション管理に徹底的に気を配る。選手のモチベーションを高め、ポテンシャルを最大限に引き出したそのマネジメント能力こそが、3連覇の最大の要因だっただろう。
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