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プロ級の腕前!相模原・北井 佑季のトランプマジックは一見の価値あり【ピッチでは見せない別の顔:北井 佑季編】

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2018年11月14日(水) 16:00

プロ級の腕前!相模原・北井 佑季のトランプマジックは一見の価値あり【ピッチでは見せない別の顔:北井 佑季編】

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プロ級の腕前!相模原・北井 佑季のトランプマジックは一見の価値あり【ピッチでは見せない別の顔:北井 佑季編】
選手の新たな一面を発信する連載の第2回目は相模原・北井 佑季選手。トランプマジックにハマった理由や面白さについて話を聞かせてもらった

幼少期から細かい作業が好きで器用だったSC相模原の北井 佑季選手が、トランプマジックに出会ったのは小学生の頃に見ていたテレビ番組がきっかけ。ブラウン管越しに「不思議だと思った」北井少年は、見よう見まねでプロマジシャンの技を習得していった。サッカー少年であり、マジック少年でもあった北井 佑季選手は、サッカーボールだけでなく、トランプも自在に操る。

チームメイトからも絶賛されるというトランプマジック。今回、その技を披露してくれるということで、トランプマジックにハマった理由や面白さについて話を聞かせてもらった。

きたい・ゆうき/1990年1月27日生まれ、神奈川県出身。近畿大学から2010年に当時JFLのFC町田ゼルビアに加入。その後、松本山雅FC、カターレ富山でのプレーを経て、今季、SC相模原に加入した。
きたい・ゆうき/1990年1月27日生まれ、神奈川県出身。近畿大学から2010年に当時JFLのFC町田ゼルビアに加入。その後、松本山雅FC、カターレ富山でのプレーを経て、今季、SC相模原に加入した。

マジックは独学で習得

――トランプマジックを始めたきっかけは何だったんですか?
小学生の頃、マジシャンがトランプマジックをやっているテレビ番組を見るのが好きでした。最初は自分も不思議だなと思うだけで(タネは)分からなかったですけど、見ているうちに「自分でもやってみたい」と思ってやってみたのがきっかけです。

――マジシャンという職業に憧れがあったんですか?
憧れは特になかったですけど、見ていて不思議じゃないですか。「これが自分でできたらどうなんだろうな」と思ったのがきっかけですね。

――本を買って勉強をしたわけではなく、テレビでマジシャンがやっているのを見て習得したということですか?
そうですね。テレビでいろいろなマジックを見て、自分で学んでいった感じでしたね。

――見ていているだけでマジックのタネが分かったんですか?
そうですね(笑)。だいたいこうだろうなと(笑)。

――では、やっていくうちにマジシャンになりたいとは思わなかったんですか?
それはなかったですね(笑)。サッカーをやっていて、時間があるときにトランプでやるという感じでしたから。

優しく穏やかな性格も影響したのか。小学生のうちにいくつかのトランプマジックを習得していながらも、これまで人前で披露する機会はほとんどなかったのだという。

――小学生のときにトランプマジックができていたなんて、披露する場もたくさんあるわけで一躍人気者になったのでは?
実は全然、人に見せたことがなくて…。

――こっそり1人でやっているのが楽しかったんですか?
そうですね。


マジック披露の契機は奥さんの一言

ではなぜ今回、トランプマジックの取材を受けるに至ったのか。そこにはある人の存在があった。

――選手名鑑のアンケートで、特技の欄に『マジック』と書いていましたが?
今年、初めて書きましね(笑)。

――なぜ、今まで黙っていたんですか(笑)?
性格的に自分から『見て、見て』というタイプではないので。だけど、妻がマジックをできると知っていて、『自分が思っている以上に周りの人はすごいと思うから、それを出していったほうが良いよ』と言われて、今回初めて書いたんですよね(笑)。

――今年のSC相模原ファン感謝デーでもマジックを披露したと聞きましたが、周りの反応はどうでしたか?
びっくりしてくれましたね。他の選手も僕がマジックをできると思っていなかったと思うので、それをきっかけに話も盛り上がりましたし、喜んでもらえたのが一番うれしかったですね。

サッカー選手にとってスパイクが商売道具であるように、トランプマジシャンにとってトランプは大切な商売道具だ。こだわりは「ないですね」と笑う北井も、この日はしっかりと『マイトランプ』を持参してくれた。

北井選手が持参したマイトランプ
北井選手が持参したマイトランプ

――今日もマイトランプを持ってきていただきましたが、やはりトランプにもこだわりがあるんですか?
いや、ないですね(笑)。もちろん(トランプの種類によって)やりやすい、やりにくいはありますけど、本当に100円で売っているトランプでもできますし、多少、枚数がそろっていないトランプでもできたりするので。

――履きなれたスパイクみたいな感覚ですかね?
はい、そういう感じですね(笑)。

――同じトランプをどのくらい使い込んだことがありますか?
そこまで同じトランプを使い込むことはないですね。例えば、マジックをする中で相手にトランプに何かを書いてもらったり、トランプを切ったりするマジックもあるので。マジックの種類によってはそのトランプは使えなくなってしまうこともあるので、そういう時は家に置いてある新しいトランプを使いますね。

――家にトランプのストックがあるんですか?
何個かあります。珍しいですよね(笑)。


マジックとは、相手をだますこと

「最近全然トランプに触る機会がなくて、今日、久々に触ってちょっと緊張した」と笑いながらも、初級編、中級編、上級編と3つの技を披露してもらい、その技の解説までしてくれた北井選手にトランプマジックの面白さやこだわりを聞いた。

 

――トランプマジックの面白さはどこに感じていますか?
テクニックを使いながら相手をだましているわけなんですけど、最終的にマジックが成立したときや、細かいテクニックを見破られていないときはやっていて楽しさがありますね。どちらかと言えば、見破られなかったときのほうが面白さを感じます。

――トランプマジックをやる上で最も意識することはなんですか?
見ている側は(タネを)見破ろうと思って見ると思いますけど、そうやって見ていると、マジックが成立した時に面白さに欠けるというか、『見破れなかった〜』となってしまう。ただ、回数を重ねるごとに『もう見破れない』と思って、(トランプマジックを)楽しむほうに気持ちがいってくると楽しんで終わってもらえるので、そうなるように意識しています。

――自分で技を考えるんですか?
マジックには本当に細かいテクニックがいっぱいあって、それらを組み合わせてやっています。テクニックをいくつか習得できれば、それだけいろいろなことができます。マジックとは相手をだますことだと思うので、サッカーの中でもそういうのはすごく役に立ちますし、『実はこういうふうにやっているけど、見ている人にはそうは見えない』とか。

――今までタネを見破られたことはありますか?
ないですね。

――やはりそこは意地があるんですか?
失敗しなければ、見破られることはないですね(笑)。

最後に、疑問に思っていた「なぜトランプマジックなのか」を聞いてみた。すると、“ボールが一つあればサッカーはどこでもできる”ならぬ、一つの名言が北井 佑季選手の口から飛び出した。

――ほかにもマジックの種類はあると思いますが、なぜ、トランプマジックなんですか?
いろいろな仕掛けがマジックにはあると思います。ただ、僕ができるトランプマジックはトランプの種類も問わないし、トランプ一つあればできるモノです。トランプ自体に仕掛けがあるわけではないので、どこでもやりやすいということでやっていますね。
例えば、ボールなど道具を使うマジックだと、それ自体に仕掛けがあった場合、用意していないボールを渡されたときに仕掛けがないからできないとなってしまうじゃないですか。でも、トランプマジックはどんなトランプでもトランプさえあればどこでもできるので。

「どうして?」、「なんで?」、「どういうこと?」。実際に目の前でトランプマジックを見せられると、驚きの連続だった。素人レベルをゆうに超えている北井 佑季選手のトランプマジックは一度見てみる価値がある。 そう、プロ級の実力だった!

取材・構成:須賀 大輔
写真:星 智徳

 

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