今季の明治安田生命J1リーグも、残すところ1試合。12月1日に最終節となる第34節が開催される。
最終節の注目は、3位までに与えられるACL出場権争いと、残留争いとなる。
ACL出場の可能性を残すのは、2位の広島、3位の鹿島、4位の札幌の3チーム。一方で残留争いは、すでに長崎と柏の自動降格が決定。J1参入プレーオフに回る16位となる可能性があるのは、16位の名古屋、15位の鳥栖、14位の湘南、13位の磐田、12位の横浜FMの5チームとなっている。
したがって最終節は、この8チームにとって運命を大きく左右する戦いとなる。面白いのは札幌と広島のACL争い直接対決、名古屋と湘南の残留争い直接対決が行われること。また目的は異なるとはいえ、鹿島と鳥栖のカードも組まれており、いずれの戦いも白熱した展開となるのは間違いないだろう。川崎Fと対戦する磐田、C大阪に挑む横浜FMも含め、今回は最終節の注目5カードの前回対戦のデータを紐解き、その戦いを展望していく。
まず札幌と広島の前回対戦は、開幕戦で行われ、ホームの広島が1-0で勝利した。もっともデータ上では札幌が押し込んだ試合だった。支配率やクロス数、ドリブル数など攻撃スタッツのほとんどで札幌が上回っている。一方で広島は敵陣空中戦回数とその勝率では勝った。最前線のパトリックの高さを生かした攻撃が、最終節でもカギを握りそうだ。
鹿島と鳥栖は第4節で対戦し、アウェイの鹿島が1-0で勝った。しかし決勝点は現在鳥栖に所属する金崎夢生が決めたもので、運命めいたものを感じずにはいられない。試合は、早い時間帯に失点した鳥栖が、その後に巻き返し攻勢を強めたが、鹿島が粘り強い守備でしのいだ展開になったことが、データ上からも読み取れる。果たして今回は、いかなる決着を見るのか。
勝点40で並ぶ名古屋と湘南は、前回対戦でも互角の戦いとなった。攻撃力に勝る名古屋がボールを支配し、湘南が耐えしのぐ構図となったが、お互いに決め手を欠いてスコアレスドローに。今回は引き分けであれば、順位で上回る湘南の残留が決まり、名古屋は苦しい状況に立たされる。前回と同様の展開が予想されるなか、名古屋とすれば湘南の激しいプレスをいかにかいくぐれるかがポイントとなりそうだ。
J1第34節注目カードの前回リーグ戦での対戦データ
磐田は前回対戦で、川崎Fに完敗。前半のうちに3点を奪われる苦しい展開に陥った。後半に攻勢を仕掛け、互角以上の戦いを演じたが、余裕を持って試合を進める川崎Fの牙城を崩せずに無得点。数で上回ったドリブルやクロスを効果的に活用し、川崎Fの隙を突いていきたいところだ。
横浜FMは山中亮輔のゴールで先制しながら、終盤に追いつかれ1-1で引き分けた。攻撃スタッツのほとんどで上回りながら、PA内侵入回数が少なく、追加点を奪えなかったことが勝ちきれなかった要因に。支配率の高さを、いかにシュートチャンスにつなげられるかが、大きなテーマとなりそうだ。
データ提供:データスタジアム