明治安田生命J2リーグは第21節までを消化し、シーズンの半分を終えたことになる。
山形や水戸の躍進が光る一方で、横浜FC、東京V、町田ら昨季の上位陣が苦しい戦いを強いられている。今季も優勝・昇格争いは、最後まで予想のつかない混戦となっていきそうだ。
各チームは、ここまでどのような戦いを見せたのか。主要スタッツで前半戦のパフォーマンスを振り返っていく。
ここまで最多得点を記録するのは山口だ。失点の数はワースト3位のためリーグ戦の順位は15位にとどまっているが、その攻撃スタイルはJ2のなかでも特徴的と言えるだろう。シュートの数も柏に次いで2位と、果敢にゴールに向かう戦いが実現できている。
シュート数でトップの柏だが、得点数は15位で、決定率がリーグで唯一、一桁台となっている。柏はその他にも、ボール支配率で3位、敵陣PA内プレー数で2位、クロス数、スルーパス数はともに1位とほとんどの攻撃スタッツで高数値をはじき出しているものの、得点を奪えないもどかしい戦いが続いている。
3連勝とここへきて調子を上げているものの、1年でのJ1復帰を実現するには、決定力が大きなカギを握りそうだ。
ボール支配率でトップに立つのは京都だ。今季より指揮を執る中田 一三監督のもとで、ポゼッションスタイルが浸透。昨季は19位に低迷したチームが、前半戦を終えて2位と大躍進を遂げている。
一方、首位に立つ山形は、ここまで最少失点を記録する堅守が際立つ。4位の水戸も同様に、堅い守りを武器に前半戦の戦いを乗り切ってきた。
高木 琢也新監督を迎えた大宮も守備型のチームと言えるだろう。被シュート数が最も少なく、相手に隙を与えない戦いを実現している。
J1復帰を目指す長崎は被シュート数が最も多いチームに。失点数が際立って多いわけではないものの、守備面が後半戦に向けた課題となりそうだ。
16位とよもやの低迷を強いられている町田だが、データ上では決して悪い数値を示しているわけではない。敵陣PA内プレー数はトップで、敵陣でのボール奪取数も最多。オフサイド奪取数も1位タイとなっている。高い位置でボールを奪い、エリア内に侵入する回数も多いものの、その積極性が得点に結びつかず、リスクを負う分、失点が増えている現状が浮かび上がっている。
昇格チームの琉球は得点数がリーグ3位と、J3時代からの攻撃サッカーを今季も体現している。鹿児島も攻撃スタッツは悪くはないものの、両チームともに失点数を減らすことが後半戦のテーマとなりそうだ。
データ提供:データスタジアム