今季の明治安田生命J1リーグにおいて、昨季との大きな変化の一つに挙げられるのが、外国籍選手枠の拡大だ。昨季までは1チームあたり最大5人の登録が認められ、試合に出場できるのは3人まで。ここにアジア枠が1つ加わり、タイ、ベトナムなどの提携国枠は外国籍選手扱いとはならなかった。
今季からはアジア枠がなくなった一方で、外国籍選手の登録は無制限に。1試合で最大5人の出場が可能となり、提携国枠は昨季同様の扱いとなっている。つまりアジア枠を考えれば、実質的に外国籍選手の出場枠は1つ増えたことになる。
このレギュレーションの変更を有効活用しているのは、どのチームか。今季第8節までの外国籍枠での出場試合数を表したのが、下の表となる。
最も多かったのは神戸だ。1試合あたり4,9人の外国籍選手がピッチに立っている。アンドレス イニエスタ、ルーカス ポドルスキら昨季からの主力に加え、今季はダビド ビジャ、ダンクレー、セルジ サンペールと実力者を補強。開幕戦を除く7試合で、5枠をすべて活用している。
2位は名古屋とC大阪の4.3人で、12位の清水までが1試合平均3人以上の外国籍枠を活用していることが分かった。
今季のリーグ平均はちょうど3人で、昨季の通年平均を0.5人上回る結果となっている。
一方で0,6人のマイナスとなった清水をはじめ、川崎F、湘南の3チームは昨季よりも外国籍選手の出場試合数が減少。昇格組の松本と大分はレギュレーションが異なるため昨季の数値を算出できなかったが、今季の数値は松本が2.8人、大分にいたっては0人という結果となった。
大分ではタイ出身のティティパンが6試合に出場しているものの、提携国枠のために外国籍枠には含めていない。それ以外は日本人選手で賄っている状況だ。
その大分が4位と躍進を遂げ、平均以下の広島と川崎Fも上位に顔を出している。一方で外国籍選手枠の試合数が多い神戸やC大阪は中位以下に低迷している。外国籍枠の拡大によってチーム内の競争が活性化されるなど様々なメリットが存在する一方で、その割合と順位が必ずしも比例するものではないことも確かだろう。
データ提供:データスタジアム