国際マッチウイークを挟んだ影響などで、9月の明治安田生命J1リーグは、2節のみの開催となった。
首位を独走していたFC東京は、2試合勝利なし。しかもともに無得点と、苦しい戦いとなった。首位の座こそ守ったものの、一時期の勢いは失われており、正念場を迎えている。その首位チームに肉薄するのは鹿島だ。26節の直接対決に快勝を収め、ついに勝点1差に迫っている。27節の札幌戦は引き分けに終わったものの、ここ6試合負けなしと安定した戦いを続ける。逆転優勝に向け、“常勝軍団”が、いよいよ調子を上げている。
3位の横浜FMは、26節に広島との上位対決を制したのが大きい。首位とは4ポイント差に迫っており、逆転優勝を射程にとらえている。
浮上してきたのはC大阪だ。浦和とG大阪を撃破して、連勝を5に伸ばしている。リーグ最少失点の堅守に加え、ここへきて得点力も向上。攻守両面に隙はなく、さらなる浮上も見えている。王者・川崎Fは9月に入っても調子は上がってこない。26節の磐田戦で7試合ぶりに勝利したものの、続く神戸戦では1-2と敗戦。残り7試合で首位とは9ポイント差となっており、3連覇に向けていよいよ厳しい状況に追い込まれている。
C大阪と同じく、9月に2勝を挙げたのは神戸と清水だ。神戸は松本と川崎Fに勝利。ダビド ビジャが2試合連続ゴールを記録しており、復帰した頼れるエースが神戸をさらに高みに導いてくれそうだ。清水は名古屋と湘南を下した。とりわけ直近の湘南戦では、6-0とゴールラッシュを実現。監督交代など今季は苦しい戦いが続いていたが、終盤にきてようやくエンジンがかかってきた印象だ。
名古屋は、26節で清水に敗れると、監督交代を断行。風間 八宏監督の後を継いだのはマッシモ フィッカデンティ監督だ。初陣となった広島戦では粘り強い守備を実現し、1-1の引き分けに持ち込んだ。攻撃スタイルから大きく舵を切ったなか、残り試合でどのような戦いを見せるのか。その手腕に注目が集まる。
その名古屋も含め、11位以下のチームは、今後熾烈な残留争いを繰り広げることになるだろう。復調の気配を示す12位の仙台に対し、13位の浦和、14位のG大阪、15位の湘南は苦しい戦いが続く。とりわけ湘南は、指揮官不在のなかで結果を出せていない。9月も2敗と勝点を積み上げられず、16位の鳥栖とは3ポイント差となっている。このままずるずると引き下がってしまうのか。チーム一丸となってこの苦境を乗り越えたい。
最下位に沈む磐田は、27節に大分を下し、8試合ぶりに白星を手にした。フェルナンド フベロ体制下では初勝利となる。状況は俄然厳しいが、この勝利をきっかけに勢いを取り戻し、逆転での残留を狙う。