明治安田生命J2リーグは4月に5試合を消化。開幕から無敗を続ける水戸が首位に立っている。
ここまでわずか4失点の堅守を武器に、水戸の快進撃は止まらない。4月は2勝3分と勝ち切れない試合も目立ったが、隙を見せない戦いぶりで着実に勝点を積み重ねている。1点差勝負をものにする粘り強さも示しており、今後も上位争いを演じていくはずだ。
2位の山形も好調を維持する。開幕戦で敗れて以降、負けなしを続けていたが、第10節に山口に惜敗。それでも次節の福岡戦では勝利をものにしており、嫌な流れを引きづらないのも躍進の要因だろう。こちらも守備の安定感があるだけに、大崩れすることはなさそうだ。
4月に最も勝点を獲得したのは大宮だ。4勝1分と無敗で乗り切り、13ポイントを加算。スタートダッシュに出遅れたものの、一気に上位争いに顔を出してきた。高木 琢也監督が求めるスタイルが浸透し、とりわけ守備面に特長が生まれている。元々地力を備えたチームなだけに、今後は昇格レースを牽引する存在となっていきそうだ。
開幕から無敗を続けていた甲府は第9節の水戸戦に敗れ、今季初黒星。それでもその後は再び負け知らずで、上位争いに踏みとどまっている。もっともここ数試合は得点力に陰りが見えているだけに、相手の対策を上回るオプションが求められてきそうだ。
柏も得点力不足が深刻だ。4月は1勝4分と負けなしだったが、第9節からは3試合連続でスコアレスドローに終わっている。守備を固める相手をいかに崩していくのか。J2の戦いにおける重要なテーマをクリアできないでいる。この状況を乗り越えられないようだと、1年でのJ1復帰が遠ざかることになるかもしれない。
金沢は躍進を遂げている。4月は3勝1分1敗と好成績を残し、6位に順位を上げている。リーグ最多得点を誇る攻撃力が保たれれば、さらなる浮上も見えてくる。一方、3月まで首位に立っていた琉球は、4月に入り失速。3分2敗と勝利を手にできなかった。特長である攻撃サッカーが相手の対策を受け、5試合で3得点と結果を出せなかった。それでも主導権を握る戦いは展開できており、最後の場面をいかに崩していくかが、復調のためのテーマとなるだろう。
1年でのJ1復帰を目指す長崎は、ようやく調子が上がってきた。スタートに躓いたものの、4月は2勝2分1敗で勝点8を加算し、10位に順位を上げている。8節からの3試合で9得点を奪うなど、攻撃陣が調子を上げているのは好材料。守備の安定感も高まっており、上位進出の予感を漂わせている。
新潟は片渕 浩一郎監督を解任し、第10節から吉永 一明監督が指揮を執る。もっとも新体制発足以降は2戦2分と大きな変化は生まれていない。それでも課題だった守備面に安定感が生まれており、試合を重ねていくなかで、好転していく可能性はあるだろう。
そのほか、東京V、福岡、千葉といった実力チームはいまだ調子が上がってこない。深刻なのは岐阜で、4月は1分4敗と結果を出せなかった。とりわけ5試合でわずか1得点の攻撃面が大きな課題で、このテーマを解消できないようだと、浮上の可能性は見出せない。
昇格組の鹿児島は最下位に沈む。それでも第10節に琉球を下して開幕以来の勝利を手にすると、第11節は粘り強い戦いを演じ、長崎と引き分けた。復調の気配を漂わせており、今後の巻き返しが期待される。
明治安田生命J2リーグ結果(4月)