2018年の明治安田生命J2リーグは、松本の優勝で幕を閉じた。2位の大分とともに来季のJ1昇格を確定させている。
まだJ1参入プレーオフに出場する3チームの戦いは残されているが、混戦となった今季のJ2リーグには、どのような傾向があったのか。各チームのデータをもとに、その戦いを振り返っていく。
まず攻撃面のスタッツを見ていくと、2位の大分と、8位と躍進を遂げた山口のデータが際立つ。大分は最多得点をマークしただけでなく、「シュート数」「ボール支配率」「クロス数」と各項目で軒並み、トップ5を記録している。山口は「シュート数」「クロス数」「敵陣PA内プレー数」の“3冠”を達成。霜田 正浩監督のもと、本来持っていた攻撃スタイルを、さらに進化させ、前年の20位から8位にジャンプアップを果たした。
得点数2位の千葉も、「ボール支配率」でトップに立つなど、各項目で高い数値を示した。しかし失点数もリーグ最多で、その攻撃力を結果に結びつけることはできなかった。
得点数は10位に留まった松本だが、「シュート数」は山口に次ぐ、2位だった。決定力が備われば、より早い段階で昇格を決められていたのかもしれない。
守備のイメージが強い岡山だが「前方ロングパス数」で1位に。「敵陣PA内プレー数」も3位となっており、シンプルな攻撃で相手陣内に迫っていたことが分かる。最下位の讃岐は得点数がリーグワースト。その他の攻撃スタッツも低調で、攻撃力不足が降格を招いた大きな原因となった。
一方、守備面では松本のデータが際立つ。「失点数」は最少で「無失点試合数」は総試合数の半数を超える22を記録した。20試合の横浜FC、17試合の東京Ⅴ、16試合の町田と、上位に食い込んだチームはやはり守備の安定性を備えていたことが分かる。
ただし、その守備の方法論はチームによって異なる。町田は「敵陣でのボール奪取数」がトップで、「オフサイド奪取数」は2位。前線からプレッシャーをかけ、ラインを高く保つ積極的な守備が機能。「被シュート数」も最も少なく、相手にチャンス自体を与えなかった。
同様に山口や岐阜、千葉といったチームもハイプレスとハイラインの守備を実践したがいずれのチームも失点数が多く、その積極性が裏目に出た印象だ。
一方で松本は、「敵陣でのボール奪取数」は13位で「オフサイド奪取数」は22位。3バックを中心に強固な守備を保ち、後方でしのぐ守備で昇格を勝ち取った。
データ提供:データスタジアム