前年王者の浦和が、2007年シーズンも優勝争いをリードした。開幕6戦負けなしと好スタートを切ると、7節に川崎Fに敗れ初黒星を喫したが、その後は16戦無敗と安定感抜群の戦いを続けた。同じく好調を維持したG大阪をかわして21節終了時点で首位に立つと、以降も着実に勝点を積み重ね、優勝へと突き進んでいく。
一方、オズワルド オリヴェイラ新監督のもとで復権を狙った鹿島だったが、開幕5戦未勝利とスタートダッシュに失敗。一時は15位にまで順位を下げたが、それでも徐々に巻き返し、アジアカップ中断前(第18節)までに4位へと浮上した。
中断明け後は、さらに勢いを加速させていく。イタリアのメッシーナから小笠原 満男が復帰したことが追い風となり、19節から4連勝を達成。もっとも23節にG大阪、25節には名古屋に敗れ、残り9試合の時点で首位の浦和とは勝点10差をつけられていた。
浦和の独走が続く中、鹿島はここから驚異の反攻を見せる。新潟、広島、神戸、磐田を下して4連勝を達成。しかし浦和も連勝を続け、その差をなかなか詰めることができない。
ところが残り5試合でドラマが待っていた。ACLとの両立によるハードスケジュールを強いられていた浦和が、シーズン終盤に突如失速。ACL準決勝後に行われた名古屋戦で引き分けると、アジアを制した後のリーグ戦でも勝利を挙げることができなかった。一方で鹿島は連勝を7にまで伸ばし、32節終了時点で浦和との勝点差は4にまで縮まっていた。
そして33節、鹿島は浦和との直接対決に臨んだ。負ければ終戦となるこの大一番を野沢 拓也の一撃で1-0とモノにすると、勝点1差で迎えた最終節、浦和がすでに降格が決まっていた横浜FCに敗れたのに対し、鹿島は清水に3-0と快勝。残り5試合で10ポイント差を跳ね返す驚異の末脚を見せた鹿島が、奇跡的な大逆転劇で6年ぶりに頂点に立った。
■フォトギャラリー
https://www.jleague.jp/photogallery/g2060/
■2007年鹿島のメンバーはこちら