明治安田生命J2リーグの優勝争いは、再び混沌としてきた。首位を独走していた柏がここへきて2連敗。18試合負けなしで2位に浮上した横浜FCとの勝点差は5に迫っており、3位の山形、ひとつ消化試合の少ない4位の大宮も含め、優勝争いは予想のつかない状況となっている。
よもやの足踏みを強いられる柏は今節、アウェイでの“千葉ダービー”に臨む。横浜FC、水戸と上位対決で連敗を喫したなか、同県のライバル対決を制し、再び勢いを手にすることができるか。前節、3失点を喫した守備の修正がポイントとなりそうだ。対する千葉は前節、長崎に快勝を収め、復調の気配を示す。今季限りでの引退を表明した佐藤 勇人が、最後の“千葉ダービー”で輝きを放てるか。
2位の横浜FCは6位の京都との上位対決に挑む。逆転優勝を狙うためにも勝点3を手にしたいところ。ここ2試合で3得点を記録する草野 侑己が注目選手となる。京都は2試合勝利がない。プレーオフ出場圏内に留まるためには、何より勝利が求められる。前節不発に終わった攻撃陣が意地を見せられるか。
3位の山形は金沢の本拠地に乗り込む。前節は岐阜に快勝を収め、2連勝を達成。2試合連続ゴール中の井出 遥也が、今節もカギを握りそうだ。金沢は3連敗で12位に転落。プレーオフ進出が厳しくなっている。ここ3試合で8失点を喫する守備組織の修正が重要なテーマとなるだろう。
4位の大宮は3連勝中。前節は台風の影響で試合が中止となり、2週間ぶりの一戦となる。直近の3試合で8得点と攻撃陣が好調で、今節もアグレッシブな戦いを演じるだろう。対戦相手の徳島も9戦負けなしと好調を維持する。6位以内を射程にとらえるなか、前節、岡山を撃破した勢いをこの試合にも持ち込みたい。
5位の水戸はホームに町田を迎える。前節は首位の柏に勝利し、勢いに乗る。今節は主軸の前 寛之が出場停止となるが、代わってピッチに立つ選手の奮起が求められる。町田は7試合勝利がなく19位に沈む。ここ5試合中4試合で無得点と、攻撃面に課題を抱えており、今節も苦しい戦いを余儀なくされるかもしれない。
7位の甲府は、アウェイで東京Vと対戦。5試合負けなしと安定した戦いを続けているも、前節は下位の栃木と引き分けた。プレーオフ出場のためにも、これ以上の取りこぼしは許されない。隙を見せた立ち上がりに細心の注意を払いたい。東京Vは前節、琉球に大勝を収め、連敗を3で食い止めた。ハットトリックを達成した小池 純輝のパフォーマンスに注目が集まる。
岡山vs長崎も注目カードとなる。ともにプレーオフ進出の可能性を残すものの、前節は敗戦を喫しただけに、正念場の一戦となる。岡山は2試合連続ゴール中の仲間 隼斗がキープレーヤーに。長崎はここ3試合で7失点を喫する守備の改善を図りたいところだ。
前節の大宮戦が中止となった福岡は、今節はホームに新潟を迎える。直近の3試合は勝ちがなく、ここ2試合は無得点。守備の安定感は備わるだけに攻撃陣の奮起が求められる。対する新潟は7試合負けがなく、現在は3連勝中。レオナルドの活躍が光る一方で、3試合連続完封の強固な守備も光る。6位の京都とは7ポイント差としており、この勢いを保てればプレーオフ進出の可能性もゼロではないだろう。
20位の鹿児島はホームに山口を迎える。前節は町田と引き分け、連敗を5で食い止めた。課題の守備が無失点に抑えたのは好材料で、今節も粘り強い守備を実現したい。山口は3戦負けなしと調子を上げている。前節は上位の京都を下しており、良い流れの中でこの試合を迎えられそうだ。
21位の栃木はホームで琉球と対戦。2試合連続引き分けと、復調の気配を見せる。降格圏からの脱出にあと一歩に迫るなか、勝点3の確保が至上命題となる。琉球は前節、東京Vに5失点の完敗。隙を見せた守備をいかに修正できるかがテーマとなる。
最下位に沈む岐阜は、ホームに愛媛を迎える。6試合勝ちがなく、前節は山形に完敗。得点力に課題を抱えるなか、粘り強い守備を保ち、少ないチャンスをものにする戦いに勝機を見出したい。愛媛は前節、新潟に惜敗。ボールを支配しながらも無得点に終わっただけに、最後の場面のクオリティを高めたいところだ。
■各試合の見どころをチェック
京都vs横浜FC
福岡vs新潟
東京Vvs甲府
大宮vs徳島
鹿児島vs山口
水戸vs町田
栃木vs琉球
金沢vs山形
岐阜vs愛媛
千葉vs柏
岡山vs長崎