23日に行われた明治安田生命J1リーグ第24節の鳥栖vs神戸戦で、超絶プレーが見られた。神戸が2点リードで迎えた22分、自陣で味方からの浮き球パスを受けたアンドレス イニエスタが、そのボールをダイレクトボレーで前方の逆サイドに展開。走り込んだ古橋 亨梧にピタッと通ると、古橋の折り返しを田中 順也が豪快に叩き込み、3点目を奪ったのだ。
そのパスがこちら。
フェルナンド トーレスの引退試合として注目を集めた一戦だったが、イニエスタが魅せたこのワールドクラスのプレーは、多くのファンの心を魅了した違いない。
あれだけの距離をワンタッチパスで通す技術は並大抵のことではない。その距離はなんと70メートル。得点に絡んだワンタッチパス(※アシスト、またはアシストの前に成功したパス)としては、もちろん今季のJ1で最長だった。
2位はC大阪の瀬古 歩夢が記録した67.3メートルで、アシストがついたワンタッチパスとしては最長となっている。ちなみに、「ワンタッチ」という条件を除いても、瀬古のこのパスは今季のJ1における最長パスによるアシストとなっている。
そのパスがこちら。
ワンタッチパスは相手の虚を突き、得点を生み出すプレーとして効果的だが、多くの場合は出し手と受け手の距離が近い状態で出されるもの。下の表は今季のJ1で得点に絡んだワンタッチパスの割合を示したものだが、10~20メートルが42%と、最も得点が生まれる距離となっている。続いて10メートルまでが24.6%、20~30メートルが18.8%と、30メートルまでの距離が全体の85%を占める。30メートル以上はわずか15%に過ぎない。イニエスタが放った70メートルのワンタッチパスは、どれほど稀有なものであったかを窺い知れるデータであり、まさに滅多にお目にかかれない、ワールドクラスのプレーだった。
データ提供:データスタジアム