明治安田生命J1リーグは17節までを消化し、シーズンの折り返し地点を迎えた。ACL参戦の4チーム(鹿島、浦和、川崎F、広島)は一つ消化試合が少ないものの、その他の14チームは一回りの対戦を終えたことになる。
果たして、各チームはここまでどのようなパフォーマンスを見せているのか。各種スタッツで今季の前半戦を振り返っていく。
各項目で高い数値をはじき出したのは横浜FMだ。「得点」「シュート数」「ボール支配率」「クロス数」「スルーパス数」と攻撃部門の6つのうち、5部門でトップに立った。また「走行距離」「スプリント回数」もトップを記録。リーグ最多得点を記録する攻撃スタイルは、底知れぬ走力によって成り立っていることが分かる。
「得点」で2位の神戸、3位の名古屋も、攻撃のデータでは軒並み高い数値を記録。5位タイの川崎Fも含め、いずれのチームも高いボール支配率を誇っているのが特徴的と言えるだろう。
一方でここまで首位を独走するFC東京は、「ボール支配率」の15位をはじめ、攻撃データは総じて低いものの、「得点」は5位タイ。その得点力を支えているのが「スルーパス」で、ボール支配では譲りながらも、相手の裏を取る縦パスをゴールに結びつけていると考えられる。
守備の項目を見ていくと、「失点」「被シュート数」で川崎Fがトップに。昨季もリーグ最少失点を記録した王者が、今季も安定した守備を実現している。
面白いのは敵陣での「ボール奪取数」だ。1位の名古屋、2位の横浜FM、3位の川崎Fは「ボール支配率」でも上位に名を連ねるチームである。つまり敵陣でボールを奪い、相手陣内でボールを回す、いわばハーフコートマッチに持ち込みたいという狙いの表われだろう。
もっともリスクを負ったこのスタイルは、ピンチと表裏一体でもある。名古屋と横浜FMがある程度失点が多いのは、致し方ない面でもあるのだろう。
しかしこの2チームとは対照的に、川崎Fは「失点」が最も少ない。これは「オフサイド奪取数」に起因するかもしれない。
横浜FMと名古屋は高いラインを保ち多くのオフサイドを取っているのと比べ、川崎Fのその数は多くない。敵陣でボールを回しながらも、守備時にはしっかりとラインを下げ、裏を取らせない守備を徹底していることが窺える。このリスクマネジメントの意識が高さが、川崎Fの強さの秘訣なのかもしれない。
データ提供:データスタジアム