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鳥取・松本 翔はサッカー界屈指の“料理男子”。「料理×アスリート」の新しい形とは?【ピッチでは見せない別の顔:松本 翔編】

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2018年11月29日(木) 11:30

鳥取・松本 翔はサッカー界屈指の“料理男子”。「料理×アスリート」の新しい形とは?【ピッチでは見せない別の顔:松本 翔編】

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鳥取・松本 翔はサッカー界屈指の“料理男子”。「料理×アスリート」の新しい形とは?【ピッチでは見せない別の顔:松本 翔編】
選手の新たな一面を発信する連載の第4回目は鳥取の松本 翔選手。サッカー界屈指の“料理男子”。「料理×アスリート」の新しい形とは?

普段から手作りした料理の写真やレシピを自身のSNSに投稿するだけでなく、アスリートフードマイスターの資格ももち、「料理×アスリート」という新しいアスリート像を発信し続けている、ガイナーレ鳥取の松本 翔選手。

今年、Jリーグが企画した選手参加型のレシピコンテスト「もうひとつのルヴァンカップ」でも、自身が考案したレシピが2位に入るなど、サッカーファンの間では“料理男子”として知られている。今回、松本選手にはオリジナルレシピを披露してもらったほか、料理にハマったきっかけやアスリートフードマイスターの資格を取得した経緯などについて話を聞かせてもらった。

まつもと・しょう/1992年4月4日生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスユースから2011年にトップチームに昇格。その後、愛媛FCやレノファ山口FC、サウルコス福井でのプレーを経て、今季、ガイナーレ鳥取に加入したアタッカー。アスリートフードマイスターの資格をもち、自身が作った料理の写真やレシピなどを積極的にSNSで発信している。
まつもと・しょう/1992年4月4日生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスユースから2011年にトップチームに昇格。その後、愛媛FCやレノファ山口FC、サウルコス福井でのプレーを経て、今季、ガイナーレ鳥取に加入したアタッカー。アスリートフードマイスターの資格をもち、自身が作った料理の写真やレシピなどを積極的にSNSで発信している。

プロ3年目で初めて自炊に挑戦

――まず、料理が好きになったきっかけは?
横浜F・マリノス)ユースからトップチームに昇格して3年目の2013年に、愛媛FCに期限付き移籍して、生まれて初めて一人暮らしと自炊をすることになったんです。ユースまでは自宅で母親に作ってもらっていたし、プロになってからも寮生活で、3食とも何もせずに提供してもらえる環境から、すべて自分でやらなければいけなくなって。でもやっていくうちに、料理が好きになっていったんですよ。

――練習や試合の合間に慣れない料理をすることは、ストレスにはならなかったですか?
それまで、これという趣味がなかったところに、料理がうまくハマりました。皿洗いや片付けも面倒には感じなかったですね。

――とはいえ、最初のころはうまくいかないことも多かったのではないですか?
全然ダメでした。スーパーマーケットに一人で行ったこともなかったし、一人分の量が分からないので、食材を無駄にすることも多かったです。最初は栄養のことも考えず、自分の食べたいものだけを作っていましたが、少しずつインターネットなどで調べて、いろいろなものを作るようになりました。

アスリートに最適な食事を追求

――そこから、なぜアスリートフードマイスターの資格をとろうと思ったのですか?
翌2014年に横浜F・マリノスに復帰して、また食事を提供してもらえる環境になりましたが、せっかく始めた料理をやめるのはもったいないと思って、栄養などについて勉強していました。自分の体のためにもっと知識を深めたいと感じて、その年に、アスリートに最適な食事を提供するアスリートフードマイスターの資格を取ろうと決めました。

――資格をとるまでの流れは?
講義は1日間で、オフの日に1回1時間半の講座を4回、朝から晩まで受けました。その後は自分で勉強して、1カ月後に筆記テストでした。一発で合格しましたよ。

――男性の受講者は珍しかったのでは?
全部で30人くらいでしたが、男性は自分だけだったはずです。最初に自己紹介があって、アスリートの方、トレーナーの方などのほかに、誰かは言わなかったですが「夫がJリーガーです」という女性もいました。その後に「Jリーガーです」と自己紹介するのは、ちょっと恥ずかしかったですね(笑)。

――資格をとった後、作ったり食べたりするものは、それまでと変わりましたか?
それほどストイックにやっているつもりはないですが、肉、魚、卵、豆腐など、動物性と植物性のたんぱく質を、なるべく偏らずに多く食べることは意識していますね。資格をとってから筋肉系のケガは一度もしていないので、日々の積み重ねの効果は感じます。

固形のルーは使わない。素材の味を生かす

――料理をする上でのこだわりは?
素材の味が好きなので、なるべく調味料を使わないようにしています。あとは、人が真似しやすいものを考えていますね。鳥取は野菜や魚、肉など、安くて新鮮な食材がたくさんあるので、スーパーマーケットに行くのが楽しいです。この時期になると蟹も売られていたのは驚きました。

――よく作るメニューは?
値段が安くて体によいので、鶏の胸肉を使ったメニューが多いですね。カレーも、ご飯が進むし、野菜や肉を入れればある程度の栄養素をまかなえるので、よく作ります。モットーは「食べないよりも、食べたほうが健康になるカレー」で、固形のルーは使わず、ターメリック、ガラムマサラなどのスパイスを混ぜて作ります。意外と簡単ですよ。鳥取のブラジル国籍選手3人(フェルナンジーニョ、レオナルド、ヴィートル ガブリエル)を部屋に呼んで食べてもらったら、「日本で一番おいしいカレーだよ」と喜んでくれて、うれしかったです(笑)。

――自身のツイッター( https://twitter.com/sh0t1me444 )やインスタグラム( https://www.instagram.com/matsumotosho444/ )で、作った料理などを積極的に発信していますね。
最初は、同じアスリートで自炊が苦手な選手に向けて発信していましたが、サッカーをやっている子どもをもつ親御さんからの声が届くようになったのは、予想外でした。すべてをサッカーにつなげたい思いがあり、なかなか試合に出られないときこそ、ピッチ外でも努力を続けようと思ってやってきて、その一つが料理です。SNSでの発信には賛否両論あって、「それよりも、プレーで頑張ってほしい」という声も届きます。もちろん自分もそれが一番だと思っていますが、サッカー選手として応援される立場である以上、サッカー以外のことでも喜ばせたいですし、ほかの人とは違うアスリートとしての一面を出したいと思っています。サポーターの方から肯定的な意見を直接、言ってもらったこともあるので、確立してきた面もあるのかな、と感じていますね。

――資格を使って今後、やってみたいことはありますか?
自炊に興味をもってもらえる、真似してもらえるようなレシピを作っていきたいですし、将来的には、簡単に作れて体にいい料理を集めた、アスリートが自炊するための本を出してみたいです。昨年、ツエーゲン金沢のアカデミーの栄養講習にゲストで呼ばれたとき、親御さんに「現役Jリーガーに話してもらうと納得できる」と言っていただきました。今後はプロを目指す小・中・高校生に向けた発信もやっていければと思っています。

チームメートも大絶賛の「鶏ひき肉の親子煮」

――では、料理を作ってもらいましょう。今日のメニューは何ですか?
「鶏ひき肉の親子煮」です。親子丼の具を、鶏のひき肉でアレンジしてみました。

※料理ができたところで、松本選手がチームメートに料理をふるまう通称『松本食堂』の常連、畑中 槙人選手と、今回が初めての魚里 直哉選手が登場!

今日の『松本食堂』のメニューは「鶏ひき肉の親子煮」
今日の『松本食堂』のメニューは「鶏ひき肉の親子煮」

松本「さあ、どうぞ!」
魚里「めちゃくちゃうまいです! 生姜が効いていますね」
松本「生姜をすり下ろしたからね。インスタントのチューブでもいいけど、時間がある人はそこにこだわると、香りもいい」
畑中「俺の部屋、おろし金がないな(笑)。こうやって食べてみると、普段の外食の味の濃さが分かりますね。こういう家庭的なものを食べる機会は少ないから、ありがたいです」
松本「体にもいいよ。鶏肉の脂身の少ない部分と、卵で、たんぱく質が摂れるし、きのことネギで野菜も摂れる。これと白いご飯だけで、ある程度の栄養はまかなえるからね」

魚里「俺たちは自炊といっても、鍋か、何かを焼くくらいだよね。メニューを考えるのがしんどいし、洗い物も大変で…」
畑中「そうですね。きちんとした料理は、なかなか…」
松本「作り方は動画で出るから、見たらできるよ。それにこの料理、フライパンを使わずに、全部混ぜて電子レンジで温めてもできるように考えてあるから」
魚里・畑中「そうなんですか!?」
松本「それならできるよね。ちゃんと作れるようになったか、今度チェックするから!」

取材・構成:石倉 利英
写真:盛岡 義弘

 

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