先週末に開幕した明治安田生命J1リーグにおいて、大きなトピックの一つになったのが大分の戦いぶりだろう。昨季のアジア王者を2-1で撃破する大金星を挙げ、今季の躍進を予感させる一戦となった。
昇格チームは例年、苦戦が予想されるが、開幕戦のパフォーマンスによってその評価が大きく変わるケースもある。では、開幕戦の結果がシーズンの成否にどのような影響を与えるのか。過去のケースを振り返り、開幕戦の結果とシーズン最終順位の因果関係を探ってみた。
サンプルとしたのは、18チーム制となった2005年から昨年までの14年間で、延べ40チームの開幕戦結果と、最終順位を表したのが下の表だ。
昇格チームの開幕戦の通算成績は、10勝11分19敗で、大きく負け越している。ただし、その内訳をみると、面白い結果が導き出された。開幕戦に勝利した10チームは、いずれも16位以下になっていない。つまり、J1残留を成し遂げているのだ。
この例を踏まえると、今季、開幕戦で鹿島に勝利した大分は、J1に残留できるということになる。一方で引き分けの場合は、11チーム中5チームが最終順位で16位以下に。敗れた場合は19チーム中11チームが16位以下になっている。
また、スコア別の観点で見ていくと、失点の数が最終順位に影響を及ぼしている。開幕戦で無失点の場合は、9チーム中4チームが6位以内となった。逆に2失点以上を喫した場合は、18チーム中11チームが16位以下という結果になった。
昇格チームの対戦相手は、磐田が7試合と圧倒的に多く、松本と対戦した今季も含めれば、8試合となっている。
過去の7試合の成績は、昇格チームから見て3勝3分1敗で、16位以下となったのは唯一の敗戦となった2011年の甲府と、引き分けに終わった2006年の福岡と2012年の札幌の3チーム。今季、その磐田と対戦した松本は1-1のドロー決着となったが、果たしてその運命は、いかに。
データ提供:データスタジアム