明治安田生命J1リーグは27節までを消化し、残りは7試合となった。優勝・残留争いがいよいよ佳境を迎えるなか、個人タイトルの行方にも注目が集まる。例年以上に大混戦となっている得点王を獲得するのは、果たしてどの選手か。
まず今季の得点王レースの傾向を見ていくと、例年に比べて得点の数が少ないことが分かる。2005年以降の27節終了時における得点ランクトップの選手のゴール数を比較したのが、下の表となる。最多は2005年のアラウージョ。7試合を残した時点で30得点を挙げており、最終的に33ゴールを記録している。一方で今季を除けば、2009年の前田遼一(磐田)が14得点と最も少なかったが、残り試合で6得点マーク。最終的に20ゴールを記録し、得点王に輝いている。
今季はその前田よりも少なく、2005年以降では過去最低の数値となっており、得点王のゴール数は20得点を超えないことが予想される。ちなみに過去、最も少ないゴール数で得点王に輝いたのは2010年。前田遼一とケネディ(名古屋)が17得点で並び、揃ってトップスコアラーとなっている。
今季の得点ランクを見ていくと、ディエゴ オリヴェイラ(FC東京)とマルコス ジュニオール(横浜FM)が13得点で並んでトップに立っている。1点差で2人を追いかけるのがダビド ビジャ(神戸)で、11得点はセルジーニョ(鹿島)ら4人、興梠慎三(浦和)ら3人が10得点で追走する。
わずか3点差の中に10人がひしめき合う混戦となっており、最後まで熾烈なレースが続いていくことが予想される。
10人の得点パターンは、まさに十人十色。最も高い決定率を誇るのがオナイウ 阿道(大分)で、最もシュートの数が多いのはダビド ビジャ。横浜FMの仲川 輝人はアシストの数も多く、自身が得点を奪うことだけでなく、味方の生かすプレーも示している。
得点を奪うには、自身のコンディションだけでなく、周囲のお膳立ても求められる。ディエゴ オリヴェイラは永井 謙佑から3つのアシストを受けており、ダビド ビジャは古橋 亨梧とのホットラインが生まれている。セルジーニョは土居 聖真が最多アシストを記録する。エジガル ジュニオは仲川のアシストが最も多く、逆に仲川は遠藤 渓太と好連係を築いている。各パートナーの出来も、得点王レースの行方を左右する大きなポイントとなるはずだ。
過去3年におけるトップ10選手の残り試合での得点数を見ていくと、2016年は7試合で6ゴールを挙げたレアンドロ(神戸)がピーター ウタカ(広島)に追いついて、得点王のタイトルを分け合った。
2017年は小林 悠が驚異の末脚を見せて、大逆転で得点王に輝いた。そして昨季はコンスタントに得点を上積みしたジョー(名古屋)が、パトリック(広島)とのデッドヒートを制している。果たして今季、“最強ストライカー”の称号を手にするのは、果たしてどの選手か。
データ提供:データスタジアム