明治安田生命J1リーグは29、30日に第28節が開催される。首位の広島と2位の川崎Fとの勝点差はついに3ポイントに迫っており、今節の結果次第では両者の立場は入れ替わることになる。
広島はG大阪とのアウェイゲームに臨む。前節はFC東京に勝ち切れず、1-1の引き分けに終わった。水曜日には天皇杯のラウンド16を戦ったため、中2日での一戦となる。ここ2試合で1得点しか奪えておらず、攻撃が停滞気味。パトリック以外の得点パターンを確立したいところだ。一方のG大阪は3連勝と勢いに乗る。今節勝てば降格圏から脱出できる可能性もあるだけに、モチベーションは高いだろう。2試合連続ゴール中のファン ウィジョの出来がカギを握りそうだ。
2位の川崎Fは長崎の本拠地に乗り込む。水曜日に行われた湘南戦では決定力を欠き、スコアレスドローに。それでも勝点1を上積みし、ついに広島の尻尾を捕まえている。攻撃の形はできているだけに、ゴール前でのクオリティが求められてきそうだ。対する長崎は最下位に沈むものの、現在は2連勝中。残留に向けて士気が高まるなか、ホームで上位撃破を実現したいところだ。
3位のFC東京は7戦未勝利と元気がない。それでも前節は首位の広島と互角の戦いを演じており、その手応えを今節の戦いにつなげたいところ。対戦相手の清水は、勝ち負けを繰り返す不安定な戦いが続く。攻撃陣は好調なだけに、失点が増えている守備の修正が何より求められるだろう。
2連勝で4位に浮上した鹿島は、アウェイで神戸と対戦。リーグ戦だけでなく、ACL、天皇杯も勝ち上がり、ルヴァンカップも含め、今後は4つのコンペティションを並行して戦うこととなる。ハードスケジュールを強いられるも、リーグ屈指の選手層をいかし、この連戦を乗り切りたいところ。エースの風格が漂い始めた鈴木 優磨にかかる期待は大きい。対する神戸は4連敗と勢いを失っている。今節も故障を抱えるアンドレス イニエスタの出場が微妙ななか、他の攻撃陣の奮起が求められるだろう。
C大阪は3戦負けなしと安定した戦いを続ける。今節はホームで名古屋と対戦。終了間際に追いついた前節の粘り強さを、この試合でも示したい。対する名古屋は7連勝の後に2連敗で、14位に転落。再び残留争いに巻き込まれている。前節は川崎Fに力の差を見せつけられての完敗。不発に終わった攻撃陣が意地を見せられるか。
仙台は横浜FMとアウェイで対戦。2連勝と調子を上げていたなか、前節は決め手を欠いて長崎に完封負けを喫した。攻撃の形は作れているだけに、いかに決め切るかが大きなテーマとなるだろう。横浜FMは前節、磐田に競り勝ち12位に浮上。それでも17位のG大阪とは2ポイント差しか離れておらず、過酷な残留争いから抜け出せていない。伊藤 翔が負傷離脱するアクシデントにも見舞われるなか、正念場の一戦となりそうだ。
札幌はホームに鳥栖を迎える。2連敗と調子を落としており、ここ2試合はともに完封負け。持ち前の攻撃スタイルを取り戻し、再び上位進出を実現できるか。一方の鳥栖は4戦負けなしと上昇基調にある。この間わずか1失点と堅守が際立つ一方で、得点力不足は解消されていない。24節以来得点のないフェルナンド トーレスの爆発が求められる。
浦和は2連勝で8位に浮上。今節はホームで柏と対戦する。前節は神戸に4ゴールの快勝。卓越したパスワークを披露した柏木 陽介が、今節もカギを握る存在となりそうだ。一方の柏は3試合勝ちがなく、16位に沈む。後のない状況に追い込まれるなか、3試合連続ゴール中の瀬川 祐輔にかかる期待は大きい。
磐田はホームに湘南を迎える。4試合勝利がなく、苦しい戦いが続く。前節も終了間際の失点で横浜FMに敗戦。失点が続く終盤の戦い方に修正が求められるだろう。湘南も3試合勝利がないが、水曜日に行われた川崎F戦では猛攻に耐え、勝点1を確保した。ハードワークを軸とした戦いにブレはなく、今節も粘り強い戦いで相手を苦しめたい。
■各試合の見どころをチェック
札幌vs鳥栖
横浜FMvs仙台
G大阪vs広島
神戸vs鹿島
FC東京vs清水
長崎vs川崎F
浦和vs柏
磐田vs湘南
C大阪vs名古屋