明治安田生命J1リーグは4月に第6節から9節までの4試合を消化。4連勝を達成したFC東京が、単独トップに躍り出ている。
チームを牽引するのは4試合で5得点を記録したディエゴ オリヴェイラだ。永井 謙佑との強力2トップが機能し、ゴールを量産。久保 建英を含めた攻撃陣の好調ぶりが、躍進の要因となっている。
2位の名古屋も開幕からの勢いを保っている。第6節に鹿島に敗れたのは痛手だったが、第8節の磐田戦、第9節の広島戦で連勝を達成。ともに無失点で終えており、今季は持ち前の攻撃力だけでなく、守備の安定性もこのチームの特徴となりつつあるようだ。
広島は開幕からの無敗を続け、一時は首位に立ったものの、第8節にFC東京との無敗対決に敗れると、第9節でも名古屋に惜敗。2連敗と勢いに陰りが見えている。もっとも守備の安定性は保たれており、チャンスも作れている。好機を確実にものにするストライカーの存在が求められてきそうだ。
昇格組の大分は、躍進が続いている。4月は2勝2分と負けなしで乗り切った。藤本 憲明だけでなく新加入のオナイウ 阿道にも当たりが生まれてきており、さらなる浮上も十分に狙えるだろう。
王者・川崎Fはようやくエンジンがかかってきた。4月は3勝1分で勝点10を獲得。知念 慶のブレイクが復調の要因となっており、小林 悠ら他の攻撃陣に刺激を与えている。終了間際の失点が続いていた守備にも安定感が生まれており、今後さらに加速していきそうな気配だ。
浦和も3連勝と調子を上げている。際立つのは3試合連続完封中の堅守だ。相手に隙を与えない戦いを続けており、エースの興梠 慎三が調子を上げているのも好材料。大崩れしそうもないだけに、このまま上位争いに食い込んでいきそうだ。
3月は苦しんだ札幌も、4月に入りV字回復。3連勝で7位に順位を上げている。チャナティップ、アンデルソン ロペスら前線のタレントが好調を維持しており、守備面でも安定感が生まれつつある。5月以降の急浮上にも期待が持てそうだ。
一方で苦戦が続いているのが神戸だ。第7節に広島に敗れると、監督交代を断行。フアン マヌエル リージョ監督の後任に吉田孝行監督を迎えたが、新体制発足後も浦和、川崎Fに連敗を喫し、復調のきっかけをつかめていない。ボール支配で勝る戦いを続けながらも、決定力にかけ、あっさりと失点を許すシーンも目立つ。吉田監督は守備組織の構築に定評があるだけに、まずはそのポイントを修正し、目に見える結果を手にしたいところだ。
大阪勢も元気がない。C大阪は、4月は2分2敗と勝利がなかった。4試合でわずか1得点の攻撃面のテコ入れが求められてきそうだ。一方のG大阪は1分3敗。こちらは4試合で7失点を喫した守備面の修正が復調のためのテーマとなるだろう。
磐田は3連敗で17位に沈む。第7節の静岡ダービーに敗れたのが痛手で、その後も名古屋、札幌に競り負けた。先手を奪われる戦いが目立つだけに、まずは失点を与えない戦いを展開したいところだ。
最下位の鳥栖は、さらに苦しい状況に置かれている。4月は4戦4敗で、ひとつのゴールも奪えなかった。フェルナンド トーレス、金崎 夢生ら前線にタレントを備えながらも得点を奪えない状況は深刻で、早くも緊急事態に陥っている。悪い流れを断ち切るためにも、大胆な改革が求められてきそうだ。