2019年度 第1回Jリーグ理事会 定時会見録について
2019年1月24日
〔司会より〕
本年もよろしくお願いいたします。本日の理事会におきまして、決議事項は4件、報告事項は2件ずつです。
《決議事項》
1.実行委員選任の件(浦和・町田・岩手)
浦和レッズは、淵田敬三氏から立花洋一氏へ、FC町田ゼルビアは、下川浩之氏から大友健寿氏へ、いわてグルージャ盛岡は菊池賢氏から宮野聡氏へ、実行委員を変更することを承認いたしました。
関連プレスリリース
https://www.jleague.jp/release/post-57665/
2.2019シーズンのビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)導入の件
今シーズンは、下記試合において、最大14試合の導入が対象になりました。
・ルヴァンカップ プライムステージ 全13試合(準々決勝、準決勝、決勝)
・J1参入プレーオフ1試合(決定戦)
※J1参入プレーオフの1回戦、2回戦においては追加副審(AAR)を導入
関連プレスリリース
https://www.jleague.jp/release/post-57674/
3.2019シーズン Jリーグパートナー新規契約の件
Jリーグのトップパートナーとして、新たにいちご株式会社様が決定いたしました。詳細はリリースをご覧ください。長谷川社長様のコメントも掲載しております。
関連プレスリリース
https://www.jleague.jp/release/post-57680/
4.2019マッチコミッショナー選任の件
一覧表にまとめましたので、資料をご確認ください。
関連プレスリリース
https://www.jleague.jp/release/post-57670/
[報告事項]
1.2019担当審判カテゴリーの件
一覧表にまとめましたので、資料をご確認ください。
関連プレスリリース
https://www.jleague.jp/release/post-57688/
2.スタジアム登録名変更の件
大分トリニータがホームスタジアムとして使用しております「大分スポーツ公園総合競技場」の施設命名権を昭和電工株式会社と締結しました。2019年3月1日より昭和電工ドーム大分(昭和電ド)に変更。契約期間は5年間です。
関連プレスリリース
https://www.jleague.jp/release/post-57659/
〔村井チェアマンのコメント〕
皆さん、こんばんは。2019年もよろしくお願いいたします。昨年は、ワールドカップイヤーということで、通常の試合開催が大幅に中断し、また自然災害が数多くあった中で、昨年皆さまにもご協力をいただき、2018シーズンのJ1、J2の入場数を超えることができました。今年度も気持ちを新たに頑張っていくつもりでございます。よろしくお願いします。
19年度、第1回目の理事会を終えました。2月22日(金)のリーグ開幕に先立って、2月16日の富士ゼロックススーパーカップ、2月14日(木)にはキックオフカンファレンスがございます。いよいよスケジュールが発表され、シーズンが始まります。
今回の理事会では、2030年に向けた全体のビジョンを議論いたしました。それぞれの領域ごとに重点項目などを整理しての議論となりました。本年度は育成に相当の注力をし、シフトしていくことを重点項目の中で掲げておりますが、将来の日本を担うような選手をしっかりと育てられるように、いろいろな意味でスピードをあげていきたいと思っております。おいおい内容などについては発表できるようにと思います。
〔質疑応答〕
Q:VARについて、今年度は14試合で導入とのことですが、J1リーグ戦はいつくらいから導入するつもりか、目途があったら教えてください。
A:村井チェアマン
FIFA・IFABの定めるVAR育成トレーニングの規定に基づいて、要件を満たす審判員を育てなくてはいけないので、まずはルヴァンカップのプライムステージからということで今年度中は難しい状況です。来年以降については、トレーニングの経過を受けたうえで判断していきたいと思います。
実際VARを実践するにあたっても、レフェリーのトレーニングだけでなく会場の通信具合などのインスペクションも重要で、J1全スタジアムに広げていく、もしくはそれに見合ったVAR育成トレーニングがどのくらいのスピードで進んでいくかは、今年度の推移を見極めたうえでボリュームをコントロールしていきたいと思っています。
育成に関しては多額の予算を投じなくてはいけないので、予算措置も併せて、リーグ戦においては来年以降どのようにしていくか見極めていく1年になります。
【黒田フットボール本部長より補足】
今の村井チェアマンの発言をまとめますと、
1 審判員のトレーニング(FIFA、IFABの認可をとる)
2 スタジアムでのテスト(FIFA、IFABの認可をとる)
3 予算措置
以上の3点を今後クリアしなくてはいけないことになります。
ルヴァンカップのプライムステージ、J1参入プレーオフで実施したVARの効果の検証も同時に必要かと思います。
Q:
①VARについて、2019年度の予算はどのくらい必要になるのか。
②新規トップパートナーのいちご株式会社は、会社の業態を把握していないが、Jリーグへのかかわりは、単なる協賛としてのスポンサーシップにとどまらないかかわりを考えているのかを教えてください。
A:村井チェアマン
①VAR予算について
予算項目の個々の項目までは開示していませんので、正式な情報はお伝え出来ません。
A:黒田フットボール本部長
VARの費用は審判関連の項目に含まれているので、明細は公表していません。
②いちご株式会社について
いちご株式会社は東証一部上場の不動産事業をしている会社です。不動産の中でも、不動産投資信託、J-REITという領域を担う会社です。その他に、太陽光発電などのクリーンエネルギーを扱う会社で、資本金268億円、売上586億円、純利益160億円という、上場している信頼性の厚い会社と認識しています。
Jリーグとのかかわりとしては、今後、Jリーグの成長に必要な大きな項目としてスタジアム、クラブのホームタウンの地域開発、スポーツ関連施設の開発といった広範囲にわたる不動産、不動産投資の知見が今後のJリーグにとって非常に重要な要素だと認識しています。
そうした専門家をパートナーに加えることで、社会連携の領域で地域を、スポーツを通じて活力のある社会に変えていくかにという領域において、どうしても必要だった、我々にとってのピースと申し上げると大変申し訳ありませんが、大きく不足していた知見だったため非常に心強く思っています。
いちご様は、社名の由来が一期一会という、一つの出会いを大切にされている会社で、スポーツについても造詣が深い会社です。
オリンピック種目でもあるウエイトリフティングの三宅宏実選手を社員として擁し、その他、ライフル射撃、陸上など、2020年のオリンピック候補選手として7名くらいの社員を抱えており、スポーツに真剣に投資されていらっしゃいます。
資料の写真にある通り、石原取締役はいつもスポーツウェアを制服として着られていて、それをオフィシャルなスタイルとされています。
全社員スポーツを大事にする気風にあふれていて、私は2度ほどお会いしていますが、Jリーグの不動産関連のビジョンを描いていきましょうという話をしています。
【広報部長より補足】
東証一部に上場している会社となりますので、いちご株式会社で調べていただきますと情報開示が進んでいます。最新では2018年2月の決算が開示されていて、先ほど申し上げた数字も2018年2月の数字です。
Q:
①育成にシフトするという点について。現時点で言える範囲、お考えになられていることは。
②日程が発表されましたが、ラグビーワールドカップの影響でいびつになっているかと思います。競技の公平性で議論があったと思いますが、チェアマンのお考えは。
A:村井チェアマン
①育成について
PUBレポートで昨年お伝えしている部分もありますが、Jリーグが世界水準のリーグになるために、選手のみならず指導者が国際経験を積んで、選手を引率して1週間、2週間海外に滞在するのではなく、1年のタームで外国人を指導するといった本格的な国際経験を積む指導者を育成できるか。
昨年3名、のべ7名、54クラブ中7名派遣してまいりましたが、指導者の海外派遣に力を入れていきます。
そして、海外から本格的な指導者を招聘することも必要だと考えています。
Head of Coachingと申していますが、指導者の指導者をJリーグがクラブのアカデミーダイレクターなどに指揮をとれるように 、指導者のレベルアップ、国際化を加速していきたいと考えています。
代表選手をJFAが海外に派遣していますが、クラブ単位でも2015~18年の4年間で4,000名以上がチーム単位で海外に行っています。指導者の指導者(の招聘など)、全体的な底上げをはかっていきたいと考えています。
具体的な中身を追ってお伝えできればと考えています。
②日程について
ラグビーのワールドカップがある関係で、特にFC東京のようにアウェイが連戦することもございますが、リーグとしてぎりぎりまでクラブがしっかりしたホームスタジアムでどれだけ開催できるか。アウェイの連戦が発生しますが、クラブと十分協議を重ねたうえで合意して着地している、ぎりぎりの調整だったと認識しています。
ある意味で、例年よりホーム・アウェイの連戦がありますが、ホームタウンをベースとした戦いが展開されますので、大きく公平性を損ねるということに関してはクラブ側の認識と齟齬が無いと認識しています。
Q:VARについて確認です。カメラの性能については、画素数など、どれくらいの基準を必要としているのでしょうか。またVARのトレーニングの取り組みに関して、人数、回数、時間などについて教えてください。
A:村井チェアマン
VARに導入する機材はFIFAの認定を受けている機材を使用しております。
A:黒田フットボール本部長
画素数は、試合中継の映像をVARのシステムに引き込みますので、JリーグではDAZNでご覧になっているレベルがVARのオペレーションルームにも入ってきます。そのレベルがあれば問題ございません。
Q:4Kに対応するカメラでしょうか?
A:黒田フットボール本部長
試合中継で使っている映像であればOKです。
A:村井チェアマン
Jリーグの公式映像は、必要に応じて4Kを入れますが、通常は入れておりません。通常の試合中継における映像(のレベル)で問題がないと考えています。スイッチングなど、映像での確認を実施するにあたり、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)が複数のカメラ映像から抽出したり、判断したりする機材については、FIFAの認可を得たシステムと限定されています。そこに引き込むフィードは通常のJリーグの映像であれば問題ないと認識しております。
A:黒田フットボール本部長
1年目は18名のJ1担当審判員をトレーニングいたしました。このトレーニングを行いませんと、FIFA・IFABからOKが出ませんので、皆さん、これと同様のトレーニングをしていただきます。2年目となる今年につきましては、将来、対応・導入する試合数を増やす場合は、よりトレーニングをしていかなければなりませんので、40人以上のトレーニングを計画しております。頻度は、多少前後はございますが2月~12月で開催し、1度にトレーニングする数が3倍くらいになっておりますので、試合数も増やしてトレーニングしていくようにしております。
Q:18年ベースではどのくらいの実施時間だったのでしょうか?
A:黒田フットボール本部長
それぞれのトレーニング期間は1泊2日、2泊3日の合宿形式です。大会によっても違いますが、例えば、12月に行いましたインターナショナルユースカップでは、大会期間が5日間でしたので、
5日間を2組に分けて合宿をしております。大会や試合数で異なりますが、1泊2日、2泊3日の研修形式で実施をしてきました。