明治安田生命J2リーグは、シーズンの3分の1にあたる第14節までを消化。山形、水戸の躍進が光る一方で、町田、福岡ら昨季の上位陣が苦戦を強いられている。柏と長崎の降格チームも思うように勝点を伸ばせないなか、波乱含みの序盤戦となった。
下の表は、2018シーズンと2019シーズンの第14節終了時点での各チームのスタッツを比較したもの(※柏と長崎の2018シーズンはJ1での数値。琉球と鹿児島はJ3での数値)。「勝点」「ショートカウンター」「ロングカウンター」「ポゼッション」の4項目から、各チームのスタイルの変化を読み取っていく。
まず「勝点」の項目を見ていくと、山形と水戸が昨季からの大幅アップを実現。高木 琢也新監督を迎えた大宮も、スタートダッシュに躓いた昨季よりも8ポイントも多く獲得している。この3チーム以上に際立つのは京都だ。前年比で14ポイントの上積みに成功。中田 一三新監督の下で、近年の低迷を払しょくするような力強い戦いを見せている。
「ショートカウンター」は、全体的な傾向としては昨季と大きな変化は生まれていない。柏がずば抜けて増えているのは、監督が代わったことに加え、リーグが変わったことも影響しているだろう。上位の山形と水戸が、ともにその数を増やしている一方、苦戦が続く山口と町田が減少しているのは興味深いポイントと言える。
「ロングカウンター」は、こちらも柏が大幅に増えているものの、全体的には減少しているチームのほうが多い。なかでも東京Vと甲府は30回近くもその数を減らしており、スタイルの変化が顕著となっている。
「ポゼッション」を見ると、愛媛の増加が際立つ。愛媛は「ショートカウンター」「ロングカウンター」の数をともに減らしている一方で、「ポゼッション」は140回近く増やしている。これは昨季途中に監督が代わったことが大きく影響しているが、「勝点」の数も増えていることを考えれば、「ポゼッション型」への移行が奏功していると捉えていいだろう。京都にも同様の傾向が見えており、ボールを大事にするスタイルが両チームに好転を生み出していると言えそうだ。
データ提供:データスタジアム