今季も混戦の予感を漂わせる明治安田生命J2リーグは、今週末に第9節が開催される。
8節を終えて首位に立つのは、山形だ。開幕戦で黒星を喫したものの、その後は7戦負けなし。前節は東京Vを下して、勢いを加速させている。ここまでわずか4失点の堅守を軸に、隙のない戦いを実現。鋭いカウンターからゴールに迫るスタイルで、着実に勝点を積み重ねている。今節はアウェイで新潟と対戦。こちらも徐々に調子を上げているだけに、質の高い攻防が繰り広げられそうだ。
今節の注目カードは2位の甲府と3位の水戸の直接対決だ。お互いに4勝4分で無敗をキープ。甲府は13得点を記録する攻撃が売りで、一方の水戸はわずか3失点の堅守に強みがある。お互いに持ち味は異なるが、そのストロングポイントを発揮できたほうに、勝利は近づくだろう。
4位の柏はホームに栃木を迎える。前節は終了間際に追いつかれ、琉球と引き分けに終わった。開幕当初の勢いが消えつつあるなか、上位に食らいついていくためにも目に見える結果を手にしたい。一方の栃木は2連敗と調子は下降気味。2試合連続で複数失点を喫している守備の修正を図りたいところだ。
琉球は東京Vの本拠地に乗り込む。ここ4試合は白星から見放されており、巻き返しの一戦となる。開幕からコンスタントに結果を出している上門 知樹にかかる期待は大きい。東京Vは前節山形に敗れ、4試合ぶりの黒星を喫した。リードを守り切れなかった後半の戦い方が、ポイントとなりそうだ。
6位の金沢はアウェイで京都と対戦。現在3連勝と好調を維持しており、そのすべてを無失点で抑えている。リーグ2位の14得点を記録する攻撃陣も好調で、さらに勢いに乗っていきそうな気配だ。一方の京都も状態は悪くない。前節は栃木に競り勝ち、8位に順位を上げている。その試合で2ゴールを奪った一美 和成が今節も重要な役割を担いそうだ。
3連勝と調子を上げてきた大宮は、ホームに横浜FCを迎える。守備の安定が図られてきた一方で、得点力も向上。高木 琢也監督が求めるスタイルが、徐々に形になってきている印象だ。対する横浜FCも、ここ2試合は負けなしと復調の気配を示す。前節、スタメン出場を果たした三浦 知良は今節もピッチに立つのか。その起用法も含め、注目の一戦となるだろう。
福岡はホームに町田を迎える。前節は横浜FCに勝ち切れなかったが、開幕当初の不調からは脱した印象だ。加入後早くも3得点を決めているヤン ドンヒョンの出来が、今節も大きなカギを握りそうだ。町田はここ2試合勝ちがなく、なかなか調子が上がってこない。守備に安定感が生まれてきているだけに、攻撃陣の奮起が求められるだろう。
岐阜はホームで長崎と対戦。ここ5試合勝利がなく、19位に転落。この間、わずか1得点しか挙げられていない攻撃面のテコ入れを図りたいところだ。長崎も3試合勝利から見放されている。それでも前節は終了間際に追いついて、山口と引き分けた。その試合で2ゴールを奪った玉田 圭司にかかる期待は大きい。
千葉はホームに岡山を迎える。監督交代後に2連勝と調子を上げていたが、前節は金沢に惜敗。守備の安定は図られているだけに、攻撃面に勢いを生み出したいところだ。岡山は3試合勝利がない。前節は2点のリードを守り切れずに新潟とドロー。失点の数を減らすことが巻き返しのポイントとなる。
徳島vs愛媛の四国ダービーも今節の注目マッチとなる。徳島は4試合負けがなく、一方の愛媛も前節は岐阜に快勝を収め、状態を上げている。お互いに現状は中位にとどまっているが、このライバル対決をものにして、浮上のきっかけを見出したい。
山口vs鹿児島は21位と22位の対戦となった。山口は5試合勝利がなく、鹿児島は開幕以来、白星から見放されている。両者ともに状況は苦しいが、まだまだシーズンは始まったばかり。このままずるずると引き下がらないためにも、勝利という良薬を手にしたいところだ。
■各試合の見どころをチェック
東京Vvs琉球
新潟vs山形
福岡vs町田
大宮vs横浜FC
甲府vs水戸
岐阜vs長崎
京都vs金沢
千葉vs岡山
柏vs栃木
山口vs鹿児島
徳島vs愛媛