第22節まで終えた今季の明治安田生命J1リーグで、圧倒的な強さを示しているFC東京。ここまで15勝3分4敗で勝点48を獲得し、2位の鹿島に7ポイント差をつけて首位を独走している。
悲願の初優勝に向けて突き進むFC東京の強さの秘訣とは何か?昨季のデータと比較しながら、その理由を紐解いていく。
下の表は今季22節までと昨季全日程終了時との得点パターンと失点パターンを比較したもの。FC東京が際立って伸ばしているのが、カウンターでの得点だ。昨季から増やした1試合平均得点0.4点のうち、0.29点はカウンターによるもので、とりわけショートカウンターでの得点率を高めている。1試合平均0.32点はリーグトップの数字であり、この攻撃パターンこそが、今季のFC東京の肝となっている。
一方失点パターンを見ていくと、セットプレーからの失点を大幅に減らしていることが分かる。セットプレーでの失点はここまでわずかに2つのみ。このポイントの改善が、リーグ最少の堅守を実現する要因となっている。
優勝に向けて不安があるとすれば、アウェイゲームのデータだ。昨季はホーム、アウェイともにほぼ同様のスタッツだったが、今季はホームとアウェイとの数字に大きな隔たりが生じている。
なかでも得点の数が格段に少なく、得意とするカウンターでの得点がわずかに1点のみ。その原因はボール奪取のエリアに見出せる。アウェイのほうがボールを奪う位置が低くなっており、ショートカウンターを発動させることが難しくなっていると言えそうだ。
FC東京は、ラグビーワールドカップ開催の影響によりホームの味の素スタジアムを使用できず、第24節から第31節までをアウェイで戦うことになる。この過酷なアウェイ8連戦で、どれだけ勝点を積み上げることができるか。アウェイでの得点力をホームと近いレベルにまで引き上げることが、初優勝のポイントとなるかもしれない。
データ提供:データスタジアム